ドキュメント72時間は数少ない好きな番組です。
本記事は本物と比べると時間も内容も太陽と豆電球くらいの差がある72分くらいの出来事ですが、ご紹介させてください。
別記事「ワインバー、初恋」でエキサイティングな登場をした取締役の女性とお客様との商談帰りに寄ったカフェでのエピソードです。
お客様の会社が丸の内にあり午後の商談も丸の内だったためにカフェで休憩をとることになりました。
しかし取締役とカフェに行くのは嫌でした。
なぜなら隣と席が近いからです。
仕事の話なら何ら問題ないですが、それ以外の話だと事故ばかり起きます。同じ思考回路の人間と思われたくなかったのです。
しかしさすが昼時の東京丸の内、目に入るレストランなどは行列ができておりとても入れませんでした。
私は休憩しなくて良いと思っていましたが「パンケーキ」が食べたいと上目遣いでほざく取締役の圧に負けてカフェに入ることにしたのです。
やっぱり止めておけばよかったと後悔するとも知らずに……
店内は隣との席が近く場所がらデキる感じの綺麗な女子で溢れていました。
私は取締役と一緒の時は可能な限り空いているスペースに誘導して座ります。会話内容が恥ずかしいからです…
しかし東京丸の内は満席に近い込み具合でした。唯一2つ連続で空いているテーブルを見つけた私は椅子取りゲームかのようなスピードで席を確保し取締役を誘導してから座ります。
席に着くと早速ハンカチを出して胸元の汗をポンポンする取締役、オイオイこんな所で服をグイってすんなよ捕まるぞ!と思っていた私に「見ちゃダメ♡」と先制パンチを喰らわしてきました。暑いし疲れるしイラつくしできつかったです。
そして不幸が起きます。
着席してオーダーをしたあとにイケてる女子4人組が隣に座ったのです。
他に席は空いていませんし動けません。
取締役と一緒でなければ「最高!!ヨッシャー」というような女性たちです。
さすが東京丸の内、人が多いのでキラキラしている女子が普通にいます。その時に隣のテーブルに座った4人組も画像の中のような人たちでした。
かたや私の目の前にはドロドロした勘違いウーマン…地獄です……
そして取締役は近くに誰がいても話す内容を変えないのです。
例えば自分より弱い立場の後輩にイキっているヤンキーがいて武勇伝を語りまくっていたとします。しかし隣にゴツイヤンキーの集団が座ってきたら同じ話はしないはずです。
しかし取締役はブレません。器がでかすぎるのです。例えば隣に北川景子さんや石原さとみさんが座ったとしても「女優の中でも私レベルはいないじゃない?」とか「○○って女優が最近私に寄せてくるのね?」等と言えてしまう器のでかさなのです。確かにあなたレベルはいませんね!ですが取締役は200%ポジティブな意味、我々サイドは1000%ネガティブな意味で言っているので分かり合えません。
なおこの時期は「有村架純って子が私に寄せて来てない?」とよく仰せでした。(当時露出が増えていた)
お前だよ!寄せてんのは!性別以外は寄ってないけどねっ!と皆で思っていました。
少し前に美容室に部下の女性(若者が多い美容室には1人で行けない)を連れて行って「有村架純ちゃんみたいにしてください」って言っててさ〜と同僚の女性社員から死にそうな顔で聴いていました。美容師困らせんな!カスハラ過ぎる!有村架純って子がと言ってあんまり知らんけど?みたいな小芝居もいらん!そして連れて行った部下に言いふらされてんじゃねぇ!!と思いました…。
本題です。
隣にイケてる美女4人組が陣取ってしまい気が気じゃない私をよそに取締役は通常運行です。背が低くスタイルが悪いにも関わらず私が求めているという遥かなる勘違いで無理に足を組んで、都度組変えたりのセクシーポーズに忙しく座りにくそうにしています。
そして恐らく前もって話そうとしていたことを話し始めます。
「ねぇ、観てる?」
こういう時はほぼ間違いなくカストークです。ただコレだけだと意味が分からないので「何をですか?」と聴きます。
「軍師官兵衛、あんた歴史好きでしょ?」
そうです、イケメンが出ているのです。
イケメンかつ良い役者さんではあるものの私は日本の戦国武将で黒田官兵衛が1番好きなので同世代が演じるのに違和感を感じて観ていませんでした。
「すみません、観てないんですよ。ちょっとバタバタしてて」
取締役は言います。
「そうなの?ふーん」
なんだよ!終わりかよ!面倒くせーな。と思ったその時です。
「わたし、彼ならありかも」
!?
特攻の拓なら武丸に問答無用でぶっ飛ばされるでしょう。
毎度のことではありますが都度心の底から「!?」という気持ちにさせてくれるのは流石だなと感心してしまいます。
聴くべきではなかったのですがムカつき過ぎて感情のコントロールを失い聴いてしまいました。私は「取締役二段」くらいはあると自負していましたが勉強不足だったようです。
「え?どういうことですか?」と聴いてしまったのです。アンガーマネジメントの講習を受けたのに全く意味がありませんでした。
すると「もぉう、分かんないかな~、ほら、あれ、岡田准一くん出てるでしょ?」
ちっ、あーはい、それね、くそ、もういい、わかった、イケてる女子も隣で聴いているからもう言うな。
しかし取締役は止まりません、止まるわけがありません。
私がアキラじゃなくて良かったですね……。
「わたし、岡田准一くんなら付き合ってもいいかもぉ♡」
恐れていた事が起きました。
その瞬間、隣に座っている美女4人が一斉に「はっ?」という表情で取締役に視線を送ります。それはもう全力で「なんなのこの人」という表情です。イケてる女子が4人同時に。
そしてそのまま滑るように私にも同じ視線を送って来たのです。
それはもう「お前コイツなんとかしろよ?」風な目線を……
私はあまりの圧に下を向き「違うんです、私はそんなこと思ってないんです!私は無実です!」と言い訳していました。
そして聴き間違い?何て言ったこのおばさん?とまだ確証が持てておらずまだグレー段階だった女子達の認識をブラックにするセリフを次々にぶっ込んで来ます。
「聴いている?どうしたの?准一くんどう思う?」
私は「はぁ、まぁカッコイイですけど芸能人ですし売れっ子ですし色々厳しいですよね…」
「まぁ私も全国飛び回っているからネックはスケジュール調整か~」と付き合うのは決まっているかのような発言…。
「でも不思議よね?今まで全く意識してなかったのに急に気になっちゃって」(遠い目で)
「でも違うのよ。別に彼が好きとかじゃないのね?」(私を安心させるスタンスで)
「ニュースになっちゃって業績に影響でたらマズイじゃない?」(余計な心配)
なぜこうまでほざけるのかが全く理解出来ませんが私を含む関係各社の多数が長年ヨイショをしてしまったのも要因の1つであると反省しております。とはいえですけど……。
休憩中はずっと隣のイケてる女子たちの「何なのあんたら?」という冷たい視線を浴びてめちゃくちゃ疲れました…。
取締役とカフェに行ったのはその時が最後です。
以降は全力で避けていました。
■おわりに
あの時のイケてる女子グループの汚いものをみる目を私はまだしばらく忘れられそうにありません。
そのくらい蔑まれた視線を浴び続けました。
会話内容から私が部下の立場で逃げられないと理解してほしい所ですが微妙に店内が騒がしくてそれが聴きとれない絶妙な状況だったのです。不幸過ぎる!
なお話したかったことを私に言えた取締役は満足して午後の商談は私しか話していません。
結果、午前の商談は失注し午後の商談は無事に受注となりました。