2024年も8月となり、その8月も今日が最終日です。
気付けば8月だけで64冊も漫画を買っていました・・・。
既に買っている漫画の新巻、新たに買った漫画、積もり積もって1か月で64冊。買い過ぎました・・・。
それだけ買っても人にオススメ出来る漫画はそう多くありません。
そんな中でまた超絶オススメできる漫画に出会いました。
『COSMOS』という漫画です。
レビュー評価は4.4と高評価で3巻まで出ています。
本記事では『COSMOS』のご紹介と最新”3巻”の感想を書きたいと思います。
本作の魅力をお伝えするためにネタバレを含みますので閲覧注意でございます。
■『COSMOS』とは?
週刊少年ジャンプで連載されていた「べるぜバブ」(28巻完結済)の作者である田村隆平先生の新作です。
本作を超ザックリ言うと「宇宙人相手の保険屋さん」の物語となります。
主人公の水森は高校生、イケメンでスポーツ万能の人気者です。
ワラワラと寄って来るクラスメイト、しかし水森は乗り気ではありません。
彼は人が嘘をつくと「臭い匂い」で分かってしまうという特異な体質でした。
そんな水森に彼氏と連絡がとれないから一緒に家まで付いてきて欲しいという女子。
行くのを避けようとする水森ですが一緒に歩きながらの会話で女子から彼氏との不仲の原因を聴き気になってしまいます。
その原因は彼氏とSF映画を観ている時にいってしまった「宇宙人かよ」というツッコミでした。なぜそんなツッコミを入れたかというとSF映画を観ていると上から目線で蔑んだような事を彼氏が度々言うのでイライラしてしまったとのこと。すると普段は見せない表情を彼氏が見せたというのです。
よく分からない話しですが嘘が分かる水森はこの話が真実であると分かってしまいました。
家の前に行くと怖い系の人がいます。ビビって一旦素通りする2人。しかし数度の鈍い音が「ドン、ゴゴッ、バガ」と聴こえたかと思うと女子高生が話しかけてきました。そして彼氏の家の鍵をあけて入る女子高生。
そこには彼氏の死体がありました。
しかし女子高生はこれは死体ではなく「抜け殻」だと言います。抜け殻!?という話ですが彼氏は脱皮するたびに強くなるタイプの宇宙人であると聴かされます。
そうクラスメイトは宇宙人だったのです。
しかも目の前の女子高生からは嘘をついた時の匂いがしません・・・。全て本当のことを言っています。
この女子高生が何をしに来たかというと彼氏(宇宙人)が加入している保険のお金を支払っておらず確認に来たのでした。
宇宙人は地球で暮らす場合、万一の損害賠償に備えるために保険への加入義務があり、女子高生は保険を引き受けている会社の社員で宇宙人専門の「保険調査員」だったのです。
その会社の名前は銀河金融保険公社「COSMOS」(コスモス)
調査員の女子高生は嘘を見抜くことができる水森を調査員にスカウトします。
保険調査員と関わった事で拉致される水森、龍のような顔でスーツを来た男に助けられました。この龍顔の男は女子高生の部下です。
ワケが分からず困惑する水森に会社を案内するという女子高生改め保険調査員の課長「穂村 燐」(ほむら りん)
世界中に支部を持ち、年間10万人の異星人の入管を引き受けている公的機関「COSMOS」
街中にそびえ立つ巨大なビル、行きかう人は殆どが地球人であると聴かされます。
会社のエントランスで長髪長身のイケメンに声をかけられる水森、このイケメンは龍顔の男が擬態した姿でした。龍顔の男は砂噛(すながみ)、この砂噛と穂村に伴われて社内を進みます。
そして局長室へ。
そこに居たのはウルトラマンの被り物をした変態(笑)、銀河系金融保険公社東京支局 局長「潤登」(うると)でした。
変な局長に面喰いながらも穂村達が話す事についていけない水森でしたが、穂村から言われます。
普通に街中のビルに入り、局長室に来ただけでしたが「体・・・軽くなりましたよね?月の上ですから。ここ・・・」と。
穂村たちと関わることでそれまで知らなかった宇宙人の事を一気に知る水森、保険金詐欺、犯罪、病気、事件と次々に関わっていきます。
そうしている内に仕事の楽しさを知り、やりがいを感じる水森、スカウトされたといっても仮社員でしたが正社員を目指して頑張るのでした。
ここで3巻までで特に印象に残っている回を少しだけご紹介します。
①八日目の蝉的な回
「COSMOS」が絡んだ事件に関わった地球人はその後の生活に支障が出ないように一部の記憶を改ざんされます。
育児放棄で死ぬ間際だった赤ん坊を誘拐して育てた宇宙人、宇宙人は母として愛情たっぷりに女の子を育てていました。
しかし犯罪は犯罪、「COSMOS」の面々に追い詰められます。事件解決後に記憶を消されて保育園に通う女の子の姿が。
水森と穂村が様子見を見に行き話しかけますが「きょとん」とされました。愛情たっぷりの宇宙人お母さんとの記憶を消すのが正しいのかと葛藤していた水森ですが「きょとん」とした女の子から嘘の匂いが・・・。
よく読んでくれていた絵本がキッカケで記憶が戻ったのでしょう。しかし賢い女の子は思い出を大事にしつつも知らないふりをします。水森の特殊能力を知らないので・・・。
この回は何とも言えない悲しさと感動がある回でした。
②保険金詐欺に巻き込まれた宇宙人の回
詐欺に合いそうになった無実の宇宙人を水森が嘘を見抜く特殊能力で救います。
心の底から本当の「ありがとう」を言われたことで保険調査員の仕事に対する水森の向き合い方が変わったエピソードです。
③バイト先の先輩(宇宙人)が余命少ないと知った回
何かと絡んできていた美人なバイト先の先輩「油井」とのエピソードです。保険金詐欺を追う穂村はCOSMOSと契約をしている宇宙人専門の医者を調査していました。
その過程で医者の患者の1人が水森のバイト先の先輩と分かります。
油井の家に行く穂村と水森、一次調査で油井の潔白が証明され安堵する水森でしたが穂村はまだ分からないと言います。なぜならば保険の種類が死亡保険だったからです。
水森はダッシュで油井の元へ。
余命5日と知り、残り少ない中で思い残すことがないように手伝うという水森。お金がないと躊躇する油井でしたが安村さん?(猫)の後押しもあり弾丸トラベルへ。
最後の会話で水森は油井から特異な視る力を継承します。
湖面のシーンはアイキャッチに使用していますが、エピソードも画も超絶美麗で感動しました。
見やすい画、予想外の設定、人情、バトル、謎とワクワクする要素が満載の本作は新たな「次巻が待ち遠しい」漫画の一員となった超絶オススメ漫画です。
■最新”3巻”の感想
3巻は2024年5月17日に発売されています。
ここまでで主要な登場人物は、
主人公の水森 → イケメン&スポーツ万能で噓を見抜く能力がある高校生
課長の穂村 → 無表情でいることが多いものの美少女かつ人間なのにめちゃくちゃ強い女子高生
穂村の部下の砂噛 → 戦闘民族ディガロ星人、1人で100万の部隊に匹敵する希少種
局長の潤登 → 人間だけど常にウ○ト○マン的な被り物をしている、普段はふざけているが悪を許さない熱い男
3巻は水森の妹が通う塾での事件、穂村の墓参り、笛吹き男の3つのエピソードが収録されています。
笛吹き男のエピソードは終わっておらず4巻に持ち越しとなっています。
「COSMOS」直轄の特殊部隊「STARS」(スターズ)という組織の登場と隊員でイケおじの東雲(しののめ)が危険な宇宙人の退治で穂村と共闘しますが、過去に砂噛からしごかれたのか砂噛にビビり、かつ穂村が砂噛の上司と知り焦ります。
砂噛が穂村に敬語で接し上司と呼んでいるのを聴いて焦る姿は登場の仕方が渋くカッコよかったとの対比で面白かったシーンです。
新たに登場した調査員で超絶耳が良い鉄ソプラノ(くろがね)は遠くで針が落ちた音も聴き分ける特殊能力でトラブルを解決に導きました。
新しい組織、新しいキャラクター、更にはそれぞれが持つ悲しい過去と謎の過去、続きが楽しみになる要素が増えつつ事件は未解決のまま3巻は終了しました。
4巻が待ち遠しくなる終わり方ですね。
■おわりに
こういう作品に出会う度に「もうないよね?もう暫くはこのレベルの漫画に出会わないよね?」と考えますが出会いますね。
「獣王と薬草」、「傭兵団の料理番」、「迷宮レストラン ダンジョン最深部でお待ちしております」等々。
嬉しく幸せなことですがお金が・・・。
田村隆平先生の「べるぜバブ」はジャンプ連載も読みつつ単行本も全巻持っているのですが、時を経てこうも違う内容で素晴らしい作品を生み出すとは。
漫画家さんって本当に凄いなと思いますね。
本記事がキッカケで本作を読み始めて頂けた方がいれば嬉しく思います。