『マンガの神様、罰をお与えください!』の2巻が2024年8月22日に発売されました。
本作はこの2巻で完結です。
長く楽しみたいし過程で一喜一憂したいので余り巻数が少ない漫画を高く評価しないのですが本作は楽しめました。
早く終わりそうな予感はしていましたが出来れば5巻、少なくも3巻くらいは続いてほしかったですが完結までスッキリしっかりまとまっているので不満はないです。
私と違って長いのは面倒、サクッと完結まで読みたいという方にはバッチリな良作だと思います。
この先は思いきりネタバレを含みますので閲覧注意です。
■『マンガの神様、罰をお与えください!』とは?
超売れっ子漫画家として年収3億、アイドル声優と結婚と順風満帆すぎる生活をしていた主人公富沢、自分勝手に休載しまくりサロンや旅行に行く始末。
漫画も手抜きをしまくってアシスタントの負担を増やし、ミスに対して激詰めする日々。フォローしてくれる編集に対してもワガママ放題、人を見下して傲慢な言動や行動ばかりでした。
そんな時、アシスタントとして潜り込んでいた謎の人物に「キサマはもう マンガ 描かんでよろしい」と言われて光に包まれます。
気がつくと状況が一変していました。
超売れっ子どころか連載もした事がない万年アシスタント、おばあちゃんに500円のお小遣いを貰うほどお金がない、母親は自分の不甲斐なさから泣き、超絶可愛いかった嫁のアイドル声優は嫁ではなくっていました。
この世界で自分がアシスタントをしている漫画家からの電話がかかってきて言われるがまま行くと罵倒されるわ、若者にはいびられるわ、同期で見下していた落合は売れっ子になってるわで散々な状況でした。
なぜか元の世界とは性格が変わったかのような発言をする同期の落合にキレてアシスタントもクビになります。この落合は実は主人公と同じく元の世界の記憶があり、元の世界で富沢に受けていた仕打ちの恨みを晴らしていたのです。
しかし元の世界で散々迷惑をかけていた編集の篠塚の紹介で元の世界ではアシスタントとしてコキ使っていた湯本ちゃんの所で働く事になりました。
湯本はテキパキ厳しく指導するもののしっかりとアシスタントメンバーのフォローもしている上に常に漫画に一生懸命で学ぶ所が多くありました。
編集の篠塚や漫画家として成功している湯本の頑張りに刺激された主人公の富沢は少しずつ漫画に一生懸命だった気持ちを思い出して頑張るようになります。
そんな富沢をなぜかほっとけない湯本と篠塚の2人はこの世界ではポンコツの富沢に真剣に向き合います。
元の世界での呼び方の「湯本ちゃん」って呼んでしまったりしつつ富沢は湯本と篠塚の2人にフォローされて頑張って行くのでした。
■最終2巻の内容と感想
編集の篠塚の元に持って持って行くたびにダメ出しのオンパレードで元の世界では考えられないフィードバックをされまくりボツにされる主人公の富沢。
しかし湯本ちゃんの頑張りを間近で見て自分も頑張ろうとします。元の世界ではちゃん付けでしたが「先生」と呼ぶようになっていました。
自分に足りない所をズバズバ指摘されて改善していく富沢は見事に賞をとります。
賞の表彰式でハプニングがあり元の世界に戻ることができました。
元の世界に戻った富沢は以前の自分を反省して人が変わったように頑張ります。
アシスタントの湯本ちゃんのことは頻繁に「湯本せんせ・・・、ちゃん」とたびたび言い間違えているようです。そして湯本ちゃんはどちらの世界でも可愛い!!
こうして富沢は漫画に一生懸命に向き合い、関わる人を大事にするようななったのでした。
2巻で終わって残念ですがサクッと完結まで読めますしオススメです。2つの世界でのコミュニケーションやプチリベンジ、大事にするべきものなど2巻でしっかりまとめられていて読みやすかったですね。
設定そのものはありがちですが見ていて面白い設定ですし画は上手いしで楽しめました。似た設定で異世界ものとか描いてくれないかな?
タイムリープとかこの類いの転移は感情を刺激しやすい展開が多いので大好物です。
元の世界ではこうだった→こちらの世界ではこうなっている→反省→頑張る→元の世界で優しくなるみたいな展開は胸熱になりやすい。
世界線を移動する原因になった存在の掘り下げ、湯本ちゃんや編集の篠塚との掛け合いや感情の変化、立場が逆転して元の世界での仕返しをしてくる落合との攻防など、より深く長く描いてくれたらもっと楽しめたのにな〜とは思いますが先にも記載した通り短くコンパクトにまとまっている方が良いという方もいると思うので、これはこれで良かったのかなと思います。
個人的にレビュー評価をつけるなら5点満点で4点超えですかね。掘り下げがあって5巻くらいあれば5点だったと思います。
満点ではないですが4点超えは多くないですし本作はオススメです。
■おわりに
先日読めば「謙虚」になれるかもしれない漫画をご紹介しましたが本作も当てはまります。
忘れがちな謙虚な気持ち、最近大事に出来てなかった何か、周囲への感謝の気持ちを思い出させてくれるかもしれません。
気になった方がいらっしゃれば読んでみて頂けますと幸いです。