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【中編】傲慢で周囲の意見に耳を傾けず自己欲求を満たす事しか考えない人の栄華は終わる

 

『【前編】傲慢で周囲の意見に耳を傾けず自己欲求を満たす事しか考えない人の栄華は終わる』の続きです。


【前編】は『⑧【最後の助言】』迄でした。

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15年の長きにわたり君臨し続けた女帝、女帝と言われていた取締役と私が関わった10年間の記録の【中編】です。

 

『⑦【濡れ衣】』で事実無根の容疑により干されまくった私は一縷の望みをかけて女帝に進言をしました。しかし同僚のG社員とA社員へ「(私)がマヌケな報告をしてきて〜、そんなのに私が騙されるわけないじゃない?、私を何だと思ってるのよ!ねぇ?G社員とA社員がいれば会社は安泰だって~、手紙まで渡されて愛の告白は間に合ってるって~」と笑いながら言っていたと聴き絶望しました。

 

その後の顛末です。

 

なお実際に合ったこと、思ったこと、その時の感情、今思うことをそのまま書いているため不快に感じる部分があるかもしれません。しかしそれを言うほど長く辛い日々だったのです。その辺は何卒ご容赦ください。

 

強めの言葉や不快な表現が苦手な方は閲覧注意でございます。

 

 

■『傲慢で周囲の意見に耳を傾けず自己欲求を満たす事しか考えない人の栄華は終わる』
⑨【背信計画】
私が濡れ衣を着せられた背信行為は実際に計画されて進んでいました。

 

全く予想外で、社内の誰も気づいていませんでした。
後々考えると私は気づいて良かったかもしれませんが基本は人を信じるスタンスなので気づかなかったのです。このあたり脇が甘いんですね…。

この背信計画の主犯、そして私に濡れ衣を着せたのは誰か?だれが計画して進めていたのか?

 

悪魔のような背信計画はあともう1歩の最終段階まで進んでいました。

出典:エンゼルハート

 

 

 

 

 

G社員によって!!!!!!!!!!

 

これは殆どが後から分かった事ですが、この時期にオペレーションやシステムを担当していたG社員が背信計画を立案、A社員を巻き込んで準備をし進めていたのです。

 

主犯はG社員、共犯がA社員ということです。まぁA社員は積極的ではなく流されて…ですが。

 

このG社員がA社員を巻き込んで社内のシステムと人員を連れて競合他社に行こうと計画していたのです。その計画によるとG社員はインセンティブなどを含めて数千万単位を貰う予定だったようです。それは都内に家が建つ金額でした。

 

そしてG社員は計画を円滑に進めるために女帝の目を他に向けておく必要性を感じて仕事と精神面で懐刀的な存在だった私をハメたのでした。もう1人の懐刀だったA社員は早めに自分になびいたためハメるのではなく共犯として協力させて巻き込むことにしたそうです。

 

たまにG社員から連携される女帝情報の電話は私に女帝の文句を言わせて録音しトドメを刺すためだったと後にA社員から聴きました。


まんまと女帝から私を遠ざける事に成功して相変わらず女帝の圧倒的な信任を得ていたG社員は無敵状態でした。

 

全ての黒幕が自分にも関わらずフォローの体で私に電話してきてさぞや楽しかったでしょう。


私は言いたいことは言うタイプなので人への怒りを溜めないのですがこのG社員だけは未だに許せていません。

 

全てが思い通りに進み、もうすぐ大金が手に入るということで油断したのかG社員はこの後に考えられないミスを犯します。

 


⑩【背信結果】
それは突然でした。

 

私的「出師の表」の訴えから2週間ほど経った朝、気が重い中で出勤している途中の駅のホームで女帝から突然の着信があったのです。

 

1.5か月ほど無視されていた中で突然の着信「何事か?クビか?まぁしょうがないな」と思いながら出ると次のように言われました。

 

「あんたの社用携帯っていつ支給されたっけ?LINEの設定は誰がした?」

 

私がG社員であることを伝えると「やっぱりか〜、朝からごめんね、ちょっとバタバタしてるからまた後で」と言われ終話。

 

よく分からない内容、言ってることは不穏だけど口調や言い方は以前の私に対するものに戻っていました。

 

私は「なんなん?」と思い頭の中に「?」が渦巻いたまま出社しました。

 

そして会社に着くと早々に私を含む管理職が全員集められます。会議室のテーブル中央付近には携帯電話とノートパソコンが1台ずつ置いてありました。

最奥に座り機嫌が悪そうな女帝、事情を知っているのか苦笑いをしたり、機嫌が悪い女帝にビビって下を向いている同僚、私は自分がクビになるのか?と思っていました。

 

そして全員集まり着席したのを見て、ご機嫌斜めの女帝が話し始めます。

 

「はい。あのね本当にもう信じられない事が起きてたんだけどね、最近社内で色々とザワついたりゴタゴタしてたじゃない?それね原因はGだったの、Gがシステムとか人とか引き連れて競合に行こうとしてたのよっ!!許せないっ!!なんなのアイツぅー!」

 

みんな一様に「酷いですね!信じられない!アイツはクズだ!、昔から信用できなかった」などと言います。確かにG社員とコミュニケーションをとっていたのは女帝、A社員、私だけでした。元々他の社員には嫌われまくっていたのです。

 

彼の本性を知らずに仲良くしていたのは新参の私とA社員、面倒なことを何でもやってくれることで重宝していた女帝の3人だけでした。

 

キレる女帝、同調する社員。それを達観しながら1人冷めた感情で眺めていた私は誰も聴かないので聴きました。

 

「なぜ分かったんですか?」

 

その当たり前の質問に女帝はやや躊躇した感じでした。すると営業の責任者が「それは自分が」と手を挙げて話し始めます。


「昨日の夜にG社員から急に食事に誘われたんです。私はG社員の事が大嫌いだったので嫌でしたがしつこかったので30分だけならと言って行きました」

 

「すると驚くような事を言われたんです。もうすぐA社員と一緒に競合にシステムと人を大勢引き連れて行くことになりました。(営業の責任者)さんも来ませんか?今なら言い値で年収を決められますよ」、「女帝は馬鹿だから何にも気づかず私の言いなりです。今も無実の(私)さんを犯人と決めつけて社内イジメをしてますよね?私がそう仕向けたんですよ(笑)」

 

営業の責任者と私は業務上常に持ちつ持たれつであり、クライアントの理不尽な要望や多くの無理難題をオペレーションで乗り越えて成果を上げていたので私に恩義を感じてくれていました。

 

しかもG社員のことは大嫌いだったのです。そしてそのことを全く隠さずみんなの前でも本人に対しても言ってました。「私はG社員さんの事が好きじゃないし信用できないので話しかけないでください」と。

 

そして大嫌いなG社員に誘われたことで嫌な予感がした営業の責任者は仕事で使うために持ち歩いているボイスレコーダーを仕込んで食事に臨んだそうです。
そんな人に背信の誘いをしたのです。馬鹿としか言いようがありません。

 

事態を重く見た営業の責任者は会社を守るため、私の濡れ衣を晴らすため、大嫌いなG社員を排除するために解散してすぐの深夜に女帝へ報告します。

 

報告を受けた女帝はショックを受けつつも営業責任者がいう事を全面的には信用できないという感じだったらしいですがボイスレコーダーの音声を電話越しに聴かされて態度は一変します。

 

怒り狂って翌日の始発で本社に来たのでした。

 

そしてG社員を別の役員の男性と女性1人の計2人とのミーティングの体にして呼び出しエレベーターで上がって来た所を捕獲、そのまま両サイドを挟んで会議室に連れて行きすぐさま携帯とノートパソコンを没収、暗証番号を聴いた時は数分程度の抵抗をしたらしいですが役員の男性が「業者に頼めばどうせわかる、素直に従った方がよい、抵抗すれば不利になるよ?」と諭され観念。

 

その時の様子は茫然自失、口を開けたまま一点を見つめて心ここにあらず状態だったと後に聴きました。


何かを問いかけても力なく「はい…」と答えるかうなずくだけ、解雇や諸々の誓約書などの書類に震えた手で記入、署名をしてそのまま社外に放り出されたとのことでした。

 

超自業自得ですが妻子があり、自宅も建てたばかり、背信計画で入るお金をあてにしていたでしょうがあと一歩のところですべてが無に帰したのでした。

 

その後、携帯を没収した女性社員は女帝がいるホテルの部屋に行き状況を報告、G社員がやり取りしているメールやLINEを確認、交友関係や親しい社員を洗い出しました。
その中にはA社員との背信計画、競合他社とのやりとり、女帝に対する"日々100個"に届こうかと言うような罵詈雑言があったようです。

 

また私についても「アイツは中々、女帝を裏切らない。仲間にするのは無理だからハメて排除しよう。女帝は何でもオレの言うことを信じるから大丈夫」
そして濡れ衣を着せた後は「簡単に信じたね。あのクソババア。見た目だけじゃなく脳ミソまでクソババアだな(笑)」
更に「デブ、勘違い、口ひげうっすらババア、チビ、経費乱用、金待ってるくせに育ちがカスだから何でも経費〜クソババア〜」等々と見るも無残なやり取りがあったようです。


女帝は自分の悪口が書かれまくっていたことをはっきり言いたくないのでこれは最初に携帯を没収した女性から後に聴きました。そして私はというとG社員やA社員とのグループLINEで仕事を頑張るようなメッセージしか送っておらず女帝の悪口は一切発していませんでした。それは省かれ蔑ろにされていた期間も含めてです。

 

それにしてもなぜG社員は人を信用させる事ができたのか?


話は冒頭の女帝からの電話「あんたの社用携帯っていつ支給されたっけ?LINEの設定は誰がした?」に戻ります。3月11日の大震災で電話が繋がらなかった経験から管理職以上は社用携帯のLINEで繋がっていたのです。

 

私は詳しくないですし今はどうかわかりませんが、10年前は管理者権限の設定で人と人のLINEのやり取りが丸見えだったそうです。


この事からG社員は自分が設定して支給した管理職社員の日々のLINEのやり取りを見ていたのです。それは会社全体の管理職の内の6割ほどでした。

 

そしてそれを元にノス○ラダ○スかの様に振る舞っていたのでした。

LINEのやり取りをみているので何でも当てられたわけです。「もうすぐ○○さんは昇格すると思う」、「近日中に○○の会社は詰められる」、「今年の忘年会は〇〇系の店に行きそう」、「女帝の子供は○○に受かるはず」、「○○さんと○○さんは異動になるかもしれない」など。ビビリで寂しがり屋で占いや風水やスピリチュアルが大好きな女帝にはこれが刺さりまくっていたのです。

 

女帝は日頃から「私は視えている」、「とっくに気づいていた」、「知らないふりをしてあげていただけ」、「私くらいになると予知能力とかじゃなくて感じるようになるのね」、「また入ってきちゃった。よくない事が起きるかも」等とシックスセンスをアピールしていました。


それにも関わらず全く何も見抜けていなかったのです。アホです。

 

A社員も同様に未来で起こることを予言され(実際は役員同士のやり取りを見ていただけ)信じるようになっていったのでした。

 

そうして管理職以上を緊急で本社に集めた会議はG社員とA社員の背信行為があったという話に終始します。

 

キレて文句を言う女帝に多くの社員が同調する内にいつもの感じに戻っていく女帝、だんだんと笑顔を見せるようになります。

 

私に対しても「アンタも大変だったじゃない?Gに巻き込まれて可哀想に、今日はご飯行こっか♡」と2か月程前の有難迷惑コミュニケーションにすんなり戻りました。

 

これで濡れ衣が晴れました良かった!!いやー不貞腐れないで頑張った甲斐があったなぁ。正に日本の夜明けでした。私はホッと胸をなでおろし安心……

 

 

 

 

「………じゃねーーーよ!!」と。

 

私は考えられないほどブチキレていました。そして静かに冷静にキレていました。

 

そんな裏切り者のゴミカスの妄言を一方的に信じて唯一本当に味方だった私を殺そうとし、一方の私は蔑ろにされながらも年間最高売上を叩き出し、悲壮な面持ちで本音をぶつけたのに陰で嘲笑い&罵っておいて「ご飯だ?コノヤロっ!!2度と行くかっ!!マジで考えて物を喋れよ?」と心の中で叫びました。

 

私は無言で女帝に冷たい視線を送り続けました。

画像はイメージです

目だけ、あくまでも眼つきだけは画像のような感じで冷たい視線を送り続けました。


ビビった女帝はオドオドしながら「どうしたの?疲れてる?あんまり無理しないでね」と苦し紛れのフォロー。私は舌打ちで返します。

 

何人かは私の憤りの原因を理解し無言で私に向けて「気持ちは分かります」の目線。「いやお前らの中にも同罪チックな奴いるけどね?」と私は思いました。

 

誰にも頼れず誰も助けてくれず苦しんだこの期間の怒り、そんな中で一生懸命仕事に励んで成果を上げていたこと、ある部分では尊敬していた女帝がG社員如きに手玉にとられるカスだったという残念感で私は色々とどうでも良くなっていたのです。

 

この時ばかりは事情を全てチームメンバーに話せば流石に私の退職を理解してくれるはず、これ以上ふざけたことを言われたら辞めてやる!と思っていました。

 

そんな中、朝一で即解雇となったG社員とは異なり、A社員は全てが明るみになった事を知らずにその日は有給でした。


私に睨まれて気まずくなり、他の社員への見られ方も気になる中で女帝はA社員の処遇をどうすべきか?という話題に移り皆に問いかけます。

「Aはどうしようか?みんなどう思う?」

 

誰も口を開かないので女帝が言います「私に対する悪口は別にいいのよ!でも許せないのは会社や(私のこと)を裏切ったこと!信じられない」

 

さり気なく私に忖度することで機嫌を直してもらおうとした事にも猛烈に不快感を覚えました。「まず謝れや!!」と。そして「いやお前もな!!」と思いました。私はムスゥーとして黙って聴いていました。

 

「本当にね、私のことはいいの!私は何て言われても気にしない、でも皆の事を裏切ったのだけは許せない」その後も主語に「私の悪口は〜」を持ってくる台詞をいくつも並べる女帝。

 

いや自分への悪口が一番許せないんだろ?皆分かってんだよ!!

 

そして「今回の件は重すぎるから辞めてもらうしかないか…」と言ったところで私が口を開きました。

 

「すみませんがA社員さんをクビにするなら私も辞めますよ。ちょっとね。いい加減思う所があるんでね」

 

女帝はテンパリます。社員にそんな反応をされたことがないからです。
「え?え?なんで?どうして?アンタが辞めることなんてないじゃない?何も悪くないんだから♡」

 

バーカーかー!こーいーつーはー!!お前だよ!お前が原因だよ!!クソ馬鹿勘違い365日恋愛脳のオ・マ・エだよ!!と心の底から思いイラつきました。

出典:行け!稲中卓球部「6巻」

 

「いやそうじゃなくて、チっ(ちょいちょい舌打ちをはさみつつ)、とにかくAさんをクビにするのは反対ですね。これから◯◯で忙しくなるのにAさんいないと大変ですよ?Aさんをクビにして誰が代わりに見るんですか?私はみませんよ?」、「しかも元凶はGですよね?Gが皆のLINEを見てあることないことをAさんに吹き込んだから疑心暗鬼になって流されたんですよね?でAさんのメイン被害者って濡れ衣を着せられた私ですよね?」

 

女帝が「私にもひどいことを〜」と言いかけた所で私が「は!?何ですか?何?」と睨みながら威圧しました。それでそれ以上は言えずに黙り込む女帝。

 

他の社員も余りの私の圧に黙っています。
女帝がいつキレるかと様子見をしていた社員もいたかもしれません。

 

そんな事は関係ない私は畳みかけます。
「とにかくクビは反対です。クビにするなら私も一緒にどうぞ」

 

ワンパクな高校、しょうもない大学を卒業して前職でも上役に嚙みつきまくり後輩に職位で追い抜かれた私は「今のままでは成果を上げても見合う評価がされない」と女帝の会社に転籍してから会社の利益を損なわない限りはYESマンでいようと頑張っていました。

 

しかしこの時ばかりは10代の頃のようにギラギラした目つきで、文句があるなら全員ぶっ飛ばしてやる!と思っていたくらいでした。

もう本当に「やンのかコラァ!?ー」状態です。

出典:行け!稲中卓球部「4巻」


大人がそう思ってしまうぐらいこの1か月半は地獄の日々で起きたこと全てがアホだったのです。そうして私の圧と私の退職を避けるためにA社員は解雇を免れました。

 

私からすると根源はG社員でA社員と女帝の罪は変わりません。むしろ渾身の訴えを嘲笑された分、女帝>G社員>>>A社員の順だと思っていました。

 

更にA社員が辞めたら代わりもいません。


とにかく全てがくだらなくて憤りが止まりませんでした。

 


⑪【その後に起こった変化】
まず私の女帝への対応は辛くなりました。
あんな馬鹿に騙されやがったのかと幻滅したし、私の渾身の出師の表も陰で嘲笑っていたからです。

 

更にこの件から少しずつ表立って反抗する社員も出てきたのです。
それほど私に対する仕打ちは酷く、また嫌われまくっていたG社員如きに騙されていた事実は多くの社員の気持ちを動かして社員の忠誠を一気に冷やしたのです。

 

一方女帝はベッタリして重用していた2人が自分を裏切っていた事が分かった上に私には冷たく対応されて以前の様な権勢や圧は影を潜めていました。


同僚の女性社員曰く、めちゃくちゃ落ち込んでめちゃくちゃショックを受けていた癖にLINEにある女帝への罵詈雑言を一通り聴き終えた女帝は力を振り絞って「分かってたけどね…」とほざいたそうです。これにも「分かってた」って言うのかよ!じゃあ俺に濡れ衣きせんな!背信行為させんな!と思いました。ただこれは少し面白かった記憶があります。

 

とにかく女帝は塩対応になった私に気を使っていました。
それもその筈、私まで居なくなったら急激に業績は落ちるしその責任は女帝が負うのですから。

 

なお『⑩【背信結果】』に記載の会議のあと、私はすぐさまA社員に電話しました。有給でどこかの大型商業施設にいるであろうA社員の背後は騒がしかったですが、大事かつ緊急の話があるので申し訳ないけど静かな所に移動してほしいと言います。

 

重めの雰囲気を察したA社員は素直に従い駐車場に停めてあった自分の車に乗り込みました。

 

そして私は言います。
「今からとんでもない事を言うので心して聴いてください。そしてすぐ行動してください」

 

A社員は私の台詞にビビリ「え〜怖い、何ですか?何?どうしたんですか?」と言います。

 

そして私は午前中にあったことを伝えようとします。
あまりのことにどう伝えたら良いか悩みましたが第一声はシンプルに言いました。

「えーとですね。簡単に言うとG社員の背信行為がバレて今朝クビになりました。もう2度と会うこともないでしょう。そして携帯を没収されてるんですが、それによってG社員とAさんのLINEのやり取りを全て女帝に見られちゃってます」

 

Aさんは「はい?はい、はい?え?え!?え!???えーーー!???」と言う反応でした。

 

まぁそうなります。

 

「え?Gさんが?携帯とられて?LINEとかも全部見られたってことですか!?」

 

正にイエス・アイ・ドゥ。ここ2か月のストレスから解放されておかしなテンションになっていたかもしれません。またA社員の解雇を回避した私ですが裏切りに対するムカつきが全くの0ではなかったのでテンパりまくる反応を楽しんでしまっていたかもしれません…。

 

「いや、ちょ、マジで…、きつい…、えーー?」とAさんの狼狽ぶりは絵に描いたようでした。

 

このA社員は仕事がデキる人です。そんな人間でもテンパるとこうなるのです。

とはいえこの後の動きもあるため私は整理して午前中に起きたことをひとつひとつ説明しました。

 

すると少し落ち着き、Gが私をハメた事に自分も絡んでいたこともバレていると気づいたようで「(私)さん、本当に申し訳ないです。疑心暗鬼でGにあれこれ言われておかしくなっていました」

 

まぁ私はAさんには殆どムカついてなかったので「はい、大丈夫です。まぁ大変でしたよね?ただ分かると思うんですが悪口を言われたことを女帝は相当根に持っていてクビにしたがっています。午前の会議では私がブチキレてAさんをクビにするなら私も辞めると言っておいたので解雇は避けられました。ただいつ再燃するか分からないので今日は有給かと思いますが今すぐ会社にきて謝った方がいいです」

 

Aさんは「すみません、私の為にそこまで。本当に申し訳ないです…」と。

 

出典:ピューと吹く!ジャガー「4巻」

そして謝りに来たAさんは「私のことはいいのよ!私のことは~!!!私はいいの!」と遠回しに女帝の悪口に対することを中心にブチキレられたものの正式に解雇は避ける事が出来ました。


朝一で解雇されたG社員ですがLINEやメール、着信履歴から言動や行動の全てが嘘だったことが発覚しました。例えば奥さんには奴隷扱いされており、離婚を頻繁につきつけられていると常日頃から言っていましたがやりとりから新婚初日かのような仲睦まじさでした。


また背信計画により行こうとしている競合のこともボロカスに言っており360度に憎しみを持っている感じだったのです。


唯一A社員の悪口だけはどこにもなかったそうです。そのことについてA社員から後年聴いたのはG社員と2人で飲んでいる時に「A社員さんは委託先の社員でまだウチに来ていない時も一度も私のことを馬鹿にしなかった。私が信用できるのはA社員だけです」と言われたことがあると聴きました。

 

ちなみにG社員は1年ほど後に私の転籍を決めた以前の上司がバッタリ会ったらしいのですが「女帝さんとは連絡をとってるんですか?」と言うと怯えてビクビク、コソコソしていたそうです。

 


⑫オーナーの存在
女帝が君臨していた会社には最高権力者であるオーナーがいました。カ○ダ人の大富豪です。


大型クルーザーを持ち、世界各地に家があり、ハリウッドスターやMLBNFLNBAなどのスターとも親交がある超エグゼクティブです。普段はカ○ダを拠点に世界中で年中ゴルフをしており仕事には全く介入してきませんでした。日本に来ても会社に滞在するのは1時間もなく買い物と観光とゴルフだけ。


私もこの時点までで会ったのは1度だけでした。

 

そして女帝は自分に不利なことをオーナーに言われないように徹底的に英語が話せる社員を排除していました。私が転籍した際に女帝以外で英語が話せたのは1人だけ。しかも女帝の前職からの部下で絶対服従の事務さんでした。

 

そんなオーナーは日本で多くの悲劇が生まれていたのに我関せずで見向きもしなかったにも関わらず突然来日します。

 

そして急に介入を強め始めたのです。

 

オーナーは通訳を伴って来日し、私を含む管理職以上の社員と高級レストランで面談を実施します。殆どの社員がテーブルマナーに疎かったので大迷惑でした。せめてロイヤルホストくらいにしてくれよと思いましたが生まれながらに貴族なオーナーは一般ピーポーの感覚が全くないのです。

 

面談では、
・現状の課題は何だと思っているか?
・今後はどうしていけばよいか?
・今後も会社にいたいか?
という内容が主でした。

 

オーナーは大富豪の余裕なのか何を言っても何をやってもニコニコしており「エクセレント」や「グレイト」というポジティブなワードを連発していました。

 

しかし私が次のことを言った後に通訳から訳を聴いた際は一瞬真顔になったのを見ました。そしてこれまでと違うことを言っていました。通訳から言われたのは「とても興味深い話だ。参考にしたい」でした。

 

私が言ったのは「女帝への一極集中が続き力が集まり過ぎている。女帝はオペレーション系の役割に限定し、営業系の役割は別の人を立てるべきです。そうでないと営業は外を向いて仕事が出来ません。今はこれまでの遺産で収益が上がっていますが、競合も攻勢を強めていますし新規開拓を急がないと弾切れを起こします。また営業系の役割を任せる人を入れるなら自らが成果を出せる上でマネジメント経験を積んだ人、しかも1人ではなく最低2人は入れた方が良いです。過去に入ってきた高役職者は女帝から早々に潰されました。最初から2人いれば動きやすさも違うと思います」ということです。

 

こうして私とオーナーの面談は終了しました。

 

銀座のわけのわからない高級レストランで行われた会で普段は乗らない電車で帰ったもんだからバッチリ迷子になりました。


それなりのスーツを着て着飾っていた在住10年ほどの男が「すみません、新宿ってどっちですか?」と道行く人に聴くという一発芸も披露するはめに・・・。

 

そんな庶民の苦労は意に介さずオーナーはレストランに呼びつけたリムジンでニコやかに消えていきました。

 


⑬【新勢力の衝撃】
オーナーとの面談から1か月~2か月ほど経ったある日、女帝が焦った顔をして事業部内の主だった社員を集めて会議を開きました。

 

オーナーで会長で社長のカ○ダ人大富豪が次の様な連絡をしてきたというのです。
・営業部門に女帝ではない他の責任者を置いて女帝から切り離す
・2人を同時に採用する
・2人には営業事業部長と営業課長のポストを用意する

 

これに女帝はプンスコ怒っていました。
・また馬鹿が入ってくる
・どうせ私が尻拭いよ
・高いお金を払ってドブに捨てるようななものじゃない?

 

バレバレですが自分から営業部門が離れ権力が弱まることを危惧していただけでした。
また出張の理由が減るのでマイルが貯まりにくくなることを危惧したのかもしれません。

 

しかし2週間ほど経って新たに入って来た情報はこの時に女帝が話した情報と大きく異なっていました。

 

営業部門に2人採用し、女帝から営業を切り離すというのは変わらないのですが役職が大きく違っていたのです。

 

 

 


1人は専務取締役、もう1人は部長執行役員でした。

 

女帝は常務なので自分よりも上の職位で入って来ることが決まったのでした。

私が転籍する前にも2回女帝よりも職位が高い人物が入社しているのですが女帝はあの手この手でイジメ抜き退任に追い込んでいます。ですので入ってくること自体は初めてではないのですが5年以上ぶりでした。

 

女帝は必殺「分かってたけどね」という無意味な強がり私たちに見せて来ましたが顔は完全に予想外の顔で、緊急事態に焦ってお出かけの準備が疎かだったのか薄っすらと口ヒゲも生えていました(実話)

 

かくして営業は新体制となり2人の男性が着任しました。

 

入社前は毎日のように、
・見てて、直ぐに追い出すから
・身の程を分からせる必要があるわね?
・経歴が何だっていうのよ?ウチらのマーケットはそんなに甘くない
等と息巻いていた女帝でしたが2人が男前と知るや否や「女の顔」になり、
・彼らは期待できる
・ちょうど良かったわよ、私だけじゃ営業は疎かになりがちだった
・仕事は1人じゃできないじゃない?
と名言を連発し始めました。

 

我々は慣れていたので特に突っ込みませんでした。
女帝以外の全社員はそもそも新たな2人を歓迎していたのですが、女帝のくだらない理由による「毎度手のひらを返します」には心底イラッとしました。

 

着任早々、40代後半の専務はリーダーシップ、マネジメント面で即人心掌握に成功し営業は一枚岩となりました。


そしてまず動いたのは全てのお客様への挨拶回りでした。

 

これに女帝は「分かってるじゃない?」とほざいていました。お前はチヤホヤしてくれないからクライアントとは会おうとしなかっただろ!?と思いました。
職位と忖度という黒魔術が効かないクライアントは当たり前ですが世間一般的な社外の人に対する対応しかしないため女帝は苦痛だったのです。

 

もう1人は30代後半で部長執行役員、この男性は都内は専務と一緒、県外はその他の営業社員を伴って挨拶回りをしていました。また大枠を指示する専務と違い、実際にどう言えばいいか?どうすれば成約となるか?という具体的なノウハウを多く持っており自身もめちゃくちゃ勤勉でハイパフォーマー、営業部門は急激に成果を上げて成長していきました。私とは6歳離れていましたが、週に3回は食事に行くなどして仕事の話や今後の話をしていました。


それまでの私も月に数冊は読書をしていたのですが、この方の影響でビジネス書を多く読むようになり月に数冊が週に数冊に変わりました。これは今も継続しています。

 

専務と部長の2人が来る前の営業は1人を除いてポンコツでした。残念ながら。謎の自信は持っているものの横文字を多用するだけの意識高い系ばかりだったのです。営業としてギリギリ体面を保てていたのは過去実績から付き合いの長いクライアントと連絡を取り合う部分だけしか女帝が求めていなかったからという状況でした。少なくとも2年は新規が獲れていなかったのです。

 

そんな営業部門に【見た目よし経歴よし実績よし】の本物が2人加わったことで入社から1か月で少なとも2桁の新規を獲得していたと思います。

 

一方、その状況に危機感を感じることなく恋愛脳120%の女帝は役者が違いました。

 

男前で女帝と年齢が近い専務、年下だけど能力が高く次々と成果を上げながら同じく男前な部長執行役員、当然のように2人とも英語はネイティブレベルで海外MBA持ちという格好のターゲットにロックオンした女帝は敵対勢力を警戒するのも忘れトキメキが勝っていました。完全に女帝の脳内は東京ラブストーリーです。

出典:東京ラブストーリー


初日の顔合わせの時に専務と部長が「分からないことだらけなのでどこかでお食事でもご一緒して教えてください」という超社交辞令に対して女帝は「また?しょうがないなぁ~」と「社内ナンパはいい加減にして♡」という気が狂った勘違いを発動させていました。つい数か月前に超お気に入りの社員2人が毎日自分の悪口を100個ほどLINEでやりとりするというめちゃくちゃ痛い目を見たのに全く懲りていません。

 

もう本当に見るのも聴くのも相手をするのもつ・か・れます。

とはいえ私は立場上完全に無視はできません。直属の上司で決裁権を持っているので承認を取りにいったり、レポートを上げたりはせざるを得なかったのです。そしてそういう僅かなタイミングでも超承認欲求が高くて超甘えん坊な女帝はぐいぐりカストークをして来るのです。こちらは1秒でハンコが欲しいだけなのに。

 

しかし2人の食事トークは超社交辞令、そしてここ15年で女帝と関わって来た男達とは異なりこの2人には一切の黒魔術は効かず、女帝に対する忖度は1ミリもありません。
よって当然ながら口だけであり実際に食事に行くことはありませんでした。


しかも専務は新婚で目黒区に豪邸を建てたばかり、奥さんは20代後半で超美人、定時になるとダッシュで帰る愛妻家でした。

 

既婚、若い女性、美人という女帝に対する3大NGワードを持つ専務に対して女帝は興味を早々に失っていきます。


「なんかさぁ、一回り以上年下の女性と付き合ったり結婚する男ってDNAレベルで甘えん坊なんだよね。マザコンも多いしさ。本当に勘弁なんだけどぉ~。私も10代とか20代の時に一回り以上年上の彼がいたけど皆いっつも私にべったり。束縛激しいし、嫉妬深いし本当に面倒だったのよ。これだと仕事のレベルもたかが知れてるわねっ」とゴミ理論でフンス!フンス!ブヒブヒ!言っていました。

 

こうしてゴミ理論を元にセグメンテーションした結果、部長にターゲットを絞った女帝、しかしいつまで経っても食事に誘われません。当たり前ですね。
何が面白くて勘違いと武勇伝とスピリチュアルなトークに終始する365日恋愛脳の50代女性と食事に行かねばならないのか。しかも部長執行役員は役職や年収の割に若く独身でモテていたのです。

 

しかし己を全く省みない女帝はいつ誘われてもいいようにと分かり易く本社に滞在する日や時間が増えていき、我々女帝の部門に所属する社員は大迷惑を被っていました。

 

下がアホなのはしょうがない、でも上がアホなのは本当に疲れるし迷惑です…。

 

ミーティングの場でも部長の発言のあとに女帝がなぜかフォローや補足の発言を入れた上で自身は悩殺のつもりの「ウィンク」、喰らった部長は首を傾げて「なんだコイツ?」みたいな表情になります。ミーティング後に我々に対して「ちょっと攻めすぎ?照れちゃってたじゃない?」と私に権力があれな緊急逮捕したくなる台詞を吐きます。

 

なんで頭はいい筈なのに男性関連は0歳児より馬鹿なんだよ!と思いました。

 

そもそも「俺はまだお前にキレてるし全くわだかまりは消えてないの分かってる?」と思いましたが分かってないのは明らかだったので諦めました。

 

当然なのですが女帝を誘わない部長、ある休みの日に休日出勤していました。
私も出勤していましたが、鬱陶しいことに女帝も来てしまいました。社内オールで部長が土日にメールしていることがあると気づいた女帝は「誘って来ないのは他の人の目があるからか…気持ちはわかるよ。照れ屋さん♡、じゃあ私が行動してあげるか~」と気が狂った思想で土日出勤を増やしてやがったのです。

 

休日出勤なので女帝、部長、私しかいません。女帝と部長は管理部の部屋で私は別の部屋です。部長に気づくまで塩対応の私の近くでウロウロし揺れで私のパソコン作業を妨害していた女帝でしたが、誰かが出社したのに気づきさり気な~く管理部の部屋に向かいます。


中々戻ってこないな?帰ったか?と思っていましたが、部長が出社していたので本来の自分の席に座って誘われるのをソワソワしながら待っていたのでした。

 

女帝は内心「ほら、私こっちにいてやってるわよ?他に社員もいないからチャンスよ!しょうがないから誘われてあげる♡」と思っていました。

 

なぜ分かるか?
これまでの数々のエピソードを知っているからというのもありますが、それ以上に全力で顔と行動に出ているのです。本当に。馬鹿みたいにルンルンだったのです。

大の大人が満面の笑みでマジスキップをするのです。そして体系を隠すために頻繁に来ていた娘と着回ししているワンピースがフワっとなるとすかさずコチラを見て「見た?見ちゃやだよ♡」というザラキを唱えて来るのでした。

出典:ダイの大冒険

18時を過ぎ、ソワソワが激しくなる女帝。もういつ誘われるかと気が気じゃありません。部長は帰り支度を始めたようです。女帝は私の所にきました。私は「うわ?、ごはんか?メンドイ。マジ行きたくない」と思ったのですが自意識過剰でした。


女帝は「今日は部長に誘われちゃったからごめんね、先に帰るね」と告ってもないのにふられた私。(まだ誘われていないけど100%誘われるつもりの女帝)


足早に管理部の部屋に戻る女帝。エレベーター付近でウロウロします。部長と同じエレベーターに乗り、1階エントランスに。

 

部長はごく自然に「じゃあ私はこれで」と言って夜の街に消えていったと言います。

 

どこかで時間を潰したのか30分ほど経って女帝が戻ってきました。さっきとはまるで別人の絶望したような無の表情で。30分前は満面の笑みでスキップしていたのに今は般若のような顔をしています。私はだいたい想像できたのでこれは吹き出しそうになりました。

 

そして「ごはん行こっか?」と舐めた誘い方をしてきたので「今日は無理ですね」と断りました。私はNOと言える日本人にランクアップしていたのです。

 

女帝は「まぁ私もお腹すいてないから丁度よかった」と意味不明な言い訳をしながらホテルに戻っていきました。

 

このあと部長から連絡が来て食事に誘われました。
そこで女帝の犯罪まがいの動きを聴きました。部長が出ると荷物もグチャグチャのまま後を追うように追いかけてきたり、部長が出たのはお手洗いだったと分かると「忘れ物~」とブツブツ言いながら部屋に戻ったりエレベーターは開けて待っているし、1階のエントランスでもモジモジしててキモかったと。全くもってその通りでそれが普通の反応でした。

 

部長に「何なんですか?あの人?」と言われ「何なんですかね?」としか回答できませんでした。私は自分の語彙力のなさを恥じました。

 

そもそもこれまでが異常だったのです。

 

私は濡れ衣→潔白が証明されるも謝罪はなし→新たな恋→勘違い発言や行動に心底嫌気がさして、同じ部門で部門の責任者として仰がなければならないことが恥ずかしくたまらなくなっていました。

 

長年の沈黙を破って突如介入してきたオーナーの思惑は?
新たな2人の役員の躍動と急速な人心掌握、2人の次の一手は?
一転集中していた権力を削がれるも恋愛一直線な女帝は馬鹿なままなのか?

 

ここまで背信計画、権力の分割と色々ありましたが総合的には男前2人の入社により恋愛脳も手伝って笑顔割合が多かった女帝、この後は急速に笑顔が減っていきます。


『【後編】傲慢で周囲の意見に耳を傾けず自己欲求を満たす事しか考えない人の栄華は終わる』の『⑭【新取締役の正体】』に続きます。

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