Tairablog

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【前編】傲慢で周囲の意見に耳を傾けず自己欲求を満たす事しか考えない人の栄華は終わる

 

別記事の『ブログ再開から【61日経過】これまでを振り返ります』で今月中に書きたいとしていたのは本記事です。

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今月で事が起きてから10年目となります。

 

記事にしている期間は私自身が多くの労力を費やした時期であり、良い事や悪い事、成功や失敗を多く経験しました。そして何と言ってもいくつのかの記事でエピソードをご紹介している女性上司との関りは忘れることの出来ないものとなりました。ここで区切りをつけて気持ちを整理するためにもどうしても記事にしたかったのです。


【前編】、【中編】、【後編】、【続】と長編で長文&乱文ですがお付き合い頂けますと幸いです。

 

なお実際に合ったこと、思ったこと、その時の感情、今思うことをそのまま書いているため不快に感じる部分があるかもしれません。しかしそれを言うほど長く辛い日々だったのです。その辺は何卒ご容赦ください。


強めの言葉や不快な表現が苦手な方は閲覧注意でございます。

 

15年にわたり女帝として君臨して多くの社員を好き嫌いで粛清したり重用するなど好き放題にやっていた取締役が解任されました。

 

社内外で皇帝のように扱われ、誰も止めることが出来ず権勢を誇っていた取締役、入社当初はお金のため出世のため会社のために睡眠時間やプライベートを犠牲にして孤軍奮闘していたはずです。しかし成果を上げて職位と給料が上がっていくにつれて100%仕事ではなく、自分の意に介さない人間は成果を上げていても排除、お気に入り社員は働いていなくても重用と公私混同の割合が増えていきます。そういった悪事も初めの内は十分に準備をして根回しをし、慎重に行動や発言をしていたと思います。

 

しかし長い一党独裁は油断を生みそれすらなくなっていきます。
そして仕事100%:悪事0%の割合が90%:10%、50%:50%、30%:70%、10%:90%となっていったのです……。

 

社員も馬鹿ではありません。見ていますし気づいています。それらに全く気付いていなかったのは取締役自身だけでした。

 

私が取締役と初めて会った時点では仕事80%:悪事20%くらいだったと思います。
終盤は前述のとおり仕事10%:悪事90%、最終盤は危機感を感じていたのか80%:20%くらいに戻っていましたが「時すでに遅し」、周囲に味方は1人もいませんでした。しかも自覚はないでしょうが自分でそう仕向けていっていたのです。

 

私個人としては異性として1ミリも見ていませんでしたが正直に言うと他の多くの社員と異なりある時期までは心底服従し尊敬していたのです。


それは、
①良くない点を多く持ちつつも良い点が勝ると思っていた
②少なくとも仕事の能力だけでいえば学ぶことが多くあった
③キャリアで躓いた時に拾ってもらい引き上げて頂いた
からです。特に③に恩義を感じて従っていました。

私がいた業界は必死に頑張って成果を上げても実りがなく燻っている人が大勢いたのです。

 

これまでワインバーや初恋のエピソードで「取締役」としていましたが本記事には別の取締役が登場するためここからは「女帝」と表記します。

 

解任の6か月ほど前から急速に事態が動き出すのですが、それ以前の社内の情勢は下記の通りです。
①反女帝の社員
②どちらでもない社員
③表向きは女帝派の社員
④本当に女帝派の社員

最も多いのは③の表向きだけ従う体の社員、次いで②のどちらでもない社員や我関せず的な社員、この時点の①はレジスタンスではなく、ただ反抗的なだけで殆どが早期に粛清させるか閑職に追いやられていました。

 

④は残念ながら私だけだったと思います。いや確実に私だけでした。

 

そんな私も決定的なある事が原因で強力な「①反女帝の社員」にクラスチェンジします。

Manager ➡ Empress Murder

 

これは15年の長きにわたり君臨し続けた【女帝の栄枯盛衰、全盛期から最後までを最も近くで見てきた私だけが知る顛末】です。

 

なお本一連の記事は他と異なりまったく収益を目的としていないのですが話の進行上であえて広告を多めに貼っている箇所があります。何卒ご容赦ください<(_ _)>

 

■主な女帝に関する事
まず最初に女帝についてご紹介いたします。

ネイティブレベルの英語、とてつもない行動力、早い頭の回転、人が思いつかない発想で事業を急拡大しマーケットを席巻し海外にいるオーナー兼社長を手玉にとって日本国内で権勢をふるっていた女帝。誰も逆らえず、取引先には皇帝のような扱いをされており自身もそのように振舞っていました。

 

尊大に振舞い特別扱いされることが大好きで、社内でも社外でも飲食店やホテルでもそれを求めていました。また常に会社の経費で食事をしており何かと理由をつけて生活費の殆どは会社のお金で賄っていました。(生活の殆どを経費で賄っていたのは後に知ります)

 

「私なんて庶民だからたいしたことないわよ~」、「私ってサバサバしてるじゃない?」、「人は石垣って言うじゃない?私は社員を愛してるし一番大事に想ってる」と言いつつ言動や行動や常に真逆でした。見た目だけなら武田信玄よりだったかもしれません。

 

取引先の社員を大勢引き連れて行って豪華な食事会をしたり、数百人単位で海外に連れて行ったり、お気に入りの男性社員がいる場合は報告会をわざわざ地方の温泉宿で開催するなど自身の欲求を満たす事を最優先としていました。おかげで60分もかからない報告会のために5時間くらいかけて秘境に行ったことも……。しかもそういう時は気が気じゃないので報告会の内容は1ミリも聴いていないというオプション付き…。そして後で「聴いてない!どうなってる?」と怒り散らかすというバッドエンド……。

 

その他主だった知っている事としては、
・社内の人間を少なくとも30名は退職に追い込んでいる。しかも無視を含む幼稚で陰湿なものから大勢の前で罵倒したり等という分かり易いものまで。

・社外の男性を経営や上長に圧をかけて外したり、失脚においやること数十回
・社内の男性と交際し重用するも男性が浮気をしたことがきっかけで追い込み、メンタルを破壊する(この男性はその後どうなったか不明です)
・社外の男性と交際し、その企業の取引規模を急拡大する
・社外の男性と会うためにその企業とのイベントを多く企画し密会をする(お互い既婚で女帝は2児の母です)
・日本有数の超高級ホテルのスイートルームの湯船に高級ワインを注ぎまくり浸かる
・風水やスピリチュアルに熱心でクリスマスは社員に1つ500円ほどの風水グッズを配り、自身はデパ地下の高級スイーツなど数千円のお返しをもらう、返さない社員には嫌味を言いまくる
・交通手段のランクアップ期限時期が近づくと全部署の社員に出張を推奨した上でマイルをためてステータスを維持するために無理な理由で付いていく、荷物は持たされるし夜は拘束されるし道中はゴミ会話で地獄
等々があります。

 

他にも、
・会員制のレストランに行き自分が会員の中でもVIP中のVIP(会員カードがあり回数や使った金額でランク付けされており女帝は世界の上位0.5%らしい)であることを知らないホール担当が特別扱いしなかった事に憤慨して責任者を呼びつける
・ホテルのチェックインの際にスーツを着た部下にスイートルームの鍵を渡し、50代にも関わらず中学生の娘と服を使いまわしている女帝にシングルルームの鍵を渡したことで激昂して支配人を呼び出す。支配人は可哀想だったけどこれはちょっと吹きそうでした。

 

口では、

「私なんて庶民なんだから特別扱いされなくていいのよ」

「もう、やめてよ〜。特別扱いされたら周りの人が何事かって思うじゃない?」

「私は女優じゃないっつーの、勘弁してよ、サインとか求められても書けないから」

「いつも私が泊っている部屋は私とあゆしか使わないらしいのね。だからさっきすれ違った人にあゆかと思われちゃったかも」

「店員さんに横柄な態度とる人がたまにいるじゃない?あーいうの許せないの」

等と耳が腐る台詞を吐きつつ、特別扱いされないとプンスコ、ブヒブヒ、フゴーと怒る女帝。ちなみに芸能人のサインをネットで検索して本気で練習している時期がありました。

 

頻繁に泊まるホテルでは常に上級ルームに連泊しており入口で「おかえりなさいませ」と言われていたのですが、いちいち「ここ家じゃないって言ってんのに♡もう」とプク顔でご満悦。誰かが「○○さんは色んな所に家があって、いろんな人におかえりなさいって言われてますよね?」というゴミ忖度ヨイショ発言をすると「もう♡私が色んな所にイケメンと家を置いてあるみたいに言わないで♡」イケメンは言ってない。飛行機や電車以外の移動はわざわざ指定してベンツタクシーに乗り「ほら、私に何かあると皆が困るじゃない?だから丈夫な車じゃないと安心できないでしょ?」太ってんだから走れ!!

 

取引先がある全国の拠点に対して慰労会という名の「私を特別扱いしなさいパーティー」を開いていたのですがある取引先の広報がクライアントが多大なコストを使ってこんなに素晴らしいことをやってくれているという事を社内報に掲載しようと写真を撮ると撮った写真の取り扱いについて厳しく細かく注意したこともあります。それはもう売れっ子大女優のように・・・。曰く「私くらいになると写真が一人歩きしちゃうからリスクがあるのね?」、「私は男性カメラマンを信用してないのね?だって私的な使い方をするかもしれないじゃない?」と続けざまに耳が腐る発言を聴かされました。

 

更に私や同僚が居ない所で女性部下達に「この前の◯◯で写真撮られてホントに焦ったわよ。だってほら◯◯とか◯◯とかウチの男子社員は良からぬ事に使うじゃない?」

 

これは後日聴いて血反吐を吐きそうになりました。でも本件については完全に間違っているとも言えません。確かにご懸念の通り使うかもしれませんでした。例えば丑の刻に神社で。

 

本当はビビりで常に誰かといたり依存していないと不安な性格ですが、それを隠すように横柄な態度と言動をしていました。

 

一方、良く知らない人や取引先の若手社員、職位がなく深く関わらない社員からは「偉いのに気さくで良い人」と極一部ではありますが思われていました。
表面上は明るく誰にでも挨拶をして、気さくに応じることが多かったのです。機嫌がよければですが…。


また私や同僚達のようにある程度の職位で関係各社内では顔が知られていた面々が付き従っていたので「あの人たちが従ってる偉い人なのに気さく」というバイアスがあったのかもしれません。

 

先に2児の母と記載しましたが女帝はバツ3でした。
最初の結婚はお見合い、2人目と3人目は恋愛結婚ですが常にお姫様扱いを求め恋愛していたい女帝は新たに好きな人が現れるとあの手この手で旦那さんを悪者にして離婚していたのです。子ども2人は最初の結婚で授かっており、常に女帝の元にいました。ここで改めて言いますが2児の母にも関わらず頻繁に出張し、家に帰れる距離にも関わらずポイント欲しさと男性との密会目的で高級ホテルに連泊していたのです。一部の女性部下に協力を仰いでアリバイを作ったり、離婚するための理由作りをしたりと滅茶苦茶でした。

 

ちなみに唯一関係が深まった社外の男性とは結婚の約束をしていたらしいのですが”いざ入籍”という時に「知らない内にストーカーの女性から勝手に婚姻届を出されていて手続きの関係で今は結婚できない」というエキセントリックな言い訳で保留にされていました。

 

そんなものは一時的にはそうかもしれませんが、時間を使って手続きをしなおせば解決する筈ですが食い下がるとフラれますし、嘘をつかれたことが明確になると傷つくのでフワっとさせてそのままにしていたのです。なおこのような「誰か1人のものになる」という話は大勢の人からチヤホヤされ続けたいが故に私達のような男性社員にはしないというアイドル的な考え方を持っていた為、これは女性の同僚から後に聴きました。

 

実は女帝とその社外の男性と3人で会ったことがあります。仕事で。私は何人かの人からその人の事は聴いていましたが会うのは初めてでした。2人とも私が何も知らないと思っていましたが、それはもう不自然のオンパレードでした。

 

まず、その男性から見ると女帝と私はお客様でしたが女帝にタメ口混じりの言葉遣いなのに私にはなぜか敬語。コーヒーを持ってきてくれたのですが女帝が飲む方には砂糖なしミルクのみで「だろ?」という目配せ。それを私に見られたらマズイ&照れる感じで「もぉー」という顔をしながらプク顔で目配せのお返し。全て私に見られていました。馬鹿です。

 

なお私達はその男性の事を「勇者」と呼んでいました。

 

 

■それは最も楽しかったハズの時期
今からおよそ11年〜13年前の時期、女帝直属の管理職かつ責任者レイヤーを”能力要件を満たしつつ自分の恋愛対象内のメンバー”で固め終えた女帝は毎日が楽しそうでした。


収入面だけ見るとこの時より数年前の方が多かったと思いますが勘違い自意識過剰、常に自分だけがチヤホヤされたい、話の中心に居たい、異性と関わって恋愛をし続けたいウーマンの女帝は毎日が本当に楽しそうだったのです。

 

経済面は充足していたのでチヤホヤされまくる社内ホストクラブ的な雰囲気の中に居れるのがとにかく幸せだったのだと思います。

 

ニコニコしながら出社しどうでも良い話で部下の時間を奪い、11時頃からはランチの店を検索、混まないようにと11:45には部下を惹きつれてランチ。夕方も同じで夜に行く店を調べて18時以降になると誘う人を物色し始めます。会話内容は誰かの文句や愚痴、しょうもない恋愛話、風水やオーラの話、自身の恋愛(嘘)や仕事の武勇伝。食欲と健康を蝕む会話内容が嫌で嫌でしょうがありませんでした。

 

私は元々出来上がったレイアウトの支社にいたので免れていましたが、同僚のA社員は1つのデスクを女帝と共用して使う状況になっており常に肘付近が触れ合うというバイオハザードの中で仕事をする羽目になっていました。不幸過ぎます。

余りにも耐えられずに1度だけ「こっちで仕事しますね」と言い空いた席に移動すると「なんで?ふーん、いいけど、そうなんだ、あっそう」と言われ終日不機嫌、部下たちまで八つ当たりされる事態になって元に戻ったとのことでした……。

 

またA社員についてもう1つ。

私は同僚の女性社員や他のエピソードにも出て来る課長と共に女帝の自宅に何度か行ったことがあります。最低でも2人以上で。しかし私たちより家同士が近かったA社員は2回だけ1人で女帝の家に行ったことがありました。そして2回目の時です。リビングに座ってテレビを観ていたA社員の隣にどこかに行っていたと思っていた女帝がシャワーを浴びてやって来たとのことでした。A社員は「これはマズい!!」とテンパり、用事を思い出したふりをして無理やり帰ったそうです。翌日は「怒られるかな~?無視されるかな~」とドキドキしていたらしいですが拒否られた現実を受け入れたくない女帝はセルフで無かったことにしてくれていたようです。何もかもが地獄ですね……。

 

少し前まではまともな会話もあったのですが、この辺の時期は脳みそが恋愛に傾き過ぎて仕事や真面目な話ではなく吐きそうになるゴミ会話ばかりだったのです。
更にほぼ毎日ランチもディナーも行くので話題にも限界があり、誰に何をどう言ったかもこんがらがっていて同じ話をしたり、同じ話なのに結末が違ったりとアホな事が日々起きていました。しかしながら、その全てにアクティブリスニングをしないと機嫌が悪くなるので面倒で仕方がなかったのです。

女帝の脳内メーカー (イメージです)

女帝の脳内は画像のような感じでした。

 

私は他の人よりそのあたりについては反抗的であからさまに聴いていなかったりしていましたが、ちょっと油断すると「店員が私に気がある」や「お釣り貰う時に手を握られた」だの「タクシーの運転手がルームミラーで私を見てきた」と言い始めるので疲れます。

 

このあたりの超勘違いエピソードは下記の記事でもご紹介しています。

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当時の私は全国で5支社を担当していました。1か所は本社ですが4か所は遠方です。その4か所を毎月回っていたのですがマイルが欲しい上に寂しがり屋の女帝は毎回付いてきていたのです。しかも「私がいった方がいいでしょ?」という意味不明なスタンスで。とにかく邪魔でストレスで私は胃腸炎になったほどです。

 

女帝と行動を共にしていると駅や街中にある売れっ子女優のポスターなどを指差して「あ、私かと思った」だの「いつ撮ったの?貼っていいなんて言ってない♡」等という時代が違えば切り捨て御免不可避な言動をして来るのです。

 

電車も飛行機も常に隣、朝も昼も夜もごはんは一緒、ホテルは女帝がスイートなので階も違いましたがとにかくずっとマンツーマンのオールコートプレスです。不快度を例えるなら両手に○ん○を持ったおばさんが1センチくらいまで顔をずっと近づけてきているような状態です。死にます……。

 

ある日地方の大きなターミナル駅で新幹線のチケットを買う際のことです。購入は必ず女帝です。クレジットカードのポイントが欲しいからです。女帝は服や持ち物を中学生の娘と共用にするという独特なセンスと節約術を生業としていたのですが、自分が持っていたギャグみたいなボストンバッグを私に渡してきたことがあります。他の男性社員は常に持ってあげていたのですが私はクソダサいバッグを持ちたくなかったのと男性社員に持たせる前提でスーツケースではなくボストンバッグを選びながら大荷物な女帝にイラついていたのです。この時はチケット購入という大義名分を盾に持たされてしまいました。そしてこう言われます。

 

「下着とか入っているから見ちゃだめだぞ♡」

 

死ぬかと思いました……。その時の私に出来たことは見てない時を見計らって地面に落として端の方を踏みつけることくらいでした。

 

こういう周囲の男性が自分を求めてやまないという勘違いは本当にエグかったです。

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その他、自分のことを男性陣が取り合いしているというような意味合いのことは決定的に拒否されると傷つくので面と向かっては言えない癖に本人が居ないところでは「アイツは私のお尻ばかり見てる」、「アイツはいつも視線で私を追ってるじゃない?」、「安心して食事って言ってもこれは仕事だからって言ってるのに気が気じゃないみたい」等と私や同僚が女帝を愛してやまず奪い合っている体で嘘を吹きまくっているのです。そしてそれらの発言が部下同士で筒抜けとなっており完全な裸の女帝でした(裸はウザいけど)

 

女帝に付き添うと仕事の時間がとられますが付き添わないとあからさまに機嫌が悪くなるので面倒だし気が狂いそうだしで大変、一緒にいないときは長電話で女帝ジョテーコールをしてくるので気が休まる暇がありませんでした。


私たちは閉店時間が早い店や立ち飲みで長居がし辛い店を調べまくり、仕事よりも光速で共有し合って、とにかく一緒にいる時間を削減しようという涙ぐましい努力をしていました。

 

この様に毎日昼も朝も女帝に付き合わされ腐った会話でストレスカーニバルな日々でしたが、極たまに社内の男性陣(と言っても9割は私とA社員)が蔑ろにされる日がありました。ブツブツと今日は忙しい、夜は予定があるからな~等と必要のない牽制をする独り言を呟き、さらには「今日の私は忙しいの、いつも私とごはんに行けると思っちゃだめだよ」とまで言ってくるのです。これだけでも100発くらい殴っていイイ勢いだと思います。気持ち的には……。

 

それは「とある委託先のとある男性社員」と会う日です。前述した委託先の彼氏?元彼?(勇者)ではなく別の委託先の別の男性です。その男性は長身で男前、上場企業の管理職でした。優秀な方で元々女帝とは知り合いだったようですが震災後の新規支社立ち上げに伴いパートナー企業となったことでコミュニケーションが増えていたのです。

 

それはちょうどこの時期でした。

 

そしてお相手の男性からすると完全なる仕事でしかないのですが、その男性と会う時は予定を聴かなくても直ぐに分かりました。もう馬鹿みたいに朝からルンルンなのです。本当に馬鹿みたいに。

 

そしてそういう日はその男性と夜ご飯も食べるため我々には「悪いけど今日は無理だから」、「ごめんね。今日は相手できないの」等とこちら側が求めている前提のお断りを入れてくるのでした。殺意が止まりません。しかも夕方付近になるとこちらは近づかないようにしているのに「念のため言っておくけど今夜は無理だから」等と念押しして来るのでした。

 

ルンルンとはどういうことかと言うと、まず常にスキップです。そして何度も化粧直しに行きます。更には商談の1時間程前から5分に1回くらいの頻度で鏡を見ながらリップを塗り直すのです。自席で……アホです。お相手の男性は妻子持ち、1ミリも見込みはありません。しかし女帝は可能性を感じているのです。アホなので…。

 

新規支社立ち上げの少し前に関係各社が一堂に介した事があります。

立ち上げ前だったので、その男性の企業と男性も顔見せ的な意味合いで参加していました。そして私はその男性の左隣でした。本当に絶対に真実なのですが私はとんでもないことを耳にしました。

 

女帝がスピーチをし終えた時にその男性が「ばーか、話しなげーよ。面倒くせー」と言い放ったのです。隣に聴こえるくらいの声量で。その男性と私が座っている位置は女帝から最も遠い場所でした。私は女帝から離れたかった、その男性は立ち上げ前の新参企業だからでした。

 

私はその暴言を聴いて男性を凝視しましたがニコニコしながら知らんぷりです。以降何度か顔を合わせましたが女帝の前ではいつもニコニコ、私は心底怖いなと思いました。

 

もう1つ、女帝とこの男性絡みのことがあります。

それは支社立ち上げから1年ほど過ぎた頃だったと思います。

お手洗いに行くために会社の廊下を歩いていた私はエレベーターから出てきたその男性に出くわします。そして「女帝ですよね?呼んできますね」と言い女帝を呼びに行きました。すると焦ったような怒ったような表情で「え?なんであんたが○○さんと話してるの?今夜は私○○さんと食事だよ?あとは私が話すから仕事に戻って」とイラついた感じで言われてしまいました。

 

こんなことあります?私の行動は全く問題なく、女帝が大事にしているパートナー企業の責任者を待たせないように姿が見えて会話したので女帝を呼びに行っただけ。

普段は死ぬほど寂しがり屋で食事に行きたがるくせに、手のひら返しがとんでもないです。

 

ちなみにこの男性は前述の件もあり私の中の歴代腹黒い男性ワースト3に入っています。

 

 

■『傲慢で周囲の意見に耳を傾けず自己欲求を満たす事しか考えない人の栄華は終わる』
ここからが女帝の絶頂から終焉の顛末です。

 

嘘みたいに聴こえるかもしれませんが全て実際にあったことです。誇張は無く激し目のエピソードは省いているのでむしろ控えているくらいです。


事が起きた当時は知りませんでしたが後で当事者から聴いたり、認識合わせをして知ったことなどもありますが個人名や団体名は伏せつつ全て「ザ・ノンフィクション」です。

 

これは女帝と言われていた取締役と関わった10年間の記録です。
(女帝が君臨していたのは15年、私が関わったのは5年経った頃からの10年)

 


①【女帝(取締役)の評判】
20代前半で志願して社内で最も難易度の高い部署に異動となり転勤、初の1人暮らし、知らない土地、新たな職場で出世したい!と思いガムシャラに頑張っていた時期です。

 

私が初めて女帝と会ったのは今からおよそ19年前、当時の私は委託先のイチ社員、女帝は既にクライアントの最高権力者として権勢を誇っていました。名前だけは知っていたのですが、会うには職位や実績が必要で平社員や新人が会うと機嫌を損ねるとのことでしばらくは噂だけを聴いていました。と言いつつ新人が挨拶に来ないとキレる時もあったようですが…。

 

その噂は、
・私が勤める会社の主任、課長、営業担当は女帝の機嫌を損ねて何人も交代している
・機嫌を損ねて嫌われたらここでは生きていけない、異動先でも干される
・在籍している会社をほぼ0から今の規模に押し上げた人で頭の回転が異常に速く超絶仕事ができる
・何がキレポイントか分からないが仕事が出来ない人や清潔感がない人は絶対ダメ
・1億くらい貰っていて電車で20分くらいの所に豪邸があるのに高級ホテルのスイートに連泊している
等というようなものでした。

 

この時は皆に恐れられていたものの畏怖、畏敬の意味合いが強く誰かに嫌われている感じはありませんでした。

 


②【初めて会った時】
特に初見の相手には機嫌が悪いかのような態度で威嚇してマウントしつつ、いつ挨拶に来るの?的なビームを発射し続けるという典型的なシンドイ人でした。

 

そしてやってきた顔合わせの日。

 

上司からは「頼むぞ、頑張れよ!機嫌を損ねるな」と具体的なことは一切言われず気持ち面と圧だけで送り出されます。

私に対して自分の出世の妨げになると思っている同僚からは「嫌われないといいね~、まぁ頑張って~」という心無いエールもありました。後にこの同僚たちは部下となります。

 

「初めまして。いつもお世話になっております。株式会社○○の(私)と申します。○○様のお噂はかねがね伺っております。○月に○○からやって参りました。何卒ご指導をよろしくお願いいたします。」

 

20代中頃で上司や同僚からプレッシャーをかけられまくって萎縮気味な私に対して威圧的な態度で椅子に座ったまま足を組んで応対する女帝に私は緊張し声も少し震えていたと思います。(あの時の私は可愛かったなとしみじみ思います)

 

一方、女帝は30代中頃でオフィス内にも関わらず、あゆかと思うようなサングラスをかけてコチラを見もせず「ふーん、まっ頑張りなさいよ」とだけ。


今ならどれだけ仕事が出来てもそんな態度をとる奴は雑魚認定ですが当時の私は若く、物を知らなかったのです。また周囲がそれを当然としていたのも大きいと思います。

 

挨拶が上手くいったのか分かりませんでしたが、マズかった場合は直後に上司やその上の部門長が呼び出されて詰められるようなので一応及第点だったようです。

 

その後は海外を含めて各地を飛び回りつつ事業を拡大し、私たちの会社に来た際は総出でお出迎え、帰る際も総出でお見送りと超VIPが来たかのような扱いを社をあげてしていました。

 


③【女帝の隆盛期】
1年ほど経ち社内での私の発言力や役割の重要度が増すにつれて女帝とコミュニケーションをとることが増えていきます。隔週のミーティング、四半期ごとの報告会、時期毎の会食への参加、何かあれば私宛に連絡が入るようになっていきました。

 

相変わらず話すときは全神経を集中させる必要があり緊張で疲れましたがこの頃になると私は女帝や女帝の会社の幹部陣から高い評価を頂いていました。女帝から私に対する評価が上がるにつれて社内での私の立ち位置は上がり発言力も増していったのです。なお女帝と話す際は私だけでなく誰しもが緊張していました。それほど頭の回転が速く鋭いことをバシバシ言ってきていたのです。

 

ちなみに歴代の担当者の中で女帝と関わり粛清されずに職務をまっとうした社員は全員が管理職以上となっています。その内、数名は社長や上級取締役になっている人もいます。そもそも難易度が高い業務、厳しく高い目標、ミスや掲げた目標の未達は社外の人間であっても大勢の前で長時間罵倒、理不尽かつ超速度を求められ数が多く難度も高い要求、気難しく面倒なコミュニケーションを全て躱しつつ&こなしながら社内の利益を確保して女帝と付き合っていくスキルがあれば他のクライアントの対応や他の業務の難易度は格段に低かったのです。

 

この時期は女帝、女帝がいる会社共に好調で事業拡大を推し進めて大成功を収めていました。女帝の会社の規模拡大と共に私たち委託先も潤っていきます。そして私が転勤してきた時の責任者や担当営業はどんどん出世していきました。

 

同時にお金の使い方も派手になり大所帯で海外旅行に行ったり、たかが60分ほどの報告会を地方の有名な温泉地域や観光地域で開催して9割遊んだり、有名施設を貸し切ったり、移動は全てグリーン車やファーストクラス、タクシーはベンツという有様でした。乗り物は以前からでしたが回数が激増してもグレードは維持していました。曰く「ほら私くらいになるとどこで誰に見られているか分からないじゃない?」と。

 

また取引先の社員からチヤホヤされたい、目立ちたい、使う経費額を増やしてクレジットカードと各店舗のポイントを貯めたい、移動を増やしてマイルを貯めたいという思いから全ての拠点で定期的なパーティーを始めました。女帝は超ケチでポイントへの執着が凄かったのです。

 

パーティーは会場をおさえるだけで30万~50万、社員たちに配る商品で100万~200万を数十の拠点で定期的に開いていたのです。当時はまさか全ての支払いが経費とは思っていなかったのでただただお金持ちはすごいなぁと思っていました。

 

その他でも取引先の男性と仲が深まり出張の体で密会と豪遊、その男性がいる取引先の規模は著しく拡大していきました。

 

そして社内外の多くの社員を追い詰めて退職に追いやった時期でもあります。

相当恨まれていたと思いますが、利害関係や忖度から味方も多数いたのです。

 

この時も私たちのような社外の人間は畏怖や尊敬の感情はあっても嫌いという感情はありませんでした。ただし社内では嫌う人も出てきていたと思います。

 

 

④【あの日】
この付近の女帝との関りでいうと大きなターニングポイントは2011年3月11日だと思います。

それまでは殷の妲己、秦の趙高、後漢董卓、唐の則天武后、清の西太后かのような振る舞いで犯罪は犯してないまでも「私が黒と言ったら白い物も黒よ!」的な態度や「吉高由里子って私と被ってない?」等という暴言(当時よくドラマに出ていた)を吐く日々でしたが、この日を境にしばらくの間、収益が激減したのです。

 

日本中が暗い雰囲気の中で企業も営業活動を控える動きがあり、女帝の会社も他と同様に動けないでいました。そんな中で私がいる会社、チームは好成績を上げ続けていたため態度を軟化させるしかなかったのだと思います。私個人も直近の数年で収益や運営がズタボロになっていた支社の立て直しを複数成功させており対女帝としては確固たる位置にいました。

 

なお女帝は震災で電話が繋がらなかったことを理由に大量の男性のLINEを手に入れることに成功しています。

 

地震の時に電話が繋がらなかったじゃない?何かあった時に取引上大事な連絡が出来なかったら困るじゃない?」と。

 

連絡内容の99%は私的なことでしたが…。

 

そして連絡を取り続ける人とはLINEのやりとりをするべきという考えが後のトラブルに繋がっていきます。

 

 

⑤【万全の体制と絶頂期】
上記で『■それは最も楽しかった筈の時期』と言っているのはこの時期です。


また別記事のワインバーや初恋の話などエキセントリックでエキサイティングなエピソードの多くはこの辺りで起こった出来事でした。

taira152452.jp

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本題です。

 

大震災の影響もあり経営方針を変える必要性を感じた女帝は取引先からマネージャークラスを高額で一気に引っ張ります。ここで言うマネージャークラスとは課長級です。

 

その内の1人が私だったのです。会社は上の言う事を従順にきかないけど成果は上げている私の扱いに困っていました。そんな時に女帝から好条件での引き抜きを提示され厄介払い&その方がいいよね?という感じでいつの間にか上同士で転籍を決めていました。

 

私はその事実を女帝から知らされます。
視察に来た女帝が「来月からよろしくね~」と言ってきたのです。

 

女帝との会話を心ここに非ず状態で終えた私が猛ダッシュで3つ上の階にいる上司の所に向かうと「あ、バレた」みたいな感じで苦笑いをしながら待っていました。
ちょっと強めの説教のあと、上司から「その方がよいでしょ?」と言われ私はそれ以上文句を言いませんでした。その上司は数少ない学ぶことが多くあった尊敬できる上司だったのです。


仕事面で助けられたことはなく、むしろ助けていたと思いますが、上役と揉めまくる私のために奔走し裏でフォローしてくれていたのを知っています。元々は私のように表に出て皆を引っ張って成果を上げるタイプの人でしたが、私が台頭したことで黒子の役割をやってくれていたのです。まぁその分出世はしていってましたが…。

いずれにせよ当時の尖がっていた私が従う極数少ないデキる上司でした。

 

実は私はこの1年前ほど前にも女帝に誘われていました。しかし女帝は嫌いではないものの同じ会社は無理!と断っていたのです。女帝の会社では死者が多く出てましたし生殺与奪の権利を女帝に握られるのは抵抗があったのです。ところが同時期に諸々のノウハウを1から私が教えた後輩が私より上の職位に上がりました。その後輩は成果はさほど出さないものの、そつなくこなすレベルにはあり、何よりも末っ子気質で人懐っこく上役からは気に入られていたのです。

 

酷く落ち込みモチベーションが下がった私を気にかけ、所属部門の部門長と取締役という普段は全く話さない人たちが私を呼び出し長時間のフォロー面談までされました。それで一旦は「頑張ります…」と言ったもののモヤモヤする日々、そんな私を一番近くで見ていた前述の上司と経営方針の転換を余儀なくされ委託ではなく自社で事業を拡大したい女帝とが話して利害が一致し転籍の話を進めていたのです。

 

私は転籍を受け入れました。

 

私以外にも3名の社員を各社から引き抜き、新たな拠点を立ち上げて急速に業績を回復させる女帝、剛腕ぶりを発揮して収益を爆上げし始めました。
その動きの中心にいたのは女帝と新たに引き抜かれた3名のうちの1名と私でした。

 

この時期になると女帝は実績という過去の遺産を食いつぶしひたすらお気に入りの社員と食事を共にしたり長電話をするという時間が多くなり居ることのデメリットが大きく膨れ上がっていました。殆どの社員や関係者が大嫌いだけど仕事は出来るし成果も上げているから従うという状況が崩れて来ていたのです。

 

それまでは女帝がいないところですら女帝への不満を口にするのは避けていた社員ですが、この付近から耳にするようになっていました。

 


⑥【G社員とA社員】
絶頂期で毎日機嫌がよい女帝をよそに連日のカス食事会や長電話、夜や休日も関係ない連絡に疲労していた私とA社員。A社員は最初の方にも記載(女帝と1つのデスクを共用)していますが女帝に付き添う羽目になっていた回数を私と二分していた男性社員で私と同時期に引き抜かれています。
私もA社員も女帝を認めている所はあったものの余りにカスなコミュニケーションが多すぎて嫌気がさしていました。その思いは転籍して内情を知り関わる時間が増えるに連れて膨らんでいきました。

 

そんな時にGというオペレーションやシステム周りを担当していた社員がA社員と急速に仲を深めます。

 

このG社員は職を転々としていて女帝の会社に入ってからもしばらくは疎まれ、社外の人がみてもすぐ分かるほど蔑ろにされていました。しかし人が変わったように働くようになっていったのです。震災後の立て直しや急拡大でオペレーションの組み直しが多方で必要となりましたが女帝は面倒なことや細かい事が嫌いだったのでその辺を率先してやるG社員を徐々に重用し始めていたのです。

 

転籍前の私もG社員のことをよく思っておらず塩対応をしていました。それは女帝から蔑ろにされていたからではなく、自分自身が関わった経験と昔のG社員を知る人から重ための過去を聴いていた為です。

 

しかし私が転籍した時は、ダメ社員の典型だったG社員は居なくなっていました。いつの間にか女帝に見出され凄く出来るようになったなぁと思える程で状況を知らない人がG社員のことを以前のイメージで悪く言った際は私が払拭するために言い返していました。

 

元々親交のあったA社員、生まれ変わったようにパワーアップしたG社員の2人を私は信頼していたのです。そして私はG社員に誘われるままによくG社員とA社員の3人でよく会っていました。

 

G社員は本人の前では絶対に出しませんが私といる時はボロカスに女帝の悪口を言っていました。女帝に見出されて感謝をしているかと思いきや、虐げられていた際の恨みが凄かったようです。

 

G社員と親交が増えたA社員は私との会話では決定的な事は言わないまでも女帝への不審感が日に日に高まっていっているのは明らかでした。

 


⑦【濡れ衣】
それは突然で全く予想していませんでした。私は元々脇が甘いのです。

 

G社員から電話があり次の様なことを言われます。

「女帝が背信行為で(私)さんを疑っているみたいです。気をつけた方が良いですよ」

 

私は全く身に覚えがなかったので驚きまくりましたが、女帝の目を潜り抜けて情報をくれたG社員に感謝しました。これは11月の終わり頃だったと思います。

 

ここから年が明けて1月の中旬頃までは本当に地獄でした。
一斉に重要なミーティングから省かれ、メールも来ない、何人かの社員は猛烈によそよそしい。女帝から私の排除命令が下っていたのです。

画像はイメージです

 

私にだけ大事な情報が落ちてこない、社員はよそよそしい、ピタっと無くなった女帝からの連絡……分かり易く仲間外れとなりました。

 

同僚の女性社員に誰も居ないところ(見つかるとその人にも迷惑がかかるため)で話を聴くと女帝は急に怒り狂って次のように言い始めたとの事でした。
・A社員が最近元気がなく食事の誘いを断るのは私が女帝の悪口を吹き込んだから
・私が競合他社に機密情報を流している
・過去に辞めた何人かの社員は女帝の悪口を私が吹き込んでいたことが原因
・G社員とA社員が私を嫌っていて退職するかもしれない
・女帝が告白してきたけどババアでデブスは無理と振ってやったと私が色んな所で吹聴している

 

全て事実無根です。全くのデタラメばかり。

 

私は次々に出てくる馬鹿みたいな情報に絶句しながら教えてくれた同僚に「そんな訳ないですよね?なんでこんなバカなことを信じてるんですかね?」と言いました。

 

同僚は「(私さん)がこんなこと言ったりしたりするわけがないのを私達は知ってるけど女帝は思い込んだら止まらないからね…本当に馬鹿だからあの人」

 

絶対権力者で高給を賭けてまで私のために女帝に進言してくれる人はいませんでした。
私は絶対権力者に濡れ衣で疎まれ、社内で省かれながらも何も知らずに日々頑張ってくれているチームメンバーの為に耐えて成果を上げ続けました。

 

その年の12月は最悪な精神状態でしたが年間で最も売上を上げた月となりました。

 

いつもなら売上が上がったご褒美とほざいて超有難迷惑な食事に誘われる所ですが、本社近くに来ても私の所には寄り付きません。

 

私に敵意剝き出しで出来ればと排除したいと思いながらも積極的に殺すまではしなかったのは圧倒的に成果を上げ続けており、とても代わりが見つからないということを理解していたからだと思います。

 

しかし本来私に言うべき情報を私の部下に言うなどの陰湿な行動は続いており私のメンタルはギリギリでした。

とにかくあからさまに省かれ蔑ろにされていました。

 

そうして納会、年末の挨拶をして私は帰宅。

納会も忘年会も私抜きで行われました。

 

私が会に行こうとしないことを気にしたチームメンバーが声をかけてきましたが私は心配をかけたくないのでクライアントの予定と被ったことにして1人寂しく帰宅したのを覚えています。

 

いつもなら楽しい年末年始もこの年はずっとモヤモヤしており最悪の気分でした。

 

何も知らないチームメンバーの前ではいつものように振る舞い、落ちてこない情報のせいでミスが起きたら私のミスにするという綱渡りで頑張っていました。
前職時代から数回の拠点移動を経ながら付いてきてくれた古参のメンバーが多く、とても私の現状を知らせて不安にするわけにはいかなかったのです。

自宅にいるときは体操座り率が高かったもしれません。

 

この間、私と連絡をとっていることが知れると迷惑がかかるので自チームのメンバー以外には連絡をしないようにしていました。全ての理不尽な状況を自己完結しながら成果も上げ続けねばならず本当にギリギリでした。

 

極たまにG社員とA社員から連絡が来ては女帝が発している私への罵詈雑言を連携されていました。


私はここで女帝の文句を言っても解決にならないし、とにかく疲れるので「はい、はい、そうですか…、言ってないし、やってないですけどね…、残念ですね。私は私が任されていることを頑張るだけです」とだけ言っていました。

 

年末年始は1人になり、考える時間も多かったので転職するか?地元に帰るか?と考えました。しかしいくつかの特殊な事情で私のチームは長らく私について来てくれて頑張ってくれているメンバーだったので弱気になる度にもう少し頑張ろうと歯を食いしばっていたのです。

 

ストレスでハゲそうになるし、食欲もあまり無く痩せるし(今と違って当時は元々細かったけど)、目眩はするし、年末のガキ使を観てもテンション低くて笑えないし、出来るだけ考えないように寝るばかりの生活。起きるとモヤモヤして考え続けるの繰り返しでした。

 

とにかく濡れ衣を着せられた11月の終わりから1月の中旬頃までは私史上最悪の年末年始でした。

 


⑧【最後の助言】
それは私的に出師の表でした。

出典:横山光輝三国志

年末年始で考える時間が多かった私は自分がどれだけ会社や女帝のために、成果を上げるために努力しているか?日々どんな思いで業務に取り組んでいるか、ひどく落ち込んでいる時に拾って頂いた女帝への感謝の気持ち等を手書きの手紙にしつつ、年明け早々に女帝の所に特攻して「時間をください。どうしてもお伝えしたい事があります」と言いました。

 

もしかしたら初対面の挨拶と同じくらい緊張したかもしれません。

 

基本ビビリな女帝は1か月以上も蔑ろにしていた私が突っ込んで来たことで焦りつつ私と会議室へ。

 

私から女帝に「話したい、時間をください」と言ったのはこの時が最初で最後です。

 

女帝はネガティブな感情を持っている相手と話す時は特有の引き攣った表情、嫌そうな表情をするのですが、この時はずっとその表情でした。

 

しかし私は意を決して誠心誠意訴えました。

・私は背信行為など絶対にしていない
・社用携帯、私用携帯を見せることもできる
・社用携帯、私用携帯の通話履歴を取り寄せて提出することもできる
・私の日々の行動や言動をランダムで社員にヒアリングすれば潔白はわかるはず
・女帝について社外の人にポジティブな啓蒙をしているのは私だけ
・濡れ衣をかけられている間も成果を上げ続けているのが何よりの証拠であるはず

 

そして最後に「後輩に先を越された私を拾って頂いたことに心の底から感謝しています。私は女帝さんやこの会社、私に従ってくれているチームの皆を裏切るような事は絶対にしていません。どうか考え直して私を信用してください」と伝えて深く頭を下げ、書いてきた手紙を手渡しました。

 

私はこの時、訴えの気合いと年末年始の不安で嫌な気持ちの蓄積で途中からは目に涙が溜まっていたかもしれません。


本当に恐縮ながら偉そうなことを言うと、楚漢戦争の"范増"、漢の三英傑"韓信"(個人的に背信は濡れ衣と思っている)、銀河英雄伝説の"キルヒアイス"のような気持ちでした。

出典:項羽と劉邦 king's war

 

そして話を聴いた女帝は「あんたの気持ちは分かった。ありがとう。でも直ぐに判断はできないのも理解してくれる?」とまぁまぁ冷たくいトーンで言われました。

 

そして後日G社員とA社員から電話があり、私の訴えを聴いた後の女帝の反応について知らされました。


「(私)がマヌケな報告をしてきて〜、そんなのに私が騙されるわけないじゃない?、私を何だと思ってるのよ!ねぇ?G社員とA社員がいれば会社は安泰だって~、手紙まで渡されて何事かと思ったわよぉ、愛の告白は間に合ってるって~」と笑いながら言っていたと聴きました。

 

私は「全く響かなかったんだな」と悔しさと悲しさで震えました。
2人からの電話を切ったあと少し泣いたかもしれません。

 

私が転勤して来てから頑張ったこの期間は何だったのか?女帝の会社に転籍してからも様々な面で頑張って来たのは何だったのか?
攻勢を強める競合他社を寄せ付けないパフォーマンスを常に上げ続け、クライアントの企画で競合優位の状況で競争した時すら圧勝してみせてオセロのように盤面をひっくり返してきたこの成果は…。

 

多くのダメな所がありつつも仕事の能力を尊敬し拾って頂いて重用してくれたことに恩を感じて”唯一本当に女帝派だった私”をこんな濡れ衣で切り捨てるのか?と思い心に大きな穴が空いた様な感覚に襲われ気絶しそうになったのを覚えています。

 

こうして女帝は(自分で言うのも何ですが)自らが知らない多くの場面で防波堤として矢面に立ち、知らない所で幾度もフォローしていた私を無惨にも切り捨て、陰で自分の事をボロカスに言っている人達を選んだのでした。

 

これが1月の初め頃。ボロボロの精神状態でしたが1月は過去最高だった12月を上回る売り上げと収益を達成します。


追い詰められた私はチームメンバーに状況を話した上で転職をしようか?と考えましたが、何も知らずに私の指示を聴き、日々頑張ってくれているメンバーを思うと言い出せませんでした。私の普段のキャラはアレだったので弱気な所をみせるとめちゃくちゃ心配させてしまうのは明らかだったのです。


濡れ衣を着せられた私はどうなるのか?
何も知らずに日々の仕事を頑張っているチームメンバーはどうなるのか?
追い詰められた私をG社員とA社員は助けてくれるのか?

 

『【中編】傲慢で周囲の意見に耳を傾けず自己欲求を満たす事しか考えない人の栄華は終わる』の『⑨【背信計画】』に続きます。

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