『転生した悪役令嬢は復讐を望まない』の最新"6巻"が2024年9月13日に発売されました。
1巻~6巻のレビュー評価は4.30~5.00と高評価、最新"6巻"は今のところ数は少ないものの5.00と超高評価です。
1、2巻は5.00でも足りないくらいのめり込めました!
とにかく胸熱展開で続きが気になって仕方がなかったです。
そんな本作のご紹介と最新"6巻"の感想について記事にさせて頂きます。
超ネタバレを含みますので閲覧注意です。
■『転生した悪役令嬢は復讐を望まない』とは?
主人公の公爵令嬢「ローズマリー・ユベール」は王太子の婚約者でした。
美しく聡明で誰にでも優しく、王太子を支える存在であろうと国や国民のために婚約者に苦言を呈す女性だったのです。
しかし愚鈍な王太子「グレイ」は見た目が良いだけの美女「ティア」に心を奪われローズマリーに濡れ衣をきせて婚約破棄&汚名を着せた上に処刑という極悪非道な仕打ちをします。
そうして処刑されたローズマリー、ローズマリーには弟がいました。
父親の愛人の子だったレイナルドはローズマリーが住む屋敷にやってきても父からは無視され義母からは疎まれて居場所がありませんでした。
そんなレイナルドにローズマリーは唯一優しくして愛情を注ぎます。
そしてアルベルトもローズマリーと幼なじみで仲が良かった1人です。
ローズマリーとアルベルトは幼い頃から騎士ごっこをしておりアルベルトはローズマリーを守ると騎士の誓いをしていていました。
しかしそんな2人にとって最愛のローズマリーは愚王と悪女に濡れ衣を着せられて、自分たちを正当化するために悪い噂まで流して処刑後も遺体をそのまま放置するという仕打ちを受けてしまいます。
2人はローズマリーを守れませんでした……。
幼きレイナルドは既に騎士となっていたアルベルトの元を訪れて協力を仰ぎます。
そこには姉のローズマリーを追いかけて甘えていたレイナルドはもう居ませんでした。
そして処刑後そのままにされていたローズマリーを処刑台からおろして抱きしめました。
2人は絶望します。
ローズマリーを取り戻した2人は無言で哀しみに暮れ絶望しました。
その絶望はジワジワとそう仕向けた者達への怒りに変わります。
2人は復讐を誓いました。王と王妃を断罪してやる!!と。
復讐のためにはお金と地位が必要でした。
ニコニコと笑い姉にベッタリだったレイナルドは人が変わったように復讐の鬼となったのです。
そしてレイナルドは元々の聡明さに加えて策略、姦計を巡らせ公爵となります。
姉のローズマリーが処刑されて没落したため、一からの再出発で貴族の最高位まで上りつめたのです。
そしてレイナルド・ユベールという姉ローズマリー・ユベールと同じ姓ではなくレイナルド・ローズと名を改めます。これは姉のローズマリーからとった名前です。王国ではローズマリーを稀代の悪女に仕立て上げていたので普通は名前をとりません。しかしレイナルドの「お前らを許さない」という決意は名前にも表れたのです。
一方アルベルトは王国騎士団長に上りつめていました。
こうして臣下として位を極めた2人は協力しながら策略を巡らせます。
愚王グレイと姦妃ティアの息子で王太子であるリゼル王子に近づいて懐柔し復讐の機会を窺っていたのです。
主人公に戻ります。
主人公のローズマリー・ユベールは転生していました。
家事のお手伝い中に頭を打った表紙に前世を思い出しました。
ローズマリーの生れ変わりのマリー・エディグマは辺境の領地を治める男爵令嬢でした。
処刑されてから20年の月日が経っていました。
そんなマリーの元に王宮から侍女としての召喚命令が届きます。王国中から貴族の子女を集めてリゼル王子の婚約者を探すためでした。王族はコリゴリ&グレイとティアに会いたくないマリーは嫌がりますが渋々向かうことになります。
そうして王宮で侍女として働くことになったマリーは王となったグレイ、王妃となったティアを目にしますが復讐は望みませんでした。
侍女として働く中で再会したアルベルト、アルベルトは騎士団長になっていましたがローズマリーのことがあったからか独身です。
アルベルトは正体を知らないのでマリーを侍女として扱いますが、ローズマリー時代に淹れてあげていたお茶を思い出すなどして仲を深めていきます。
そんなマリーにリゼル王子が惚れてしまいました。他のゴマをすってばかりの貴族令嬢と違い元々は王太妃だったマリーはリゼル王子を諭すかのようなことを言っていたのです。困ったマリーはアルベルトに相談をします。そしてアルベルトは頭がよく、位の高い公爵となったレイナルドに協力を要請しローズマリーとレイナルドの姉弟は20年ぶりに再会することになったのです。
ここから先は更にネタバレですので閲覧注意です。
ローズマリーとアルベルトが待つ場所にやってきたレイナルドは「氷の公爵」と呼ばれるほど鋭い眼光で一切笑わなくなっていました。
それは自分の死が最愛の弟を苦しめた証拠でした。
そういう色々な前世の感情が頭の中に入って来て涙が止まらなくなるマリー、弟はとにかく甘えん坊で姉のローズマリーにべったりだったのです。
処刑される前に自分が囚われている牢屋にやってきたレイナルドにローズマリーは「あなたは幸せになって」と願いました。
しかし最後に願った幸せとは程遠い眼つきや表情に涙が止まらなくなったのです。
そしてリゼル王子に惚れられてしまい、どうにかしたいと願うマリーにレイナルドは妖しく近寄り試すようなことを言います。
復讐のためにドロドロとした王宮で地位を固めたレイナルドはリゼル王子に惚れられているマリーを手駒として使えないか?と思い策略を巡らせたのです。
しかしこれにマリーの中にいるローズマリーの記憶が拒否反応を示して我慢できなくなります。
机を激しく叩き立ち上がって説教を始めたのです。
そしてローズマリーのスタンスで公爵となったレイナルドを激詰めします。
詰められている最中も冷静沈着で氷の公爵と言われたレイナルドは"らしくない表情"で黙っています。
しかし我に返ります。
男爵令嬢で侍女に過ぎないマリーが公爵となり救国の英雄と称えられているレイナルドを呼び捨てにした上に説教するなど有り得ないのです。
しかもローズマリーとレイナルドしか知り得ない思い出も取り入れた説教は不自然です。
有り得ない事態にマリーがローズマリーであると疑う2人
マリーは違うとシラを切り王国騎士団長となったアルベルトにも「敬語を使わずに今まで通りマリーとして接してください」と言いますがアルベルトは幼い頃に見せていた表情で拒否します。
ここでレイナルドがカマをかけました。
姉ローズマリーの形見を常に身に着けているレイナルドは王国の秘術である呪術で姉を転生させたと言うのです。
これにローズマリーは「王族でもないレイナルドが呪術師と関係を持てるわけがない」と言ってしまいます。
王国にお抱えの呪術師がいることは王族もしくは公爵や騎士団長レベルしか知り得ないことでした。地方の男爵令嬢が知っているわけがないのです。
王太子妃だったローズマリーなら知っていてもおかしくはありません。
これでマリー=ローズマリーと確信を持ったレイナルドはマリーを抱きしめます。
そして観念したマリーが自分を「ローズマリー」と認めたことで騎士団長アルベルトは膝をついて礼を尽くします。
翌日からマリーを取り巻く環境は一変します。
ローズマリーへの想いから独身を貫き無口で質実剛健な騎士団長として君臨していたアルベルトが子犬のように笑顔でマリーに付いて回るのです。
それは騎士団の面々や王宮に勤める誰もが見たことのない姿でした。
20年前と違い騎士の最高位となり格段に強くなったアルベルトはただのイチ侍女にしか過ぎないマリーを護衛しようとします(笑)
迷惑して拒否反応を示すマリーでしたがローズマリーの記憶が再会を喜びます。
こうして無残に処刑されたローズマリーは復讐を望みませんが、20年も復讐の炎を燃え上がらせ続けた弟で氷の公爵と呼ばれるレイナルド、騎士団長となったアルベルトと再会し昔を懐かしく思いながら侍女として奮闘するのでした。
他の多くの転生悪役令嬢ものと違い本人が復讐を望まない作品ですが、自分を慕ってくれていた人が復讐をしようとする物語は新鮮です。
愚王であるグレイと違って妖しく謎が多い王妃ティア、自分の親が仇敵と知らずにマリーに惚れてしまう両親を反面教師として育った聡明なリゼル王子と気が抜けません。
悪役令嬢がチートや未来を知っているが故の復讐や立ち回りも面白いですが、本作のように自身は復讐に無関心な物語も面白いです。
超オススメな作品です。
■最新"6巻"の感想
(ローズマリー)マリーへの想いが我慢できなくなったアルベルトはプロポーズをします。
タイミングを間違えたと自暴自棄になる騎士団長、普段と違い過ぎるので心配する団員達でしたが「ザ・出来る部下」の王国騎士団長補佐の「エヴァ」が一肌どころか三肌くらい脱いでフォローします。
エヴァはマリーの気持ちをくすぐるように侍女としての役割で騎士団を助けてほしいとお願いしてマリーの騎士団侍女復活を成し遂げました。
これでアルベルトの近くにいることになったマリー、団員達は全員でアルベルトを応援しマリーを煽ります(笑)
マリー、レイナルド、アルベルトは度々食事会を開いていました。
しかし聴き耳をたてて妖しい動きをする侍女の姿が・・・
自領に大切に埋葬していたローズマリーを王都に移し盛大に弔おうとしているレイナルドに魔の手が迫ってきました。
6巻はここで終わります。
恐らくティア元王妃の陰謀な気がしますが埋葬くらいさせてやってくれよ・・・という感じです。
大ピンチでこのあとどうなるのか?
続きがめちゃくちゃ気になる終わり方をしました。
1、2巻が最高潮過ぎたので3巻~5巻は個人的には4.00程度でしたがこの6巻は4.50以上の評価です。
続きが気になって仕方がありません……
■おわりに
本作も1巻が無料で読めます。冒頭に記載したように1、2巻はめちゃくちゃ熱いので無料で1巻を読んだら2巻以降は購入不可避かもしれません。
亡くなった最愛の人が転生して再会できるなんて本当にあったら素敵ですね。
超絶オススメですので気になった方がいたら読んでみて頂けると嬉しく思います。