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20年前に『心外なんだけど不思議ちゃんって言われる事があるんだよね』と言っていた女性

 

20年前に『心外なんだけど不思議ちゃんって言われる事があるんだよね』と不服そうに言っていた女性は立場が入れ替わるとミスをする度に「不思議ちゃんでごめんなさい~」と言うようになりました。

 

これはあるタイミングで「2度と言わないでくれ」と伝えなくなりましたが不思議ちゃん?天然?なのかいつくかのエピソードがあります。

 

20年前に志願して転勤となり初めての1人暮らし、初めての県外住み、友達もおらずやる気と期待と不安でいっぱいだった頃に女性と出会いました。出会った頃の女性は先輩で上司で7つ歳上、有名私大を出て新卒から働いている方でした。

 

そしてこの女性は別記事で何度か登場している課長Bさんです。

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そして「姓名判断」の記事の【■おわりに】の「最後に1つ」でご紹介している女性でもあります。

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本記事では後に課長となる先輩女性社員とのエピソードをご紹介させて頂きます。

 

 


■20年前の出会った頃

それはもう絵に描いたように高圧的でした。半端ではなかったです。

 

これには理由がありました。当時20代前半だった私が30歳ほど歳上の役員に対して「ここの仕事は楽勝すぎます。社内で1番難しくて成果で評価される所に異動させてください」と言ったために「田舎から生意気な奴が行くから鍛えてあげて」という伝達が異動先にされていたのです。私がバカ過ぎたというのはありますが最初の紹介からそれはひどいものでした。異動先の責任者(課長級)の仕切りで全体に向けて自己紹介をする際にも「今日からね、うんまぁ田舎から来た少年がね、頑張るんで皆ほどほどにイジメ…じゃなかった鍛えてあげて。はいじゃあ笑いの1つくらいとれるフレッシュな自己紹介頼むわ」という腐った振り方。

 

なお、この責任者(課長級)は私より5つ歳上で女性より2、3歳下でした。最初の印象は最悪でしたが頭は良い人で学ぶ所がありました。最初は…。少しずつ反面教師としてしか学ぶ所がなくなりました。とにかくリーダーには向いていない人だったのです。

 

①自分のお気に入りの女性を優遇してその他の部下が大いに迷惑を被るも放置

②トラブルがあると部下を矢面に立たせて自分は仮病や嘘の用事で逃亡

③「オレつえー」発言を頻繁に繰り出すも強者を前にすると闘う前から土下座

 

③について未だに消えない記憶として社内で複数部署を横断してチームを作り、各々のチームでプロジェクトを立ち上げて発表するという催しがありました。異動直後の私もあるプロジェクトのメンバーになったのですが男性責任者から「くだらないイベントに付き合う必要はねぇよ。お前はオレとそっちのどっちが大事かっつー話だしな。もしウダウダ言ってくんならオレの名前出しとけや」と往年のヤンキー漫画に影響されまくった口調、顔の角度、壁に手をかけて足をやや「命」にした立ち方で言われました。当時の私は若く未熟で余りにも知らなかったのでこの腐った発言も「かっけーーー!」と思ったのです。

 

しかしある日、私が入っているプロジェクトのリーダー(課長級)が欠席が多すぎるとして直接抗議に来た時の事です。姿が見えるや否やダッシュでその人の元へ向かう責任者、そして「わざわざお越し頂いてすみません、(私)には真面目に参加しろっていつも言ってるんですが行ってませんか?」、「ウチの馬鹿がご迷惑をお掛けして申し訳ございません。厳しく指導して次回からは参加するように言っておきますんで。申し訳ございませんでした」

 

↑このやり取りを薄壁1枚隔て天井は空いてるレイアウトの出入り口でやったもんだから丸聞こえ。当の本人は聴こえていたとは思っておらず「おう!なんかウダウダうるせー事言うならシバキ倒そうかと思ってたらよ、社長肝いりのプロジェクトだから困りますぅ〜とか言いやがってよ?上の名前でしか交渉出来ない奴ウゼーけど半泣きだったから今回はこっちが折れてやったわ。つー事で(私)次回から参加ヨロシク〜」と。

 

私は苦笑いしながら「あっ、はい」とだけ。

 

後年、本記事の主役である女性には職位で追いつかれ私には抜かれるという武勇伝を刻みました。

 

本題に戻ります。

 

その責任者から厳しく指導しろと言われていた上に元々下には厳しく、かつ不思議ちゃんだった後の課長Bによる「研修 → OJT → 日頃」の指導は地獄でした。

 

とにかく段取りが悪い、話が四方八方に飛んだり巻き戻ったりする、ミスったら私の責任、上手くいったら自分の手柄と。(後にこれらは私が指導するハメになります)

 

椅子は蹴られるしメモを挟むボードでは頭をコンコンされるし……。

何か思い出したらムカついてきたな……。

 

当然のように下の名前で呼び捨て、ミーティングの時間は私だけ伝達されない、会議の30分前に何百枚ものコピーを指示される、クライアント主催のパーティーの幹事&当日の司会その他を全て私1人に何も分からない状況で全投げ、会社の稼働時間は鬼のような量の雑務を振られ自分の仕事や全社のタスクは23時頃から開始して帰宅は3時〜4時頃ですぐに9時から出社というカオスでした。

 

異動してからの数か月は何度も地元に帰りたいと思いました。しかしその度に私を快く送り出してくれた異動元の人達に申し訳なさ過ぎる、そしてこのまま逃げ帰ったら最高にカッコ悪いと思い踏ん張ったのです。

 

 

■不思議ちゃんエピソード
自分で書いてて何ですが仕事で不思議ちゃんはキツいですね。というか不思議ちゃんってなんだよ!と。

 

なお異動から6か月ほどで周囲の私に対する態度は急激に軟化し、1年が経つ頃に収益周りや重要KPIの責任者でチームのリーダー的な存在だった先輩社員が急遽異動したことで私が代わりをすることになり立場が逆転しました。

 

異動先の責任者が「誰が代わりする〜?」という問いかけを私や女性を含めたメンバーにしましたが皆一様に責任を取りたくない&難しいということで下を向いて黙っていたのです。

 

しかし実は私は自信がありました。それは別記事の「仕事を頑張るようになったキッカケ」の6つ目のアルバイトの際に私が担当し最も得意とする役割だったのです。

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私は立候補するとカドが立つと思い遠慮していましたが長い沈黙となったため遠慮気味に手を挙げて「じゃあ私やりますよ」と言い担当することになりました。

 

そして担当した月から毎月前月比と前年同月比を上回り続けました。そういった事もあって前述のとおり最初は下の名前で呼び捨てでしたが、その後の19年半は下の名前でさん付でした。

 

以下、印象に残っているエピソードです。

 

①長期出張後の面談にて
会社が新体制となった後に、とある支社が壊滅的に売上を落とし社長命令で立て直しのために私と女性が交代で長期出張をした際の事です。まず最初の1か月間は女性が常駐して立て直しのためのフォローと現状の分析をすることになりました。そして1か月後に本社に出社し面談した時の事です。

 

開口1番女性が「(私)さんに謝らないといけないことがあります」と神妙な面持ちで言ってきました。

 

私はドキっとしました。何かやらかしたの?と。

 

すると女性はやや下を向いて私に目線を合わせないようにしながら話し始めます。

「立て直しで支社に行きましたが、本当に何もかもが酷かったんです。それで現状把握をする内に日頃(私)さんが私たちに言ってくださっている事、ご指導してくださっている事が全く出来ていないなと気づいたんです」

 

「(私)さんが日頃、繰り返し言ってくださっていることを支社でやると雰囲気が変わったんです。それで(私)さんって適当に喋って偉そうにしているだけの馬鹿なわけじゃなかったんだって気づいたんです」

 

ん?え!?

 

話しなげーなと思いつつドキドキして聴いていると突然のディスりが……。

耳を疑った私は女性に「え?なに?なんて?」と聴き返しました。

 

「本当にごめんなさい。内心は偉そうにしているだけの馬鹿だと思っていて本当に申し訳ないです。これだけ言いたくて。出張が終わって(私)さんに会ったらまずはお詫びしようって思ってたんです。本当にごめんなさい」

 

いやいや、え?まじで?となりました。なりますよね?

 

「え?いやいや言う必要ある?それ。てゆーか何度言っても変わらなかったのは内心そう思ってたからってこと?つーか馬鹿ってなんなん?」

 

「本当にごめんなさい。ただの馬鹿な若者だと思っていて本当に申し訳ないです。いかに日頃(私)さんが言っていることが正しいか、(私)さんがやっていることや言っていることをやれば成果が上がるか、本社の私たちが(私)さんにいかに守られているかを思い知りました。本当にどうかしてました。何でかな…。長年ご一緒させて頂きながらただの馬鹿だと思ってしまっていた事が悔しくて…ほんとーーーに申し訳ないです。ごめんなさい。」

 

「ちょ、ちょいまち。一旦ストップ。バカっていう単語多いな。なに褒めてるの?馬鹿にしてるの?」

 

「もちろん褒めてます~。そして本当に反省しています。ただの馬鹿って思っててごめんないさい~」

 

最後は涙声で言われてしまい怒る気も失せました。

 

 

②定期1on1にて
隔週で行っていた1on1での出来事です。

資格取得や読書を奨励する文化で女性は元々努力家でした。自助努力で職域に関わる資格をとったり勉強したりと。

ただ①にあるようなエキセントリックな発言は私以外にもしてしまっており、まぁまぁ嫌われていました。私は性格的にも立場的にも指摘したり言い返したりできますが人によっては出来ないので、ただただ空気を読まない発言やズレた発言でストレスを与えられていたのです。

そこでコミュニケーションやフィードバック、部下に対する接し方に関する本を読んでみたらどうか?という話をしていたのです。

そしてある日の1on1の時のこと、近況報告をしつつ最近はどう?という会話になると1冊の本をデスクに出してきてこう言いました。

「最近この本を読んで勉強しています。まだ1回しか読んでいないのですがこれで改善できそうです」と嬉しそうに言われたのです。

 

「お?いいですね。素晴らしい」と言ってデスクに出された本を手に取るとタイトルは【怒りっぽい上司の攻略法】とありました。

 

さすがです。勉強になります。

「え?なにこれ?部下ではなくてオレ?オレの攻略?」

 

すると「いえいえ(私)さんの攻略だなんて滅相もないです。部下です部下です」

 

「いやでもバッチリ上司って書いてあるよ」

 

「あれ?ほんとだ?」

 

疲れました。

 

 

③事務事故に関する啓蒙ミーティングにて
世間を騒がす事務事故絡みのニュースや関係各社での事故を教訓に事故を未然に防ぐことを目的として自社で注意喚起を促していた時のことです。

 

女性を含むチームメンバーを全員集めて会議室でレクチャーをしていました。

そして情報漏洩の例をいくつか出す中で男性社員A、男性社員B、本記事の女性社員の3人の名前で例え話をしたのです。

 

「例えば私が男性社員Aさんに手紙を送ったつもりで男性社員Bさんの住所を書きました。内容は男性社員Aさんに宛てたものなのでAさんの個人情報が書かれています。もしくは男性社員Bさんが私に手紙を送ったつもりで女性社員さんの住所を書きました・・・」

 

赤字の部分を言ったところで女性社員が勢いよく椅子から立ち上がって言います。

「私、男性社員Bさんに住所教えてないです!なんで間違うんですか?絶対おかしいです!男性社員Bさんなんで?」

 

ドン引きです。ドン引き。

 

私はこれ以上ないほど苦笑い、周囲は下を向いて苦笑い。

そして「いやいや、え?だから例だって言ってるよね?どうしたの急に?」

 

「男性社員Bさんが私の住所知ってるわけないと思って、そんなのおかしいし・・・」

 

「だ・か・ら例だって!なんでテンパるの?」

 

ここまで言った所で嘘みたいに「あっ!!」となり顔を真っ赤になり着席して小声で「すみません、早とちりしちゃいました……」と。

 

疲れました。

 

 

④メールの誤送信にて
ある時、社長がパソコン片手に憤った顔で私の所に来ました。

 

そして「ごめんね、今ちょっといい?」と言われます。何事か?と思いながら付いて行き2人で会議室へ。「女性さんから何か聴いてる?」と言われますが業務以外の会話はしていないため「いいえ、何かありました?」と回答しました。

 

すると「ちょっとこれ見てほしいんだけど」と言われパソコン画面を私に見せてきました。

 

そこにはEメールがありました。
それは次のような内容です。

**********************

件名:○○社長の発言や会社の方針についてです。

 

お疲れ様です。

 

最近の会社の方針に納得がいきません。

社長は何を考えているのでしょうか。

まともな思考ではないと思います。

 

というような内容やもっと猛烈な文句が何度かスクロールしないと読み切れない程の長文でつらつら記載されてありました。

 

宜しくお願いいたします。

**********************

 

オーナーの意向で理不尽な方針となることが多く社長も難しいかじ取りで、その都度情勢を踏まえた状況をチームメンバーには伝えてたのですがどうしても我慢できなかったようです。女性の気持ちは理解できますし私も同じ思いでしたが社長に言ってもしょうがありません。オーナーの絶対至上主義だったためです。

 

そして社長に「申し訳ございません。こんなことを送る人ではないのですが本人にヒアリングして意図を確認させてください」と伝えました。社長からすると直接猛烈な文句を送って来ておきながら平然としている姿を見て余計に憤った状態でした。

 

女性にヒアリングすると驚愕の事実が発覚します。

 

女性は社長ではなく私に送ったつもりでした。

 

メールを送る際に心の中で「社長憎し!社長憎し!」と思いながら操作していたために宛先を社長にしてしまったようですと……。当然、女性は社長に直接言う気はなく、ただ愚痴りたかっただけでとテンパりまくり。

 

アホすぎる。

 

言い訳を考えて女性をフォローするために社長に説明と謝罪をしまくる私。

めちゃくちゃ疲れました。

 

 

⑤メールの誤字脱字にて

先の社長への誤送信もですがメールにてうっかり誤字脱字がちょいちょいあったので繰り返し指摘をしていました。

名前の「さん」が「山」になっていたり、「よろしくお願いします」が「死ま酢」になっていたり、「お疲れ様です」が「喪疲れ様です」になっていたり、「ありがとうございました」が「ありがとうございまsita」等々……。不吉だし失礼だし多いしで…。

 

そして最後通告の雰囲気で次のようにメールをしたのです。

**********************

女性社員さん

 

お疲れ様です。

 

何度も言ってますがメールは送る前に見直しましょう。

メールは送ったら1人歩きするので危ないです。

そして場合によっては女性社員さんの日頃の頑張りが帳消しになりえるので勿体ないです。

 

私は女性社員さんの頑張りを理解していますがメールを受け取る人は知らない人の方が多いです。

 

何度も言うようなことでもないのでこれを最後にします。

メールは送る前に必ず見返してください。

今後の改善に期待しています。

 

よろしくお願いいたします。

**********************

 

 

そして返って来たのが次のメールです。仮に私の名前を「たろう」とします。

**********************

たろうさん

 

お疲れ様です。

 

お忙しいのにこのような事で何度もお手を煩わせてしまい誠に申し訳ございません。

今後は送信前に必ず確認をして2度と誤字脱字がないようにいたします。

 

たろうにご指導頂いたことを無駄にしないように精進いたします。

 

必ずご期待に沿えるようにいたします。

本当に申し訳ございませんでした。

 

何卒よろしくお願いいたします。

**********************

 

最後通告、かつ

「送信前に必ず確認をして2度と誤字脱字がないよう」

「ご指導頂いたことを無駄にしないよう」

「必ずご期待に沿えるよう」

と言いつつ誤字脱字を猛省する返信メールで「呼び捨て」というエキサイティングな仕打ち。

 

疲れました……。

しかし幸い?その後は劇的に誤字脱字は減りました……。

 


■おわりに
あれこれ書きましたが私はこの課長Bを嫌っている等という事はなくむしろ感謝しています。確かにフォローは沢山しましたし迷惑も多数被りましたが20年に及ぶ高難度業務にてずっと一緒に頑張ってくれたのは彼女ともう1人の男性だけ。
私自身が業務外で炎上したことも何度かあり、そういう時に業務を守ってくれたのは彼女ともう1人の男性でした。ですので頻繁に叱ってはいましたが定期評価(賞与に影響)では常に高い評価をつけるべく頭を悩ませて何とか最高評価を無理矢理つけていました。

 

今は転職したので再び一緒に働くことはないでしょうが彼女の幸せと成功を願っています。