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”ネタバレ”『それでも、親を愛する子供たち』最新”1巻”の感想

 

『それでも、親を愛する子供たち』という漫画が2024年5月9日に発売されています。


本作は「子供を殺してくださいという親たち」、「ケーキの切れない非行少年たち」と同じ方の方々の作品です。

 

全て持っているのですがまたまた衝撃的な作品が出てきましたね。

しかし世の中で実際に起きている事ですし、身近にある事で何とも言えない感情になります。

 

作品の種類からワクワクする、楽しいというものではありませんが読み応えがあり考えさせられる名作で2024年9月4日時点のレビュー評価は5.0と満点の超高評価です。

 

そんな『それでも、親を愛する子供たち』のご紹介をさせてください。

 

ネタバレを含みますので閲覧注意です。

 

 

 

■押川剛さん、鈴木マサカズさんの作品たちについて
前述しましたが同じ方々で同じような世の中の闇の部分に切り込んでいる作品があります。「子供を殺してくださいという親たち」、「ケーキの切れない非行少年たち」です。

 

どれも読み応えがあり考えさせられる作品です。そして気持ちがドヨンとします・・・。しかし世の中で起きていることであり、大事なことで皆が向き合うべきことなので読んで頂きたい漫画でもあります。

 

最初「ケーキの切れない」の意味が分かりませんでした。
刃物が怖い?ケーキが買えない?等とお思いましたが違いました。

 

我々がごく自然にすることができることが出来ない人たちがいると意味でした。

大人のADHDなどが話題になったことがありますので「なるほど」と思いました。

 

特に教えられるでもなくある程度の年齢になれば何かを等分するという行為は正確ではないにしろ、ある程度不満が出ない程度には分けられることが殆どだと思います。しかし6:3:1みたいな分け方になってしまう人達がいると知り衝撃でした。


「子供を殺してくださいという親たち」というタイトルも衝撃ですが、こちらも現実に起きていることを描いています。


子供おじさん、ニート等々と社会問題になっていますが、何かしらの事情で子供を排除しようとする親のエピソードは衝撃ですね。

 

 

 

■『それでも、親を愛する子供たち』と最新”1巻”の感想
『それでも、親を愛する子供たち』虐待や育児放棄などに切り込んだ作品です。

出典:それでも、親を愛する子供たち「1巻」

また、それに絡み児童養護施設も描かれています。単語や存在は知っていても詳しく知ることなんて殆どないので「なるほど」、「そうなの?」等と思いながら読んでいました。

 

大人の表情を伺いながら幼いのに無理をする子供、悪い事だと分かっていても親に褒められたくて犯罪に手を染める子供。すごく気持ちは分かりますし、その分悲しくなります。

 

無理して明るくふるまっても親に甘えたい盛りなのでどこかで無理が出てきますね。

 

嫌なことがあって不貞腐れつつムキになって机に向かう様子はリアルでした。

出典:それでも、親を愛する子供たち「1巻」

このシーン自体が滅茶苦茶悲しい場面ではないのに、子供が無理している様子がよく出ており何とも言えない悲しい感情が芽生えます。

 

そして多くの場合、親も同じような環境で育ったという現実。

出典:それでも、親を愛する子供たち「1巻」

母親も幼い頃に親に愛されたい一心で悪いことをしたり、虐待されても文句1つ言わずに健気に愛されようとしていたというのが更に何とも言えない感を醸し出しました。

 

また前述のように本作では児童養護施設についても描かれています。

 

出典:それでも、親を愛する子供たち「1巻」

小学生時代にクラスメイトに児童養護施設から登校していた子がいたので少しは知っているつもりでしたが「そうなの?」と思うことが多く出てきました。

 

何人かいた子達の内で私も何度か遊んだことがある子がいたのですが、いつも明るいもののたまに物凄く明るい時があったのです。

「今日はどうしたの?」というと「誕生日だからお父さんと会えるんだ」と嬉しそうに言っていた顔を思い出しました。当時は小学校低学年で普通の家庭で育った私は「厳しくて口うるさいお父さんと会えるからって何が嬉しいんだよ?」と内心思っていましたが、大人になった今なら分かりますね。

 

しかし親が会いに来てくれる子はそう多くなく、そうやってテンションが上がっている子をみて寂しそうにしている子もいました。

思い出すと何とも言えませんね。

 

施設にも遊びに行ったことがあるのですが、職員の方たちは皆優しく面倒見が良かった印象です。本作に登場方たちと似たような感じです。

それでも本当の親とは全く違って、たまに会いに来る親にテンションが爆上がりだったのを思い出して何とも言えない感情です。

 

そして改めて本作の職員の方々は遊びから勉強、食事など何から何まで親のように先生のように兄弟姉妹のように接するというのが分かり衝撃でした。

血がつなっがていない、不安定な子供達が相手というのもあるかもしれませんがよっぽど本当の親よりも親だなという印象です。

 

あまり大々的に宣伝されずテレビでもクローズアップされない部分ですが、こういうことこそ啓蒙していかないといつまでも悲しい子供たちが生まれ続けてしまいますね。

いや、啓蒙しても難しいのか・・・。経済面、仕組み、法改正、フォローなど全て変えていかないとですが今の世の中ではハードルが高いですね。。。

 

男性も女性も責任を持つためにもこういう現状をしっかりと知った方が良いと強く感じる作品です。

 


■おわりに
今の世の中、ある程度の経済力があり、それを子供のために喜んで使える親でないと幸せな子育ては難しいのかもしれませんね・・・。

個人的に思うある程度の経済力とは子供が希望した場合に大学まで通わせることが出来る経済力だと考えています。奨学金でも良いかのかもしれませんが中々苦労している学生多いですよね・・・。

 

子育てしながら共働きは大変なのに安全に安く預かってくれるところはない、働けても幼い子供は色々と手がかかるので仕事に集中できない。虐待や育児放棄ではなく一生懸命育児をして、物凄く愛情たっぷりに接しても本当に色々と逆行した現状がある世の中だなと痛感します。

 

あと本作を読んで思った子供への向き合い方として歯列矯正が思い浮かびました。

歯列矯正は乳歯と永久歯がある子供で30万~50万程、永久歯の大人で30万~50万程、合計で60万~100万円ほどかかります。歯科医院や矯正方法により異なるみたいですが、概ね100万円くらいかかるようです。また都度都度でワイヤー等の交換などで数千円のお金がかかります。

 

しかもやらなくても死にはしませんし、絶対に必須ではありません。

更に基本的に子供は歯医者を嫌がりますし、子供の時は見栄えが悪い上に得られるメリットを理解出来ないor理解していない子が多いので大変です。

高いお金を払っていう事を聴かない子供を説得し治療を続けるのは根気がいりますね。

 

ですので子供の将来のために絶対必要ではない部分に高いお金を払って、子供のために行動し続ける必要があり、歯列矯正を子供にさせる親は本作に出てくる親達とは真逆だと思います。小中学生くらいの時に無理矢理でもやらせておけば子供の時は嫌でしょうがなくても大人になったら感謝すると思いますしね。

 

大手を振ってオススメとは言いませんが読むことで考えさせられ皆が学ぶべきことが多く描かれている作品です。

 

気になって頂いた方がいらっしゃれば読んでみてもれると嬉しく思います。