『目の前の神様』の最新"2巻"が2024年8月2日に発売されました。
本作は「棋士」と呼ばれる将棋のプロが主人公の将棋漫画です。
将棋を知らなくても楽します。
レビューは4.80と高評価でレビューコメントも好意的なものばかりでした。
そんな『目の前の神様』のご紹介と最新"2巻"の感想です。
ネタバレを含みますので閲覧注意です。
■『目の前の神様』とは?
冒頭に記載の通り将棋漫画ですが将棋そのものというより主人公「大刀遥一郎」(おおだちよういちろう)の内面がメインですので将棋を知らなくても楽しめます。
プロになる前はもてはやされて天才と言われていた大刀は厳しい奨励会の競争を勝ち抜きプロになるもデビュー戦でつまづき、無難な将棋しか打てなくなり勝てなくなっていました。
そんな大刀が一念発起し勝つようになっていく物語です。少なくとも2巻までは。
主人公「大刀」のキャラ、周囲のキャラ、強敵のキャラと面白キャラが多くおり見応えがあります。
また1巻の1ページ目ではまんまと"画"と"台詞"に騙されました。
画像とともに「オレのプロ棋士としてのデビュー戦はとても賑やかなものだった」という台詞で始まります。
なんだ「ヒカルの碁」でいう「塔矢アキラ」みたいな若き天才が主人公かと思ったのです。しかし違いました。
主人公はこちらの「大刀」くん(20)でした。
1ページの画像は天才棋士として名を馳せまくる上方くんでした。
現在でいう「藤井聡太」さんのような感じですね。
お互いに小学生だった時に対局してボロ勝ちしたことがありますが光速で追い抜かされ片や将棋界を背負う若き天才、片や負け続ける最下層という状況になっていました。
そしてデビュー戦が賑やかだったのは若き天才棋士が相手だったので報道陣が多かったわけです。そして大刀は緊張でズッコケます。
当然のように将棋も負けてふんだり蹴ったり。
上方と一緒に帰ったある日のこと。上方は8年前に対局したことや内容を覚えていました。上方は大刀の実力をめちゃくちゃ評価していました。「あの頃からすごいです」と。そして「これ以上ないと思える一局をいつか指したい、その時の相手は大刀さんだと思っているのは僕だけですか」と言われてしまいます。
大刀自身は自分に自信が持てなくなっておりネガティブでしたが、天才上方が自分を認めてくれていたのです。
大刀はこの期待を裏切りたくないと一念発起し努力に励みます。
そしてこれまで以上に研鑽を積んだ大刀、次の対戦相手は小出五段です。
小出は同学年&奨励会も同期ですが大刀よりも2年早くプロになった秀才でした。今や上方くんに次ぐ若手の2番手です。幼い頃から何度も戦っておりライバルで大刀が方が上位でしたが、この小出にもおいて行かれていました。しかも小出は直近で上方にも勝っています。
将棋会館の売店で見つけた上方グッズを買い、そのグッズを手に神社で拝んでいた大刀、小出に目撃されてしまいます…。
拝んでいたのを目撃され言い訳をする大刀ですが、対戦相手だというのに小出は軽口を叩きまくってきます。舐められているのです。少し前はライバルだったのに。
しかし大刀は上方との会話以来変わっていました。
そして小出が大刀を難敵と思っていた時の変則的な指し方に戻っていました。
見事に勝利しますがテンションが爆上がりしてカメラに向けてピースをしてしまいます。これより先、大刀は「ピース」、「すごピ」等と呼ばれることになります。
その後、うなぎを奢るから来いという師匠の「田原」先生に呼ばれ会いに行く大刀、田原はスイーツ男子でした。
待ち合わせ場所にアイスを2つ待って現れました。田原は将棋とスイーツには妥協しません。常に真剣です。
この田原はタイトルを取ったこともある棋士ですが見た通りの変わり者でした。
そして「何を目標にしているのか聴きたくて呼んだ」と言われました。
棋士である以上は一番上を目指さないといけないと言います。
それは幼い頃、田原の弟子になる際にも言われたことでした。
一番を目指さないなら「来ちゃいけない」と。奨励会は他の全てを捨てて将棋に打ち込まないといけない場所であり、もし年齢制限までにプロになれなかったらそこから普通の会社員等として生きねばならず超イバラの道です。
幼い大刀は一番を目指して頑張れると答えました。
そのエピソードを師匠から聴かされて目が覚めたように決意する大刀は改めて「名人」を目指すと宣言します。
囲碁にしろ将棋にしろ主人公の師匠ってだいたい良い人ですが本作の師匠である田原も良い人ですね。将棋以外は変わり者だけど、ここぞという時には道を示してくれるという感じで。
次戦の相手は秀才の村井です。見た目通りの秀才キャラです。
対局にずぶ濡れで現れた大刀を見下します。
しかし対局後は評価を180度変えました。「オレは勝てない」と。
なぜならば良い歳をしてずぶ濡れで対局に現れたのは川に落ちたから、川に落ちたのは将棋のことを考えまくっていたから。そんな将棋脳の太刀は将棋が好きと言いました。
これに対して自身もそうだったけど厳しい奨励会のレースを勝ち抜き、プロになってからは仕事として将棋を指していた村井は「勝てない」と感じたのでした。
こうして大刀を高く評価する人がまた1人増えました。
上方と師匠の言葉で生まれ変わった大刀は絶好調、8連勝中でした。
そして次の相手は国枝九段、全盛期には四冠をも制したレジェンドです。
大刀は国枝を追ったドキュメンタリーの動画でイメージトレーニングをします。
朗読で(笑)
国枝のドキュメンタリーを観終わったかと思いきや、自分のドキュメンタリーを脳内再生し始めました。朗読で(笑)
20年近く下位クラスをウロウロしており、もはや引退待ったなしの国枝は大刀との対局が引退対局でした。そんな国枝が将棋会館で報道陣に囲まれている所に大刀と小出は遭遇します。
国枝は研鑽を続けており直近で棋聖に勝利していました。
楽勝だと思っていたのに話が違うじゃねーかとなります。
主人公「大刀」のキャラがとにかく良いです。将棋漫画でありながらギャグも面白い。
対局シーンでは将棋の内容となりますが将棋を知らなくても楽しめると思います。
オススメ漫画です。
ここから先は更にネタバレしますので超閲覧注意です。
■最新"2巻"の感想
1巻の最後で報道陣に囲まれる次局の相手「国枝」と遭遇した大刀、国枝は大刀は魅力がなく引退対局だから上方と戦いたかったと言います。
笑顔で応対して流す大刀でしたが内心はめちゃくちゃ悔しがっていました。
そして対局へ。
元四冠の引退対局ということで報道陣も多く、大刀は下を向いています。
これを国枝は覇気がないと思ってしまいますが違いました。
闘志をギンギンに燃え上がらせていたのです。
大刀はこの日のために刀を研ぎ、国枝を倒すために研鑽をしまくっていました。
そして国枝が得意としていた戦法を使います。当然、国枝は戦法も破り方も熟知していますのでこれは喧嘩を売っているようなものです。
一方、対局を見守る小出は大刀の変な部分を思い出します。将棋で怖いと思うことがあるがそれ以外にもあると・・・。追い詰められた大刀がスマートスピーカーに話しかけて怒ったりお礼を言ったりしていたのです。
近年の国枝は年齢や体調から投了が早くこの日も大刀の予想外の攻めと猛攻に投了しそうになっていました。しかしギラギラしていた若い頃を思い出し「若者に自分の戦法で挑戦されてここで降参はねぇだろ?」と思い対局を継続します。
打ちながらテンションが上がり、若い頃の気持ちを思い出す国枝は引かず両者譲らない熱戦となりました。
対局は大刀の勝利、国枝は大刀を認めて「またやろう」と言います。
レジェンドにも勝利して連勝街道を爆走中の大刀は調子に乗ります。しかしピース事件もあったので脳内会議を開くことにしました。
脳内では複数の自分が言い合いをしています(笑)
一方、上方は上位の棋士集団の中で勝ち続け早くも竜王戦に。現役竜王は一癖も二癖もありそうな長髪で前髪パッツンの安河内です。
なお、いくつかの対局の棋譜(対局の記録)を見た安河内竜王から解説に選ばれてしまい高天名人と共に解説することになった大刀も会場にいました。
天才上方が手のひらで遊ばれる展開に安河内竜王と現役最強棋士の「高天」(たかま)に対して大刀は畏怖を覚えます。
何度か優勢と劣勢が入れ替わる展開の中で上方は全身の力を抜いて長考、身体全体が将棋に埋め尽くされるほど考え込みます。
そして上方の勝利、難敵の安河内を大接戦の上で破りました。
対局後に安河内は「自分が電卓なら上方の脳の処理速度はスーパーコンピューターだ」と言います。
そんなにか!?「それならオレはそろばんか・・・?」と絶句する大刀、だとしたら現将棋界に君臨する高天名人はどんだけだよ?と高天を悟りを開いた神のような姿で思い浮かべます。
そんな大刀の次局の相手は高天でした。
2巻の最終コマは上記となっています。
流石に3巻の段階で勝つことはなさそうですがどうでしょう?
主人公のキャラや取り巻く周囲の面々もキャラ立ちしてて面白いです!
オススメですね。
■おわりに
漫画タイトルの『目の前の神様』とは上方くんのことか、将棋盤のことか、将棋そのものか分かりませんが巧いタイトルだなと思いました。
なんどか記事内に書いていますが将棋や囲碁の漫画というと「ヒカルの碁」と「リボーンの棋士」を思い浮かべます。ヒカルの碁は囲碁、リボーンの棋士は将棋が題材でどちらも面白いです。(個人的にリボーンの棋士は現実的ではありますが終盤が残念)
それにしてもヒカルの碁の設定は良かったな〜と思います。パクリになってしまうから無理なんだろうけど早世した天才とか昔の天才が素人に乗り移って無双する系の作品でないかな……。
今後は本作『目の前の神様』も思い浮かべることになると思います。
オススメ漫画です。
気になって頂いた方がいらっしゃれば読んでみてもらえると嬉しく思います。