『ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 魔導書の力で祖国を叩き潰します~ 』の最新”5巻”が2024年9月2日に発売されました。
タイトルの通りですが本作はスーパーチートな令嬢が祖国に復讐する物語です。
レビュー評価は4.50と高評価、ポンコツ王太子とふざけた祖国に報復をしていきます。
ネタバレを含みますので閲覧注意です。
■『ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。』とは?
公爵家の令嬢で王太子の婚約者である主人公のエリザベートは幼い頃から厳しい王妃教育に耐えながら、貴族そして王太子の婚約者として国に尽くすべくあらゆる教育を受け、あらゆる面で超一流となりながらプライベートは全て犠牲にしてきました。
ところが物の価値がわからないテンプレポンコツ王太子は見た目が可愛いだけの貴族令嬢と恋仲でなるだけでなく、優秀過ぎて可愛げないと思っていたエリザベートとの婚約を一方的に破棄します。しかも自分を正当化するために冤罪をかけまくり騎士によって押さえつけさせ上に牢獄に入れてしまうのでした。
超優秀でポンコツ王太子と違って本当に人望もありエリザベートに牢の看守も申し訳ないと謝ります。そして国王や宰相である父親が国際会議から戻ってくれば解放されると汚く狭い牢獄で1か月も耐えたのでした。さらに投獄しながら国の仕事はやらせているという理不尽っぷり。それだけこの国はエリザベート頼みだったのです。
解放されるのを待っていたエリザベートの元に優秀かつエリザベートに忠実な侍女がやってきました。そして聴きます。
父である宰相は「エリザベートなら自力でなんとかするだろ?」
国王陛下は「王太子の後始末もエリザベートが綺麗に整理するだろ?」
1から100までエリザベートに丸投げでした。
内政、軍事、経済まですべてにおいて超優秀なエリザベートが支えていたのです。
それだけでなく国民に私財で炊き出しなども行っていました。
さらにゴミポンコツ王太子は自分の行いの正当性を示すために国中にエリザベートの嘘の悪評をばら撒いていました。しかもその悪評を信じる者も出てきていると・・・。
そのことを知っても国のことを憂うエリザベートに業を煮やす侍女。
激昂して「都合の良い時に便利な道具のように扱き使うこの国の奴らが許せない!」、「常に国のために働き、今まで散々世話になったのに下らない噂を信じてお嬢様を貶める民衆も!」、「全て丸投げで牢獄に1か月も入れられているお嬢様を心配すらしない国王や宰相である父君も」、そして何より「ポンコツ王太子のカスを!」
この侍女の叫びに我に返ったエリザベートは牢獄の壁を素手で破壊しつつ、国を見限る決意をします。
そして次から次に繰り出すチートスキル。
そもそも素でも強いエリザベートでしたが神器という選ばれしものだけが授かっているスキルも超チート。チートの中のチートなのです。更にいうとその全容は誰にも明かしていませんでした。
軍や盗賊団も1人で蹂躙し、商売をすればソッコーで国一番の商会に育てあげ、人材育成、策略も超々一流という手の付けられないエリザベート。
祖国への気持ちが切れてしまい、敵対国に亡命します。そしてあの手この手で祖国を潰す動きを始めるのでした。
作中で一番のお気に入りは破戒僧のティーダです。
シスターでありながら物理で盗賊を撲殺しお金とお酒が大好きなティーダ。登場回数は多くありませんが良いキャラです。
祖国と敵対している強大国に行きまずはお金を集めるエリザベート、すぐさま軌道にのせて巨額の富をえてじょじょに祖国の切り崩しに着手していきます。
一方娘が居なくなり、帰って来ないと知った王国宰相の父は「どうせ戻ってこないなら娘を徹底的に悪者にして王国と王太子に忖度した方がお得」というカスマインドを発動。
祖国を潰すのは無関係な人もいるし可哀想かも・・・という気持ちをちょいちょい出て来る王太子たちがその都度覆してくれます。
国のためにひたすら尽くした令嬢の華麗で容赦のない復讐劇、復讐系が好きなら人なら楽しめると思います。
■最新”5巻”の感想
5巻ではお気に入りのティーダが登場しました。
祖国をじわじわ追い詰めるために次の策に動くエリザベート。
その策に関わる村が盗賊の被害に遭っているということで蹂躙していきます。それはもう容赦なく。1ミリの慈悲や容赦なくサクサク殺っていくエリザベート。もはや清々しいほどです。
一方そのころ本拠地では疫病が流行り、侍女や商会の面々が次々と倒れる事態に。
エリザベートが亡命したユーティア帝国全体を揺るがす事態にまで発展していました。
そしてそんな時に事態の解決のためエリザベートに接触してきたのは王国のポンコツ王太子とは全く違う出来の良い帝国皇太子「オーキスト・ユーティア」でした。
この帝国皇太子はエリザベートが警戒するほど優秀で切れ者のようです。
そして皇太子より疫病の解毒剤をつくるために鉱石が必要で、その鉱石をとるためにパーティを組んでダンジョンに行ってもらいたいと言われます。
そうしてダンジョンに向かうエリザベートと帝国皇太子に選ばれた冒険者たち。ダンジョンがある街の冒険者ギルドではテンプレのやりとりが・・・(笑)
前夜に立ち寄った酒場では破戒僧ティーダと再会。回復系がパーティにいると安心ということでお酒とお金で篭絡して誘い入れることに成功しました。
5巻はいざダンジョン内へという所で終了です。
続きがめちゃくちゃ気になるとは言いませんが、このあとどうやって即を追い詰めていくのか?
今の所、祖国のポンコツ王太子をやきもきさせたり困らせたりはしているものの、徹底的に痛い目には合わせてないので、どんなお仕置きがまっているのか?国王は?父は?とこれからの展開が楽しみな作品です。
■おわりに
とにかくエリザベートが優秀な本作。そして冷酷です。
3巻でエリザベートが婚約破棄された時に押さえつけてきた騎士と再会するのですが、仕返しの方法はエグイ。自業自得ではありますが、なかなかエゲツないし超容赦ないです。
ただ単に武力が優れているとか商才から経済力があるという事だけでなく細かい所も含めてあらゆる面で縁の下の力持ちであったエリザベートを失った祖国。
現実世界での会社でもあることですね。
復讐や報復はないかもしれませんが、本当の功労者をゴミみたいなことで切り捨てる権力者、見栄えのよい部分ではない縁の下の力持ち的な所に気づけない権力者。
徹底的かつ冷酷な報復なので人を選ぶかもしれませんが画は綺麗でスカッとする展開のオススメ漫画です。
気になった方がいらっしゃれば読んでみて頂けると嬉しく思います。