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"ネタバレ"強烈なインパクトの漫画『狼の口 ヴォルフスムント』は圧政者VS市民を描いたハラハラが止まらない歴史物語

 

狼の口 ヴォルフスムント』という漫画をご存知でしょうか?

 

初めて読んだのは2010年ですが強烈なインパクトで「おいおい、まじかよ?、いやいや、ほんとに?」となりました。万人受けする内容ではないですしグロさもありますが殆どの漫画にないインパクトを持った作品です。

 

14世紀初頭のアルプス地方における圧政者と市井の争いを描いたリアル歴史アクション漫画です。2010年2月15日に1巻が発売され2016年11月15日に8巻が発売して完結しています。

 

この『狼の口 ヴォルフスムント』はebookjapanのアプリでは購入出来ませんんが、代わりに「狼の口 ヴォルフスムント revised edition」という名の全4巻完結版が購入できるようになっています。こちらは1冊が1078円~1199円と高額ですが元々2冊分となっており実質550円程度なので安い方です。なお試し読みをした範囲では元と内容は同じです。

 

本記事では『狼の口 ヴォルフスムント』をご紹介いたします。

 

ネタバレを含みますので閲覧注意です。

 

 

 

■『狼の口 ヴォルフスムント』とは?

久慈光久」先生の作品で他に「甲冑武闘」、「鎧光赫赫」など鎧や甲冑を来たキャラが出て来る作品が多いです。

 

狼の口 ヴォルフスムント』は圧政に苦しむアルプスの人々が鬼の番人が守る関所を突破しようと悪戦苦闘する様相を描いた作品です。その関所のことを「狼の口」と呼んでいたのでした。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

この「狼の口」を守る番人=代官は「ヴォルフラム」という男です。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

この「ヴォルフラム」はめちゃくちゃ切れ者で性格も悪く超残忍です。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

一見するとエリート文官の優男なのですがサクサク処刑していきます。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

長い圧政を耐えて立ち向かった人々は勝鬨をあげます。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「8巻」

 

ヨーロッパはローマ帝国とナポレオンを少し知っているくらいなのでこの辺りは全く知りませんでした。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「8巻」

 

まさか『狼の口 ヴォルフスムント』がスイスに関係しているとは……。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「8巻」

 

久しぶりに本作を読み返して「おぉ」と思った次第です。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「8巻」

 

 

↓この先は更にネタバレしますので閲覧注意です↓

 

 

 

 

■特に印象に残っている点シーン

1巻の1話目は屈強な騎士で従者の男とお嬢様の2人旅の物語です。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

争いに負けて逃亡し再起を図ろうとするお嬢様を守りながら旅をする騎士の男、お嬢様は長く美しい髪と綺麗なドレスを着ていましたが男装に変えて髪も切ってしまいます。

箱入り娘だったであろうお嬢様にはきつい旅で騎士に文句を言いますが旅を続ける内に深い信頼関係を結んでいったようです。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

騎士に付き従う従者の体なのでゲオルグ様と呼んでいます。

 

いよいよ関所ですが万全を期すために泥や馬の糞を全体に塗り付けて更に汚します。

長く辛い旅でお嬢様はゲオルグに恋心を抱いたようです。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

代官のヴォルフラムは強敵でした。カマをかけられ即ピンチに……。

オルグが芝居でお嬢様をボコりますが手を止めるとこの台詞です……。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

そしてあっという間に包囲されてしまいます。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

「どーせ助けが来るんでしょ?」

ロビンフッド的な人が来るんでしょ」

「山崩れなどが起きた隙に逃げるんでしょ?」

 

結果、極ふつーーーに処刑されました。血も涙もありません。騎士ゲオルグはお嬢様を守りながら闘い全身を矢に貫かれて絶命、お嬢様は捕えられ打ち首……。

最初に読んだ時はこの多くの漫画とは一線を画す普通かつ鬼の展開に衝撃を受けました……。「え?嘘でしょ?死ぬの?まじで?」と思い遡って読み返したのを覚えています。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「1巻」

 

そんなヴォルフラムは1巻~5巻までとにかく関所破りをしてくる市民を処刑しまくります。老若男女を問わずです。それぞれに想いやドラマがありますが関係ありません。サクサク処刑します。

 

しかし市民たちの気合で遂に6巻では追い詰めます。関所破りを試みて亡くなっていった仲間達を想いながら闘のでした。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「6巻」

 

関所は大炎上します。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「6巻」

 

自身もかなりの強さだったヴォルフラムを何とか倒すことができた市民たちの集団、ヴォルフラムを気絶させて雄たけびをあげます。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「6巻」

 

そしてこのコマです。これが何なのかは明言を控えますが衝撃でした……。人って怖いですね。相当な恨みを買っていたということです……。

出典:狼の口 ヴォルフスムント「6巻」

 

テンプレ展開や王道展開、どーせ勝つんでしょ、どーせ助けが来るんでしょというストーリーに飽きた方は一見の価値ありです。

 

何度も読むタイプの作品ではないですが衝撃を受けると思います。

 

 

■おわりに

サクサク処刑はするモノのただ職務を完璧にまっとうし、国に混乱を招かないように徹底していただけでは?説もありますが代官のヴォルフラムは残忍に描かれており6巻は衝撃の展開を迎えました。

 

初めて読んで14年が経ちますがその間に読んだは3回程度です。基本は悲しいので疲れますし……。しかし強烈なインパクトで他の何十回も読んでいる作品と同様に記憶に刷り込まれています。ベルセルクの宴回など25年くらいの間で3回ほどしか読んでいないのに鮮明に覚えていますからね……。

 

新たに出ている「狼の口 ヴォルフスムント revised edition」は1冊が本来の2冊分なので試し読みのページも70ページ程とそれなりにあって内容がまぁまぁ分かります。

 

興味を持って頂いた方はまずは試し読みをして頂ければ幸いです。