伊勢ともか先生の『懲役339年』という漫画をご存知でしょうか？
1巻が2014年8月18日、最終4巻が2015年8月12日に発売されています。
内容は気楽なものではないので好みは分かれるところですがレビューは4.20と高い評価で4巻完結で早い展開でありながら話がまとまっており考えさせられる内容です。
そんなオススメ漫画『懲役３３９年』をご紹介いたします。
ネタバレを含みますので閲覧注意です。
■『懲役３３９年』のご紹介
大罪人「ハロー・アヒンサー」は裁判で懲役339年の刑が確定します。
そして53歳で獄中死しました。服役期間は20年です。
しかしハローがいた独房には新たなハローが収監されていました。
ハローが53歳で死んだ直後に国はハローの生まれ変わりを探しだして赤ちゃんのまま収監したのです。これが2代目「ハロー・アヒンサー」です。生まれ変わりの根拠は身体的特徴が似ているというものでした。
二代目ハローの担当になったのは「アーロック」という新人看守です。
大罪人ハローの生まれ変わりとして赤子の時から刑務所生活を送るハロー、しかしアーロックからみると何も知らない純粋な少年でした……。
アーロックの良かれと思って教えた知識で命を落とすことになってしまった2代目ハローは享年12歳、初代の20年の合わせて32年を終えたことになります。
ハローの残りの懲役は307年です。
3代目ハローは大柄で力持ち、しかし心優しく誠実な青年に育っていました。しかし大罪人の生まれ変わりと信じて疑わない周囲とのギャップに戸惑います。3代目ハローは45歳まで生き囚人たちからの信頼も厚く惜しまれながら息を引き取ったのでした。
ハローの残りの懲役は262年です。
4代目のハローは女性でした。そしてシナトという若い看守がハローと関わっていきます。このシナトは神学校で一緒だった「オレンジマン」という皇憲隊(国の法を守らせるための軍隊)の大尉と飲食店で再会しますが2人は不仲なようでした。
このオレンジマンの前世は国軍の最高権力者の大将で前世が重要視されるこの世界では出世が約束されていた超エリートです。
何も知らず純粋で素直なハローに惹かれていくシナト、転生そのものがおかしいという疑問を持ち始めます。そして初代のハロー以外は全く無実であるという確信をもって2人で脱獄するのでした。そして本で見た麦畑を2人でみました。
しかしそこへオレンジマンの魔の手が…
2人ともオレンジマン率いる皇憲隊により殺されてしまいます。
ハローの残りの懲役は243年です。
2代目ハローの看守だったアーロックは疑念が確信に変わります。初代のみが大罪人で2代目以降のハローは無実であると。
そしてそのアーロックの手記をシナトから受け継いだ男がいました。シナトはハローと脱獄しましたがアーロックの手記は信頼出来る友人に預けていたのです。
一方、次々にデタラメのハローを作り出しいていた国はやはり腐っていました。転生などないことは分かっていたのです。自分たちの都合が良いように決めつけて操作をしていただけでした。
この国では最高権力者である法王猊下だけが前世の記憶を持つとされていましたがそれも嘘でした。権力を欲して私利私欲にまみれた大神官たちが捏造していたのです。
法王は少年です。個室にお祈りと言われて入れられ幻覚剤を用いられた状態でお付の人間が歴史を朗読し、それが記憶であるかのように錯覚していただけでした。
一気に話を飛ばしますが、そういった国の悪巧みが次々と明るみになり混乱していきます。そして5代目ハローは反乱軍のリーダーとなり法王を諭します。6代目ハローは法王と良い友達になりました。
全体的に2代目以降の無実のハローが国に利用されまくる悲しい話ですが、この上と下の画だけは幸せそうで少し気が楽になりました。下の画について明言はされていませんが4代目ハローとシナトの生まれ変わりだと思われ平和となった世の中の麦畑で再会したのでした。
4巻という目まぐるしい展開の中で「なるほど、そうなん？ひど～」と感情が揺さぶられ一気に読んでしまいました。色々な漫画に影響を与えていそうですね。
一読の価値ありの超オススメ漫画です。
■おわりに
ebookjapanのこの作品を読んでいる人はこちらも読んでます攻撃と週末で30％オフだったので何となく購入した本作ですが1巻を読んだら4巻までノンストップでした。
画は上手いとは言えません。下手ではないし汚くもないですが最近の美麗な画が目立つ作品の「極楽街」や「葬送のフリーレン」等と比べると雲泥の差。しかし物語や設定だけでここまでのめり込みました。凄かったです。
もし興味を持って頂いた方がいたら読んでみてもらえると嬉しく思います。
