50代後半、口ではハイと言うが行動はしない、やる気無し、努力なし、居眠り多い、物忘れ多い、叱るとキレる、人には厳しい、恋愛対象の女性は20歳から28歳までと豪語する男、彼の唯一の長所は勤怠がよいということでした。
他のメンバーからのクレームも激しく、ある社員からは「なぜあの人は存在してるんですか?」、「あの人がいると仕事をふらなくてはならず、生産性と品質が激しく下がります」と言われたこともあります。長年改善に取り組むも本人にやる気がないのでどうにもならず。
私は「ん?あー、うん?うーん…」と答えられませんでした。普段はよく喋るのに。
そんな彼はとにかくミスが多く報連相はしないし、狸の置物のようにそこに居るだけの状態でした。体型も似ている。
ただし、ずっと担当している領域とOfficeスキルには物凄く自信を持っており、それ関連の話では人が変わった様に饒舌で行動的だったのです。出来るかは別として。
世の中には理解の範疇を超えた出来ない&ダメ社員がいるのです。出来ない事やミスが多いのはコチラの非や仕組みの問題な場合もあるので良いのですが「反省しない&やる気がない」のは本当に厄介です。
私が関わった中で最も仕事が出来ず「反省しない&やる気がない&出来ない」のに「態度や言動は常に偉そう&指摘すると逆ギレ」という何のために働いているのか分からないNo1は彼でした。
①必要最低限のことはこなして帰る(そもそも彼には他の人が午前中には終えている業量しか任せていない)
②ミスはするし周囲のフォローも必要だけど反省はするし自分なりに改善もしようとする
③フォローしてもらったらお礼やお詫びをする
この①~③があれば良かったのです。
しかし彼の実態は
①他の社員なら午前中で終える業量に調整しているのに残業代が欲しいがためにダラダラ居残った上に残業が多くてきついと周囲に不満、しかも業務はこなしていない(業務が終わってなくても定時で帰っていいと伝えると生活が厳しいので早めの昇給を求めますという逆ギレ)
②自分のミスで周囲がフォローのためにバタバタしているのに有給&連休で頻繁に旅行、自分は買って来ないが人が帰省や旅行に行ったと知るとお土産がないのは常識がないと説教
③ミスをしても悪びれず指摘をすると不満げに口答え(人のミスに対してはネチネチと説教)
④事あるごとに以前の会社ではパワハラで弁護士に相談したことがありますという牽制の意味を込めた武勇伝トーク、私の若い頃は〜という嫌われる口癖もあり
⑤期限は週や月単位で遅れる上に内容も1~10まで依頼しているのに1~3くらいで出してくるクォリティ
⑥周囲のクレームを伝えても「もっと私に合わせる柔軟性をチームとして持つべきでは?個々のレベルにあった仕事の仕方があるはずです」とほざく(確かにそうだが自分は人に厳しく求めるのにすげーなと、そもそも合わせて振ってるけどね・・・)
⑦人の粗探しは積極的で密告してくるが自分がフォローしようとはしないし当然自分は出来ていない
⑧なぜか人の課題は的確に指摘することができるが自分の事は棚にあげて強めかつ上から指摘し退職に追い込む(私のチームに配属される前に事務の女性、大学生の男性などの数人を退職させている)
⑨自分は毛量が著しく少ない長髪で年相応にメタボで太っているが女性の容姿にイチャモンをつけまくる
⑩20代後半~50代の女性が多い職場で声を大にして女性は28歳までしか価値がない等とほざく
キリがないですがまだまだダメエピソードはあります。とにかく酷いのです。
そんな彼に担当領域の年間予測についてシミュレーション作成を依頼した際の出来事についてご紹介します。
■『今回は証拠があります』
支社の副支社長くらいの立場から次々と出来ない事、やっていない事が明るみになって業務範囲と業量を変更されながら報酬は変わらないという稀有な状況にあった彼。
中々出来る仕事をふるのも疲れたなと思い始めた頃に評価制度の一環でもあるため自己の担当領域に関する年間シュミレーションを依頼しました。
それは各項目毎の数字を1月~12月(依頼したのは前年の11月中頃)まで内容はともかく入れてみるというもの。
これまで散々インプットがずれて痛い目を見てきたので、その日は徹底してそういう事態を避けるべく次の様に依頼しました。
・ホワイトボードに書いた上で口頭で説明
・書いたものと注意すべきポイントをノートにメモしてもらい、メモしたものを私もチェック
・ミーティング後に話した内容をメールにも再掲し、ホワイトボードの写真も添付して送信し見たことの確認で返信を受信
・いつ出来る?に3日くださいとの事だったので1週間後としてOfficeのスケジュールもセット
・忘れないように期限前の6日前、4日前、2日前に3回アラートがなるようにして困ったり、迷ったら相談するよう指示
流石にここまでやれば大丈夫でしょう。
内容の抜け漏れや数値のズレはキャッチボールしながら修正していけばよいと考えていました。
そして期限の1週間後は当たり前に過ぎて、2週間が経った頃にメールで報告がありました。
メールのタイトルは、
ご報告【◯◯年間シュミレーションYYMMDD】で文面には期限が守れなかった事についてのお詫びは当然の如くありませんでした。
私はその時お客様と会うために外におりカフェで一息ついていました。
携帯だとエクセルが綺麗に開けず途中で切れており見れなかったのです。
とりあえず全体的には問題なさそうでした。細かい数値は会社に戻って見れば良いかと思っていました。
ただやはり途中までしか見えなかった点が気になったのです。
そこで会社にいる50代後半の部下に電話しました。
「報告ありがとうございます。見ました。今出先でしっかり見れてなくてエクセルもちゃんと開けないから念の為だけど」
部下は「ええ、はい、はい、ええ、何でしょう?」
「いや、本当に念の為なんだけど、携帯で見てるからエクセル切れてて、これ完成ってことでいいんだよね?5月までしか見れないんだけど12月まであるよね?」
すると部下は言います。
「え?いや、ありませんよ?」
何言ってんだコイツ?あるわけねーだろ!みたいな口調で言われてしまいました。
「え?いやいやタイトルも年間シュミレーションだしさ、当然私も説明したしさ、5月までじゃなくて12月までないとダメでしょ?」
すると「ふぅ~」と息を吐いた後、電話口で鼻で笑い「(ふっ)お忘れですか?◯◯さん、今回は証拠があります」
”今回は”という時点で度々やらかしている事、更にこれまては証拠がなかったから泣き寝入りした部分もある的な匂わせを入れつつ恐らく電話口でドヤ顔をしながら言われてしまいました。
しかも「いつも叱られているけど今回は証拠があるし自分に分がある、謝るなら今の内ですよ?」的な感じがビンビン出ていました。
考えすぎとか勘ぐりすぎではなく付き合い長いので分かるのです。
後にですが、この電話中と電話の後の彼の様子を状況は説明せず周囲の人に確認したところ、ブツブツと自席で「全くしょうがないな」、「まぁこれで少しは反省するかな」(私が)等と呟いて気持ち悪かったとのことでした・・・。
そもそも私が彼の立場であれば、たとえ絶対の自信があってもこれまでの経緯から「失礼いたしました。申し訳ございません。もう一度確認いたします」等と言うと思います。
彼の大きな特徴の1つとして「謝ったら負け」というものがあったのです。
年間で240日ほどはミスをしているのに謝罪の言葉を聴いた事がありません。
私はお客様との時間が迫っていたのでいったん電話を終話し会社に戻ったらまた聴くと伝えました。
すると「先ほども言いましたが今回は証拠があるので準備してお待ちしてます」と言われてしまいました。それはもう覚悟しておけよと言わんばかりの口調で。
とはいえもうこの時点で展開は読めたのです。悲しいかな…
2時間ほど経ち私が会社に戻り自席につくと、彼が勇み足で私の所にきました。そして会社の携帯に保存してあったホワイトボードの写真を見せてきたのです。
案の定でした。
「え?証拠って?これじゃないよね?」と私が言うと、すると分かってんじゃねぇかみたいな口ぶりで「ご明察!正解です。これが証拠です」
そして私が謝らないのに業を煮やした彼は携帯の画面を格さんかのようにこちらにズイズイと向けてきやがりました。
私は頭が爆発しそうになりました。一旦深呼吸して続けます。
「あー、えっと、これって私が1月から5月まで書いてて6月から12月は書くのメンドイから”・・・”にしてたやつだよね?もちろん口頭では12月までと言ったし、あなたのノートにも12月までのシュミレーションという文字をメモしてもらって確認までしてるし、ミーティング後に送ったメールにもこういうことを危惧してホワイトボードは5月までだけど作成するのは12月までとわざわざ書いたよね?さらに言うとあなたの返信も”1月から12月までの作成の件、承知しました”と返信あったけど、まさかね?」
するとやや焦った感じで「え?いや?はい?ちょっと確認します」と言い普段は見せない速度で自席へ。そして5分後・・・。
「ノートにメモしてありました。メールにもありました…」
疲れる。あそこまでやって数値や内容にズレとかではなく大いなる勘違いで未完とは。
しかもただ間違うならまだ可愛げもありますが証拠があるだの控えおろうだのいちいち反抗的なのもメンドイ。
これだけ聴くと「非を認めるだけマシ」とか「その人に合った仕事があるのでは?」とか「仕事の振り方が悪いのでは?」等と思う方がいるかも知れません。もちろん私にも課題は多くあります。しかし、あの手この手を試し済ですしミスの内容や頻度が半端ではないのです。そしてまぁまぁの高給・・・。
更に言うと私は「修正して来てください」とだけ言いましたが、これがフィードバックをしようものなら逆ギレしてくるのです。毎回この有様でいい加減疲れたので必要最小限のコミュニケーションに留めて会話を止めたのでした。
全社の施策で所属部署毎の業務毎にレベルと定義を作り自己と他己で個人を評価するという催し物があった時です。評価は5点満点、私の部署での他己評価の最高点は4.8点、彼は1点にも満たない0.3点でした。
これは多くの項目で「大変悪い」や「全く当てはまらない」などの著しい低評価を全員がつけないと起こらないことです。0.3点も勤怠関連の項目で加点されていただけで他の項目は全て減点でした。評価に参加したメンバーは真面目で優しく普段は一切の不満を言わずに彼のフォローをしている面々です。意識もモチベーションも高く弱音を聴いたことはありますが愚痴や人の悪口などは聴いたことがありません。
そんな真面目で優しく気遣いができるメンバーの全員が数値だけ見るとイジメ?と思うような低評価を揃ってつけていたのです。それは日頃どれだけ彼が酷いかを表していました。
なお自己評価の最高点は4.7で彼でした…
しかも提出時に「こういうのって他己評価より自己評価が高いと恥ずかしいんで少し遠慮しちゃいました」と言いながら持って来ておいて・・・です。
■おわりに
自己評価がなぜか鬼のように高く、あらゆるミスや漏れ、遅延に対しても全く自分に非がないスタンスで反省も努力も皆無。
さらに人には厳しく、なぜか的確な指摘を強めにするというオプション付きでした。
例えば雑談レベルで「◯◯さんどう思います?」と聴くと「彼には正確な数字で物事を見るという能力が欠如していますね。だから仕事の精度が低くて信用できません」
いや、お前は1つの数字も見てないけどね?と思いましたが最も足りないと思う箇所には同意できたしその時の主旨とはズレるのでスルー。
他には「彼は優先順位が付けられない、だから毎回期限に遅れるし改善もない。早めの改善が望ましい。ヤレヤレですね」
いやマジか!!お前は余裕で毎回1週間や2週間も期限に遅れた上に内容も腐っているのによく言えるね!?と思いましたが最も足りない箇所には同意できたし、この時の目的は彼ではないのでスルー。
また別の日は「彼にはビジョンがない。だから仕事をやり切るということができない。このままでは変わらないでしょうね。困ったものです」
ビジョン!???となり、これには突っ込みました。「うん?ビジョン?あなたにはあるの?」と。
すると腰に手をあててウルトラマンかのような威風堂々たる姿勢と表情でこう返されました。
「ありませんっ(キリっ)」
私はブハッとなりつつ潔いいなと少し感心してしまい彼から離れました。勉強になるなと。
ちなみにミスやトラブルがあった際の「経緯報告書」について私の作成数は”優秀で頑張り屋さんなチームメンバー”に恵まれ管理職としては極少なく10もありません。しかし、その内少なくとも9は彼が作成の理由でした。
そんな彼は今も居眠りを日課にしつつ、今日も置物のように自席で佇んでいることと思います。