『追放されるたびにスキルを手に入れた俺が、100の異世界で2周目無双』の最新"3巻"が2024年8月27日に発売されました。
1巻しか発売してない時はレビュー評価も3点程でしたが、今見ると1巻が4.5点、2巻が4.7点、3巻はまだレビュー数が少ないですが驚異の5.0点で満点となっています。
一部の人には全く刺さってないようで1点や2点をつけている人もいますね。
しかし私的には次巻が待ち遠しい漫画にランクインしており胸熱しまくる超絶お気に入りの作品です。
本記事はそんな本作のご紹介と最新3巻の感想です。
例によってネタバレありですので苦手な方はご注意をお願いいたします。
■『追放されるたびにスキルを手に入れた俺が、100の異世界で2周目無双』とは?
平和な世界で雑傭兵として暮らしていた主人公のエドはある日突然、真っ白な本、テーブル、1枚の扉しかない場所に転移します。
そして真っ白な本を見ると【勇者パーティの一員となり6か月パーティメンバーとして過ごすか信頼関係を築いた上で追放される】ことによりクリアとなるという特殊なルールが書かれていました。
条件を満たして異世界をクリアする度にスキルを手にすることができるため後半の異世界ではチート級の強さになっていました。
「勇者パーティに入る → 多少活躍して信頼を得る一定期間をパーティで過ごしたらポンコツを演じる → 追放を突きつけられる → クリアのアナウンスが頭の中で流れてガッツポーズ → 裏で勇者パーティが順調に魔王を倒すために準備して上げてたあげていた地図や指南書を配る → パーティの皆がお詫びの上でやっぱり辞めないでという → 断ってダッシュで逃げる」のループで100の世界を100年かけてクリアします。
どの異世界でも魔王討伐を真面目に目指している勇者パーティらしいメンバーばかりで、しっかり人を救うし研鑽するし追放も理由があっての事でしかしませんでした。
やっとの思いで100こ目の異世界をクリアしたエド。元の世界に戻れるかと思いきや戻れません。なぜだ?となっている所に「一度行ったことのある異世界にもう1度行ける扉」と「もう1度出会う前からやり直すことができるスキル」が現れます。
100もの異世界をクリアし100ものスキルを手に入れて見た目は常に若いまま、多くの勇者や仲間達を思い出します。
しかし一番印象深いのは最初の勇者パーティでした。
最初の異世界で出会った勇者やパーティメンバーには思い入れがあったのです。
スキルが1つしかない状態だったため懇願して泣き落としでメンバーに入れてもらったエド。やれることがないため雑用を率先してこなしていました。
戦力にはならないけど雑用でフォローしてくれるエド、最初の勇者パーティは仲間として扱ってくれていました。
王太子で勇者という重圧の中で勇者らしい勇者であろうとするアクレシス
力持ちで頼りになる兄貴肌でモンクのゴンゾ
美しく天真爛漫で何かとエドに世話をやく精霊術使いティア
エドは「あの3人なら見事に魔王を倒して平和な世の中を築いているはず。その平和な世界をちょっと見に行ってみるか?」というノリで自分がいた時から10年経っている最初の異世界を再び訪れます。
しかし様子がおかしいことに気づきました。焦るエド。かつて栄えていた場所は廃墟と化しており、物拾いの男性に聴くと勇者パーティは魔王軍に負けて今の世は魔王軍に支配されていると知ります。
エドは自分のせいか?と思い頭の中がグルグルと回ります。
勇者達が敗北して死んだということが信じられないエドは手に入れた100のスキルの内の1つでパーティメンバーの消息を探りました。
すると勇者アレクシスとゴンゾの反応が同じ場所に。それは同じ場所で戦い同じ場所で最後を迎えたことを示していました。
しかしもう1人のメンバーであるティアの反応がありません。
ティアは生きていました。急いでティアの元に向かいます。チート級に強くなったエドは道中の魔物を蹴散らしながら。
ティアと再会したエド。
アレクシスとゴンゾはティアを逃がすために足止めをして亡くなったと知ります。
勇者は1人しかいないため危機に陥った時はアレクシスを生かすつもりでした。
しかし土壇場で勇者らしいアレクシスはティアを逃がす選択をしたのです。
ティアは失意の絶頂の中で状況を王に報告にいきます。
魔王軍に全人類の希望を断たれ息子まで失った王はティアを責めたい気持ちをおさえて人々の怒りがティアに向かうとよくないのでどこかで隠棲するように泣きながら言います。王はともかく他の人は内心ティアを責めました。ティアはそれを感じながら誰よりも自分を責めていました。
そんな絶望の淵に立ったまま10年1人で隠れて生きていたのです。
そこにエドがやって来ました。明るく振舞うティア。
実はアレクシス達のパーティはエドが使えないから追放したのではなくエドを守るために芝居をうって追放したのでした。戦いがどんどん激化する中でこの先はエドを守り切れないかもしれないと考えたのです。
自分が抜けたあとに入った人物の裏切りで罠にかけられて負けたことを知ったエド。エドは憤りますが今更どうしようもありません。
そんな時にティアの元にやってきたレッサードラゴン、ティアはもう誰も死なせないと言い術を放って倒したあと自分も倒れてしまいます。ティアは寿命を削って精霊術を使っていたのでした。ティアは知りませんでした。エドがティア達と別れたあとに99年、99の異世界で99のスキルを手に入れていることを。
エドは俺に任せろと言って魔物の群れを瞬殺します。
強くなったエドを見てティアが願ったのはアレクシスとゴンゾが眠る最後の戦場に行くことでした。そこは魔王軍の本拠地に近く強くないと行けない場所だったのです。
亡骸すら回収できていない2人のためにもティアはそこに行きたいと願うのでした。
寿命が尽きかけて立つことも出来ないティアをエドはオンブして2人が眠る戦場に向かいます。
そして辿り着いた2人。
ティアはアレクシスとゴンゾに語りかけます。エドが連れてきてくれたこと、エドが凄く強くなっていること。
魔王を倒したら、平和な世界になったらと2人で語りながら思いを馳せます。そして他愛もない話をしますが口数が減って来たティアに不安を覚えてエドは不安な表情をしながらも明るく続けざまに話しかけます。
しかしティアの手が地面に落ちてしまいました。それに気づいて話すのを止めるエド、ティアは頭をエドに寄せて微笑みながら亡くなってしまいます。
エドはアレクシスとゴンゾを死なせ、ティアまで死なせてしまったことを後悔します。
そして考えます。
100の異世界をクリアして手に入れた最後のスキル、もう1度出会う前からやり直すことができるスキル「たったの一度の請求権(アンリミテッド)」のことを。
そして2周目に突入する決意をしたのでした。
2周目では既に強い上、さまざまな情報を知っているのでパーティにもすんなり入れます。しかしティアを見た瞬間、涙を流してしまいました。
焦るティアでしたがティアも何かを感じているようです。
エルフは寿命が長いことに加えて別の世界線で強い感情が芽生えた出来事が魂に焼き付き、他の世界線でも記憶として出てくるのでした。
2回目のアレクシス達の冒険、魔王軍のスパイとして入り込んで来る男も先回りして排除しました。
2度と皆を死なせないと誓い、エドは奮闘していくのでした。
■最新3巻の感想
結論からいうとちょっと消化不良でした。
しかも途中で「あれ?終わる?」とまで思い1度あとがき付近まで飛んだくらいです。
もっと心理描写やエドの葛藤や3人が知らない所での奮闘を描いてくれればより感情移入できて胸熱祭りだったと思います。心なしか展開が早く感じて「あれ?打ち切り?終わるの?」という不安がよぎったのです。
実際には終わらないし続くのですが展開がスピードアップしたように感じて焦りました。
3巻で最も良かったのは聖剣を抜く過程でエドを追放した世界線の情景をみたアレクシスの心情シーンでした。ここは「おぉ!熱い!」となりました。
しかし、その後が思ったより続かないまま次のフェーズに移動してしまったので残念でした。
また夜にゴンゾにだけ何かを伝える場面もあり、アレクシスも聴き耳を立てているという場面があります。ここで「実は2周目」という話をするのか?と期待しましたがそれもなく…。
個人的にこの手のタイムリープや2周目系は全てを知っていて2度と同じようにはしないと孤軍奮闘&前回より強くなった主人公が気づかれないように周りをフォローしながらの葛藤や苦労、そしてそれに気づいた仲間、もしくは知った仲間とのコミュニケーションが最も見たいところなのでどうしても消化不良です。
その意味では「東京卍リベンジャーズ」でタケミチとマイキーが分かり合えたのは良かったですし、「俺だけレベルアップな件」で主人公が孤高すぎたのは残念でした。(その方が良いという人も大勢いますが)
本作はこの後どうなっていくのか?
引き続き次巻が楽しみな作品です。
■おわりに
楽しめましたが個人的には前述の通り消化不良でした。
ここまでを巻ごとで評価すると、1巻が4.5点、2巻が5点(ティアとのやりとりはやばかった)、3巻は3.5点という感じですかね。
とはいえもちろん4巻も即買いですし、引き続き次巻が待ち遠しい漫画にランクインはし続けます。
もし興味を持ってくださった方がいたら読んでみてもらえると嬉しいです。