Tairablog

漫画、本、歴史、映画、仕事、日記

採用面接前にコレだけは”最低限準備”して欲しいと思うこと

私が勤める会社の採用プロセスは書類選考→1次面接→社長面接です。
1次面接でOKとなった場合は、よほどふざけない限り採用となります。

 

先日、数か月ぶりに採用面接の面接官を担当しました。
ここ10年でおよそ100人は面接をしたと思います。

 

採用としたのは5名のみ。1名は辞退、4名は無事に勤務開始となりました。

募集している職種は、主に従業員の育成、事務作業、外部との折衝が必要なものです。
学歴は高卒以上であれば問いません。

 

そんな中で先日面接に来た応募者の方が、久しぶりのファンタジスタだったので最低限コレだけは事前準備をしておきましょうよ!というものについて書きたいと思います。

 

私は専門の人事ではありませんので、当たり前のことをやっている方が見ても鼻で笑うような内容です。


書類の書き方、面接時の受け答え、スキルの話ではなく誰でも出来る事前準備についてのみですので。


しかし、前述の100人の応募者の中で出来ていたのは30%弱でした。

・何かの事情で面接は初めてという方
・なぜか面接で落とされる方
・何を準備すればよいか全く分からない方
上記が当てはまる方は参考にして頂けると幸いです。


応募者保護の観点で多少のフェイクは入れますが、誇張は一切なしです。

 

■先日、応募に来た方
40代、有名大学卒、現在は管理職という妻子持ちの男性。
見た目はスーツ、ボタンダウンのシャツ、ネクタイ、清潔感がある髪型でした。シャツ以外は100点でした。


むしろ私などより断然よかったです・・・。

 

しかし、全く質問に回答できない上に昇給、昇格、リモート勤務についての質問が多めという方でした。にも関わらず希望年収は現職+100万(なんで?)

 

質問に回答できないという部分には程度の差があると思いますが、私の会社と私は採用のハードルを下げています。
驚愕のレベルで回答が出来なかったのです。

 

例えば、私の会社が和食を提供するレストランだとします。料理人を募集しています。
応募者の職務経歴書では社会人になってからずっと料理人をしてきており、和食も得意で即戦力として御社に貢献したいと意気込んでいます。

 

そこで「和食の中で○○様が最も得意とする料理は何でしょうか?」と質問したとします。
それに対する回答が「和食は殆ど作ったことがありません。料理以外で貢献したいです」

 

は!??????となりますね。はい、なりました。

 

そこで「職務経歴書に和食も得意と記載があり、料理人で貢献したいとのことだったと思ったのですが・・・違いますか?」と聴くと「あ!はい。まぁでも最近はそうでもないことが多いので、他でも貢献したいという意味です」

 

いや意味がわからん・・・。なぜそれでイケると思ったの!?

 

こういう方が実際にそれなりの数いるのです。嘘みたいな話ですが。

久しぶりに酷かったので、本記事を書くモチベーションを与えてくれました。

 

ぜひ誇張せず、嘘をつかず、仕事を頑張って奥様とお子様を幸せにしてあげてほしいと思っています。他の会社で。

 

 

■応募時の書類について
職務経歴書や履歴書の書き方はネット上にお手本が溢れていますし、昨今はエージェントさんが丁寧に赤ペン先生してくれます。


しかし意外と出来ていないことが1つ、また最低限の事としてお伝えしたいことが1つの合計2つ言わせてください。

職務経歴書を書く際に必ず入れてほしい要素
職種にもよりますが、何かしらの成果を記載する場合は、
・採用側の募集内容にあった成果を
・具体的な手法を記載して
ビフォーアフター込みで
・数値まで記載する
これがない方が結構います。


募集内容に合っていない、ビフォーがないので良いのか悪いのか分からない、数値がないので全く分からないなど。

 

②写真は綺麗に撮りましょう
もちろんルックスの話ではないです。

実際にあった事として、
・めちゃくちゃアップ
・バッグパックを背負ったまま
・ショルダーバッグをかけたまま
・とんでもなくボサボサの髪
・写りが悪い、変な顔になっている
・立った上にポージングしている

写真は撮り直しができますし、職務経歴書へのスキルの記載などより全然簡単だと思います。


自分を最上級に清潔にみせるように撮って、うまくいかなければ撮りなおせばよいのですから。

 

もちろん行き過ぎた加工などは不可です。会った時に誰?となりますので。
サイズについても証明書サイズなどをネットで調べればすぐ分かると思います。

 

なぜかこんな簡単なことが出来ていない方が一定いらっしゃいます・・・。

上記に記載の「写りが悪い、変な顔になっている」ですが、これは本当に酷かったです。


撮った瞬間にクシャミでもしたくなったのか、猪木みたいな顔になっていました。
「嘘だろ?そんなわけない?履歴書の写真でこんなふざけた写真貼るわけない」と思い、書類上のスキルは問題なかったので会いました。すると写真とは似ても似つかない普通の女性でした。

 

ちょっとムカつきました・・・。じゃあこの写真はなんなん?と。

 


■面接時の服装について
シャツはボタンダウンではなく白のレギュラーカラーが良いです。
セミワイド、ワイドでも良いですが、出来れば最もフォーマルなレギュラーで。
もちろんネクタイはした方がよいですね。

 

スーツは紺系が無難、黒はNGです。


シューズはストレートチップ、色はスーツ次第ですが黒が良いと思います。

シルバーのアナログ時計を身に着けていればなおよいです。まぁWEB面接なら気にしないでよいですが。

 

ちなみに私が現職の1次面接を受けた際はWEB面接だったのですが、
上半身はスーツのジャケット、ベスト、白シャツ、ネクタイ、タイピン、カフス、腕時計でしたが下半身は家着のハーフパンツでした・・・。

 

バッグはブリーフケースで自立するもの。年齢にもよりますが、30代以降ならレザー系がよいと思います。レザーは高いし思いという場合はフェイクレザーでもよいです。まじまじと近くで見ませんし。


ZOZOTOWNAmazon楽天で高見えの安いバッグは多数あるので普段はバッグパックという方も1つはブリーフケースを持っておいた方がよいかと思います。

 

上記の通り服装について書きましたが、昨今は自由な社風で服装を気にしないという企業が多くなっています。実は私が勤める会社も普段は服装自由です。

 

ただし採用面接は初めて直接会う場であり、最上級に清潔感があるように見せた方がよいです。


シャツやシューズ、ネクタイやバッグはユニクロ等で安価なものもありますので1つは持っておいてもよいと思います。
物にこだわりがなければ、スーツ以外を全て揃えるのに15,000円もあればイケると思います。

 

ロン毛、金髪、髭、デニム、ハーフパンツ、スニーカー、サンダルなど挑戦的な服装をする場合、多くの会社であまりよく思わない人が一定います。

 

そういう人を黙らせるスキルがあれば好きにすればよいですが、そこまでじゃない場合は傾くのではなく、普通がベストです。


見た目ではなく仕事で目立ちたいですね。

 


■見た目の重要性
面接時の服装について記載しましたが、ここで見た目について少し掘り下げます。

 

若い時はもちろん、40代になった今もスーツを着ていないと私は軽んじられることがまぁまぁあります。


普段は私服なのでほとんどの場合は軽んじられて生きています。

 

具体的には私の組織に属する社員と複数人でお客様の相手をした場合に、話すまで一緒にいる人の部下だと思われる。
名刺交換や挨拶が私ではない人を優先する動きをされる。

 

これは私の見た目がいけてないからです。顔面の話ではなく髪型や服装や姿勢です。

 

酷いものになると大口の取引をしていた人材派遣会社の担当の若者に「ちょっと責任者の○○さん呼んできて」と言われたこともあります・・・。

 

人に服装をちゃんとするように言いながら自分はこんなんで申し訳ないです。
しかし身をもって見た目の重要性を理解していおります。


逆に見た目で物凄く得をしていた方の話をします。


年齢は50歳前後、身長は170㎝ちょい、武道経験があり程よくガッチリしていて姿勢が良い、髪型は清潔感がある黒髪短髪、腕時計は老舗高級ブランドの超一級品、ノートはレザーカバー付き、ボールペンも高級品、バッグはレザーのダレスバッグ、スーツは濃紺多めという方でした。

 

容姿と姿勢から威厳があり、本人もそのことを物凄く意識していました。魅せ方が重要であると。

 

この方、実は入社時は私の上司でした。
威厳のある口ぶりで面倒見がよく、見た目はめちゃくちゃ頼りになる感じなので実作業は私が全てして経営への報告だけお願いしていたのです。というか私がやっておくと言われていました。

 

しかし、状況が変わります。

 

入社から半年ほど経った時期にあるトラブルで、その方も実作業をすることになったのです。


これが本当に酷かった。驚くほど仕事が出来なかったのです。もう本当に驚くほど。
2週間くらいでしびれを切らした私が「ちょ、もう何もしないでいいんで、黙っておいてもらえます?」と伝えました。

 

そして組織変更でその方は別部署に。みるみるうちにメッキが剥がれていきました。

私が代わりにやっていた実作業も全て自分の手柄として報告を上げていたことも発覚しました。


どこか憎めない&私の場合は一時期上司だったので、ちょいちょいフォローしていてギリギリ生き延びている状況でした。

 

しかし入社から4、5年経った時期に決定的な重大ミスを2回起こし、降格減給となったことをきっかけに転職していきました。


私がいる会社を辞めて少しして調べてみると、競合他社の管理職になっていました。
私がいる会社でコレだけの成果を上げていた、あの会社の成果は私の力というようなことを言って入社したのだと思います。


しばらく経って再度調べると転職していましたので。

 

見た目を武器に良い感じで入社して、3年ほど粘り、バレたら転職するを繰り返しているようでした。

 

ここまで仕事ができない人は珍しいので、ほとんどの場合は見た目の部分でこの方の真似をすれば、それだけでうまくいく可能性があります。見た目は大事です。

 

このような事をめちゃくちゃ上手くた表現した採用関連のCMが数年前にありました。


①見た目がキリとして話す言葉も難しく一見はハイパフォーマーですがナレーションで「彼はこう見えて全く仕事ができない」と言われる人


②逆に落ち着きがなく、頭や顔をポリポリ書きながらヘラヘラしている一見はドがつくローパフォーマーですが「彼はこう見えてめちゃくちゃ仕事ができる」と言われる人

 

「見た目で見抜くのは難しいから私たちに任せてください」という結論のCMです。


同CMが掲載されたYouTubeのコメント欄には共感が溢れており、「いるいるこういう奴」というコメントが多くありました。

 

 

■面接前にコレだけは事前に準備しておいてほしいこと
①応募先企業のホームページをみる
驚くべきことに自分が入ろうとしている会社のホームページすら見て来ない応募者が一定存在します。冒頭に記載したように100人中でホームページを見てきた方は30人もいませんでした。

熟読はしなくてもよいですが、ホームページをみて次のことくらいは確認してほしいですね。
・ビジョン、ミッション
・最新のニュースリリース
・社長とNo3くらいまでの名前
・本社の場所、支店の数など(多い場合はだいたいで)
・いま会社がやろうとしていること
・カンパニーカラー


②応募先企業の業界情報を調べておく
現職や前職が同じ業界ならさほど必要ないですが、異なる場合は業界地図や業界誌を確認しておくべきです。
応募しておいて応募先の業界に疎いとやる気ある?と思われてしまうので。


③社長や経営層の名前を調べて著書があれば読んでおく
必須ではないですが著書があれば存在くらいは知っておいて方がよいです

 

 

■過去に出会ったファンタジスタたち

直近の10年で私が面接を担当した中で、嘘みたい応募者さんがいました。3つご紹介します・・・。


①先輩の会社に入りたい20代後半の男性
テンプレ質問の志望動機を聴いた時にそれは起きました。


応募者さん「こんなこと言うべきじゃないかもしれませんが・・・。昔から世話になっている憧れの先輩がいるんですけど、その人が会社を作ったんです。それでその会社に入って憧れの先輩と一緒に働きたいと思ったんですが、先輩に話したら未経験だしパソコンも全く使えない奴は採用できないと言われてしまいました。それでどっかに1度就職して経験積んだら先輩の会社に入れてもらおうと思っているです。」

 

”こんなこと言うべきじゃないかもしれませんが”という前置きが全てを解決すると思うなよ!と心の中で叫びました。


噓でしょ!?まじか!?と。

 

私「えっと・・・。それはこれまで受けた企業さんにも言ってますか?」

 

応募者さん「はい、自分嘘は嫌いなんで。なぜか採用されなくて」

 

あったり前じゃーーーーーい!と心の中で叫びました。

 

”志望動機は他のに変えた方がよいですよ”というアドバイスをしておきました。

 

②オシャレに意識がいきすぎた30代前半の男性
履歴の写真とまったく違うホスト風の髪型で1分ほど面接時間に遅れて颯爽と現れた応募者さん。
手にはオシャレなクラッチバッグが見えました。
面接中もたびたび手鏡で髪型を気にする応募者さん。

60分という面接時間が物凄く長く感じたのを覚えています。

 

③エチケットの意識が高い30代後半の男性
面接は可もなく不可もなく決め手にかきながら進んでいました。


私ともう1人の面接官と話しながら応募者さんがテーブルの下でガサゴソと。


その時です。

 

まったく自然に、なんの違和感もなくガムを口に運んでくっちゃくっちゃと嚙み始めたのです。(たぶん緑のクロレッツ)

 

状況が飲み込めず、思わず隣を見る私。もう1人の面接官も同じだったようで顔を見合わせる感じになりました。

 

終盤に追加のガムを口に運んだ応募者さん。


慣れって怖いですね。2回目は驚きませんでした。

 


■おわりに
多様性が凄いなと感じる昨今。


面接に至ってはいないですが、「日本語は話せませんが優秀です」という応募者さんをエージェントさんが紹介して来て、「どうやってコミュニケーションをとれば?」と聴くと、「通訳を雇うか私たちがその方の母国語を学ぶかして欲しい」と言われたことも。


それ以降そのエージェントさんがブロックしましたが・・・。


久しぶりの面接で思う所があったので本記事を書こうと思いました。


最初が肝心なので、
①面接時の服装は清潔感と普通を重視する
②応募先のホームページは見ておく
③写真はベストなものを履歴書に貼る

最低限この3つは準備して欲しいと思います。

 

何か1つでも少しでも誰かの参考になれば幸いです。