Tairablog

漫画、本、歴史、映画、仕事、日記

映画化もされた『ザ・ファブル』は殺さない殺し屋が普通を目指す成長ストーリー

もらって嬉しいのはサンマです。

以前のブログで『ザ・ファブル』について書いた際は、まだ二部が始まっておらず映画にもなっていませんでした。早く二部が始まれ~と思いながら記事を書いていたように思います。今は超有名漫画になっていますが、知らない方もいると思うので念のため概要も。
ちなみに過去記事のブログタイトルが本記事のタイトルなのですが、映画のポスターのキャッチコピーが殺さない殺し屋だったので私が真似した感じになってしまいました。真似ではないです。。。

「ナニワトモアレ」と「なにわ友あれ」でリアルな青春アウトロー漫画を描かれた南勝久先生の作品です。人気と実力を兼ね備えた人気俳優さんにて映画化もされたので漫画を知らなかった方にも広まった作品だと思います。私の場合「なにわ友あれ」で面白い漫画を描く方というイメージを持っていた為、ヤングマガジンの第1話からみていました。
前作とは異なり、こちらの作品は殺し屋が主人なために私自身の体験とは全く似通った部分はないですが作者さんが臨場感や緊張感を持たせるのが非常に上手いため、めちゃくちゃ面白い傑作となっています。

過去作と同じく、たまに登場するサブキャラが良い味を出したり、シリアスかと思いきやギャグが素晴らしかったり等々と見どころ満載です。

同じアウトロー系とは言え、前作とはガラッと内容が変わっており振れ幅すごいなぁと思います。

そしてめちゃくちゃ面白い←重要


ちなみに漫画の種類的に暴力的なこと、エログロも多少はあるため苦手な方は閲覧注意でございます。

 
■『ザ・ファブル』と『ザ・ファブル The second contact』
第一部は『ザ・ファブル』は22巻で完結、第二部『ザ・ファブル The second contact』は9巻で完結でしています。

第二部は2020年夏から連載予定となっていましたが、2020年8月24日週のヤングマガジンの最新号39でも開始されていませんでした。コロナで大変だったことなどが影響したのでしょう。第二部が始まってからは本作のためだけにヤングマガジンを購入していました。
超オススメの超面白い漫画ですが、第二部は20巻くらい書いて欲しかったなぁと。終盤は駆け足過ぎた印象です。まぁそれでもオススメ漫画には違いありません。

殺しの天才として任務をこなしていた主人公のアキラは、1年の間、普通の人間として普通に暮らすようにボスから指示をされます。遠く離れた関西で妹設定の相棒であるヨウコと暮らすことになりますが、とにかく殺し屋としては天才でも一般常識はありません。普通の生活をするにあたってはボスから誰も殺すな、揉めるなと言われてしまいます。ところがこれが難しい。しかし根が真面目で素直なので一生懸命頑張り、少しずつ周囲に認められていきます。普通の生活を送る中で知り合いのピンチ、降りかかる火の粉へは持ち前のスーパー殺人テクニックを使って殺さずに解決していきます。良いおやじの代表であるバイト先の社長たこちゃん、アキラを尊敬してやまない狂信者クロちゃん、ヤバいサイコパス山岡、たまに出てくる河合、良いタイミングで現れる孤高の殺し屋すずき等々、前作以上に魅力的なキャラが満載の超絶オススメ作品です。


■『ザ・ファブル』オススメの回
ザ・ファブル』はオススメの回は多すぎて、すべて記載するとエンドレスなので本当に厳選しまくって載せます。
特に18巻は最初から最後まで神回でした。

 

・オススメの回①
2巻の第15話「元レスラー」です。
ファブルとしてのアキラを信用できないため追い出したい若頭がアキラと極悪非道の元レスラーを戦わせます。結果はお察し・・・。
というか若頭38歳?見えん。
ちなみに同時進行の別話ではヨーコがドランククイーンとしての本性を見せます。

 

・オススメの回②
3巻の28話「ハングリーな男♡」です。
クロちゃん回です。
2巻の第15話でアキラが凄腕の殺し屋と知って以来、憧れが止まらないクロちゃん。
悶々する中で偶然スナックで居合わせました。ここでのアピールが面白過ぎる神回です。

 

・オススメの回③
6巻の61話「シロートとプロ♪」です。
6巻はヒロインのミサキがピンチとなりアキラが大活躍するので全回おすすめです。
映画版第一作目はこの付近のストーリーですね。
殺し屋界ではそれなりに名の知れた2人を全く意に介さず目的を果たすアキラが物凄いです。

 

・オススメの回④
7巻の第81話「断髪の男・・・・。」です
山籠もりしたアキラと弟子入り志願のクロちゃん。食料調達に髪が必要とアキラに散髪されますが、前髪ぱっつんのヒドイ髪型になってしまいます。
ちなみに同時進行でヨーコが第二の被害者である河合くんを弄びます(笑)

 

・オススメの回⑤
8巻の第88話「ウツボレイ・・・・。」です。
これについては回がオススメというより、この回から盛り上がって行くことと、本当の悪人は善人の振りをしているみたいな所が余計に不気味で恐怖心を煽っているので選びました。映画版第二作目はこの付近のストーリーですね。

 

・オススメの回⑥
11巻の第108話「しくじりの男・・・・。」です。
THEダメ人間の貝沼くんも潮時のようです。逆ギレに逆ギレを重ねて、遂には自分の危機はミサキのせいであるとパソコンに向かうミサキに襲いかかります。
モニターに映った貝沼くんと殺気を感じてアキラが対処しますが・・・。

 

・オススメの回⑦
11巻の第112話「教わる男・・・・。」です。
ヨーコ姉さんの魅力が爆発する回です。この回が好きな読者は多いと思います。
土足&拳銃を持った知らない男がいきなり家に入ってきたのに普通に会話するって明らかに一般人ではないよねと。

 

・オススメの回⑧
12巻の第122話「ドア前の男・・・・。」です。

ちなみに120話と123話ではクロちゃんのアキラ愛がさく裂しています。
また124話のクロちゃんの台詞「あ~!!もう~!!兄さーん!!!」はめちゃくちゃ吹きました。

 

・オススメの回⑨
13巻の第133話「消える男・・・・。」です。
鈴木が現役のプロとして、ツトムを追い込みます。
この鈴木(本名ではない)は今後もちょいちょい登場します。アキラ達と違い現役のプロなので呼吸するように仕事をこなして何事もなかったように振舞います。
THEバリバリでグイグイなヤクザである砂川にですら「二人〇した後カメラに〇〇するヤツと信頼関係を築く自信はない」と言わせています。
また鈴木自身が最上級の仕事人であるがゆえにアキラの凄まじさを理解しており、クロちゃんに対してアキラを目指すのは止めておけ、あれは特別でオリンピックなら金メダルという表現で諭しています。

 

・オススメの回⑩
14巻の141話「好奇心の男・・・。」です。
組織の異常性が分かる見応えがある回ですが、サイコ山岡が登場する回でもあり、ここから第一部はクライマックスに向けてどんどん加速していきます。

 

・オススメの回⑪
14巻の146話「兄VS妹、其の一・・・・。」~148話「兄VS妹、其の三・・・・。」です。
ヨーコとクロちゃんがアキラと乱取りをします。VS鈴木で凄まじい格闘術を見せたヨーコ、現役バリバリのヤクザで普通の中では上位の強さであろうクロちゃんがどのくらい通用するのか?1発くらいは入れられるのか・・・?

 

・オススメの回⑩
15巻の第156話「トラウマの男・・・・。」です。
マツと山岡の回想シーンがありますが、山岡の異常性と強さが改めて分かる回です。立っており、いつもで武器をとれるマツに対して寝転がって目線も合わせず話しかける過去の山岡、圧倒的なスキルとなんとも言えない無表情の「目」が恐怖を煽ります。
あとこの回はヨーコ姉さんの入浴シーンがあります。

 

・オススメの回⑪
16巻の第168話「カチコミの男・・・・。」です。
山岡の部下であるユーカリが一人でヤクザのたまり場に特攻します。山岡一派の異常性と攻撃力が分かる回です。
水野の「オウコラッ!!正気かいワレ!?」に対して、ユーカリが「もう少し考えて言葉選べよ~」は超シリアスな場面なのに吹きました。

ちなみに16巻では河合くんが二度目の悲劇に合います。しかもリモートで。。。

 

・オススメの回⑫
17巻の第176話「その日の男・・・・。」です。
地下格闘技や普段の極悪な行いから悪名を轟かせている2人を山岡がマツを通じて暇つぶしのために雇います。
何も知らない2人はユーカリとスパークリングをしつつ、楽な小遣い稼ぎができると調子に乗りますが・・・・。
山岡の「今日がその日だ」は自業自得とはいえゾクっとしました。

また181話ではサイコ山岡の異常性が分かるシーンがあります。こんな風に軽いノリと当たり前のように写メを見せられたら絶望しかないなと。アザミとユーカリも全く意に介さず通常運転だし。

ちなみに13巻~17巻にかけてはオクトパス回などでアキラが普通の暮らしに馴染み、ミサキとの距離が縮まり、周囲からも急激に信頼を得ていく様が描かれています。
裏では山岡が暗躍しているのに、仕事人ではない普通の人に馴染んでいくというアンバランスさも上手いなと思いました。


・オススメの回⑬
18巻の第189話「新入りの男・・・・。」~195話「最高傑作の男・・・・。」です。
ザ・ファブル』オススメの回の冒頭でも記載しましたが、18巻はとくかく神巻です。
特にP146~152、P177~180はたまりませんでした。
山岡がミサキの携帯からアキラに電話をかけて・・・の部分は鳥肌が立ちましたし何度も読んでいます。

 

・オススメの回⑭
20巻の第216話「お漏らしの男・・・・。」です。
P178の不気味さは半端ないです。
スズムシも多少改心し、打倒山岡に周囲が一丸となったのに・・・と。

なおシリアスなシーンで不謹慎ですが、P172とP183は吹きました。 

 

・オススメの回⑮
21巻の第224話「複雑な男・・・・。」です。
ついに高橋にもアキラ達の正体が伝わります。
この高橋はクロちゃんがいる組織でクロちゃんの後輩にあたるヤクザですが、1巻で手下を使ってアキラをボコったり、ヨーコ姉さんの日常を監視カメラで見たり、ヨーコ姉さんと飲みに行って下心を爆発させていた過去があります。
そんな男がアキラ達の正体を聴くと・・・お察しですね(笑)

 

・オススメの回⑯
22巻の第231話「テントの男・・・・。」です。
一部の最終巻です。いいところで鈴木が登場します。

一部は他にも多くのオススメ回がありますが、キリがないのでこの辺で。

 
■『ザ・ファブル The second contact』オススメの回

こちらもお気に入り回をすべて載せるとエンドレスなので厳選しまくって記載しています。

 

・オススメの回①
1巻の第1話「ありがとうの男・・・・。」です。
待ちに待ったザ・ファブルの第二部開始ですが、タコちゃんの「やっぱり、おまえもかッ!!」と「この顔、腹立つなぁ~」は確かに!と吹きました。

 

・オススメの回②
1巻の第2話「一期一会の男・・・。」です。
なぜかアキラとアザミがレンタルおっちゃんとして働き始めます。
そしてクロちゃんはヨーコと再会して・・・。

 

・オススメの回③
2巻の12話「芸術な男・・・。」です。
合計3回登場する男の1回目です。吹きます。

 

・オススメの回④
2巻の14話「いわし缶の男たち・・・・。」~15話「満塁の男たち・・・・。」です。
ヨーコ姉さんのイタズラで弄ばれる男性陣、オススメのギャグ回です。

 

・オススメの回⑤
2巻の17話「疫病神の男・・・・。」~3巻の18話「レンタルおっちゃんの女・・・・。」です。
この2巻の最後と3巻は単行本しか読んでなかったら待ちきれなかったですね。

 

・オススメの回⑥
3巻の第20話「ルーマーの男・・・・。」です。
真黒組と敵対関係にある組織のボスが、ファブル的な怪しい雰囲気の男と一緒にいます。
ただオススメのシーンはそこではなくP52からです。
アキラに対して狂信的なクロちゃんは、アキラが仕事をこなす所になかなか出くわすことができていません、なので後輩や部下からその時の状況を聴きだすというシーンがちょいちょいあります。
「大変やったな、でも、もう大丈夫」というアキラの台詞を聴いたクロちゃんの反応と、その言葉の高評価を聴いたアザミとユーカリの反応は大爆笑でした。
なお後にアザミとユーカリは有言実行します。

 

・オススメの回⑦
5巻の第45話「わかりやすい男・・・・。」です。
真黒組や新組長である海老原に何かあった際は、その状況に応じていずれかの指示書を見ろという海老原の指示、その指示に従い真黒組は鷹一を代行として動くことになりました。
そして鷹一はファブルの面々と対面し、経緯を聴きます。
しかし超武闘派の鷹一はしっくりきておらず、ヨーコ、アザミ、ユーカリと軽くバトルすることになりました。

 

・オススメの回⑧
6巻の第50話「悪気のない男・・・・。」です。
クロちゃんのピンチにアキラが現れます。ただクロちゃんは毒で意識が朦朧としていてバッチリ見れてないんですよね。
ちなみにこの6巻は後半でファブルではない漫画掲載されています。といってもファブルも1巻分は載っており、この漫画は漫画で読み応えがあるのでご安心を。

 

・オススメの回⑨
7巻の第64話「マスクを取る男・・・・。」です。
なぜかルーマー側についていた鈴木が登場します。
毎回良いところでフッと現れるので印象深いですね。

 

・オススメの回⑩
9巻の第86話「経験する取る男・・・・。」です。
最終回なので目まぐるしく場面が変わります。ユーカリが遂にヨーコ姉さんを〇〇と呼んだり、アキラがルーマーの頭の〇〇に行ったり、そして最後のコマはアザミ→ユーカリも経験したアレをアキラも経験するというコマです(笑)

ちなみに最終話ですが86って走り屋だからですかね?


超面白い漫画ですが、やはり9巻は短い。それが良いという人も多いでしょうが、20巻くらい見たかった。
そしてタコちゃん羨ましい、だってヨーコ姉さんですよ?この漫画の勝者をあえて言うならタコちゃんですね。

前作「なにわ友あれ」の時も臨場感や緊迫感の表現がうまく、漫画を見ながらドキドキしたり嫌なテンションになりました。


しかしファブル二部作は更にパワーアップしていますね。良いところは多々あるのですが、特に気になったのは2つ。
1つ目は台詞がないコマでキャラの表情だけで見せるシーンが増えたことです。
2つ目は伏線回収や心理戦的な部分が要所に散りばめられていて読んでいてテンションが上がることです。

殺し屋の漫画でありながら、ちょいちょいギャグが入っているので暗くなりすぎず絶妙なバランスだと思います。

好きなキャラは圧倒的にクロちゃんですね。
アキラに対する狂信的な崇拝にはたびたび笑わせて頂きました。繰り返し読んだ回もクロちゃんのシーンです。

 

第三部がある雰囲気はないけど、続きがみたい漫画です。
アザミとユーカリのその後みたいなのを外伝でやんないかな?


南勝久先生、次回作も超期待しておりますm(_ _)m