走り屋、ヤンキー、アウトロー系の漫画は数多くありますね。
全て全巻持ってますし何度も読んでますが、私の中のベストは『なにわ友あれ』です。そして『なにわ友あれ』をより楽しむためにも一部的な位置づけである『ナニワトモアレ』も超オススメの傑作です。
ヤンキー系の漫画を描いている方は、少なからず自身がワンパクであったり、周りや親しい友人がワンパクだったということが多いと思いますが、中でもこの作品はそれを強く感じます。
・よく吠えるだけの弱い奴の見せ方
・本当に強い人の振る舞い、大勢に囲まれた時のピリピリした緊張感
・多勢対一人で絶対優位にいる側の調子に乗ったふざけた態度
などなど、どれをとっても実際にそういう場面に立ち会ったり、近しい人に聴いたりしないと表現できないであろうことが多いからです。
大勢に囲まれた嫌な思い出、よく吠えるけど全く弱い先輩、勢いのあるチームの雰囲気など、私自身の経験でも近しいことがあり、どれもリアリティーが物凄くて漫画を読みながらいや~な気持ちになったり、心臓がドキドキしてしまう場面があるほどです。
今回はそんな2つの作品についてご紹介します。
■『ナニワトモアレ』
28巻で完結済。目標もなくダラダラ過ごしていた主人公が、先輩であるヒロの走り屋チームに参加します。初めはなんとなくでしたが車や信頼できる仲間と出会うことで成長しながらのめり込んでいきます。青春走り屋アウトロー漫画です。親友の死、最強の男ゼン、恋敵のナオキ、ケンジとマッツンの名コンビと見どころ満載の超オススメ漫画です。
・オススメの回①
最初の数巻は絵があまり綺麗ではありませんし、色々とゴチャついてますが進むにつれてメキメキ綺麗に読みやすくなります。
そして8巻に超オススメの回があります。第75話「ホンマに間違いないですわ!!」です。この回ではその後も出演するマッツンとケンジ(2回目)が登場します。
どこで情報を仕入れているのか分かりませんが、ゼンちゃんの回です。
地域の車を窃盗しているグループが車を集めている場所を突き止めたゼンちゃんは後輩で主人公のグっさんを引き連れて(喧嘩のフォローではなく運転手として)駐車場に向かいます。当たり前のように欲しい車を堂々と物色していると窃盗グループに見つかってしまいました。しかし2対2の状況でゼンちゃんとグっさんの喧嘩慣れした雰囲気にビビる窃盗グループ、そこへ喧嘩が強くて有名なマッツンと3巻でゼンちゃんにボコられ済のケンジが加勢として現れます。
最初ケンジはゼンちゃんの怖さを知っているのでビビりますが、マッツンの喧嘩の強さも知っており、リベンジのチャンスと反抗することにしました。
ちなみにゼンちゃんはケンジのことを覚えていません(笑)
調子よくラッシュを仕掛けるマッツン、全く効いていないゼンちゃん、一発でぶっ飛び戦意が喪失するマッツン・・・あとは成敗とお説教です。
このゼンちゃんは喧嘩無敗の豪快なキャラで、人間的な範囲の不良漫画の中で一番強いのでは?と思っています。「ろくでなしブルース」の葛西や川島、クローズの坊屋春道や九頭神竜男、ワーストの花木九里虎、東京リベンジャーズのマイキー等々魅力的な強キャラは多くいますが、不良漫画界の喧嘩NO1だと勝手に思っています。
・オススメの回②
次にオススメの回は12巻の第127話「どっちでもええやんけ!!」と13巻第128話の「メキメキメキメキ!!」です。この2話は繋がっていて、127話はめちゃくちゃ熱いところで終わります。「ザ・ファブル」もでしたが、南勝久先生はテンション爆上げの終わらせ方がめちゃくちゃ上手いですね。まぁ売れている漫画はだいたいそうか?
再びゼンちゃんの回です。主人公が所属しているチームの縄張りその他で暴れまわる巨大チームの中でも喧嘩が特に強くて凶暴なゴウとタツオ、とにかく界隈で暴れまわっていました。そこで主人公が所属するチームの頭であるヒロちゃんが同じくチーム所属のゼンちゃんにゴウとタツオの成敗を指示します。
そして遂に対峙、喧嘩に自信があるゴウとタツオは全く引きません。しかし始まってみると・・・あとはお察しです(笑)
・オススメの回③
次にオススメの回は15巻の151話「ベンとケンジとマッツンと♡」です。マッツン再登場です(笑)
この151話はギャグ回ですが、15巻は大抗争へ向けての緊迫した雰囲気など全体的に面白い巻です。ゼンちゃんが一番好きなキャラですが、2番目はマッツンかもしれません(笑)
13巻での出来事などを含めてゴウとタツオは(特にタツオ)ゼンちゃんとチームを的にかけます。次々に狩られていく主人公サイド、その中の一つがゼンちゃんの逆鱗に触れてしまいました。そしてゼンちゃんのゴウとタツオ狩りが始まります。
主人公のグっさんを運転手として界隈をパトロールするゼンちゃんはゴウとタツオのチームステッカーを貼った車とその脇に立つ男3人と女1人を発見します。この3人の男は喧嘩が強く、そうとうに暴れまわっていたので大抗争に向けてゴウとタツオにスカウトされたのでした。ちなみにケンジとマッツンは的にしているチームがゼンちゃんのチームとは知りません。
ゼンちゃんは社内から女性に缶コーヒーをかけました。彼氏であるベンは当然キレます。
「降りてこい、アホンダラ!いてまうぞ!」で降りてきたゼンちゃんを見たケンジとマッツンは・・・(笑)
ケンジとマッツンは必死にベンを止めますが、ベンは聴きません、意気揚々と向かっていきますが・・・(笑)
そしてケンジとマッツンは再び正座させられるのでした。
・オススメの回④
次にオススメの回は22巻の230話「先に言うとくわ!!」から233話の「ろくなもんちゃうど!!」です。
この話は閲覧注意の暗い話となります。主人公の親友の大先輩かつ見た目も中身も走りも喧嘩もカッコイイ憧れのナオキの回です。可愛い後輩の悲劇から走り屋をやめて大人しくしていたナオキが鬼になります。
今回は他のオススメ4つとは異なり繰り返し読んではいないですが、衝撃回なので載せておきます。
過去の弱みから主人公の彼女が悪者に絡まれてしまいます。彼女は主人公に助けを求めようとしますが、喧嘩で名を売りたい主人公は周りが見えていませんでした。
そこで助け&成敗に現れたのがナオキです。ナオキはグッサンの彼女の元カレです。
主人公の彼女に会うためにやってきた悪者、そこへ来たのはナオキで・・・
・オススメの回⑤
一部最後のオススメは27巻の第284話「やっと会えたがな♡」です。
この回もゼンちゃんの回となります。
初代メンバーであるヒロちゃんとゼンちゃんの最後の走りと喧嘩、それを聴きつけたライバルチームが襲ってきました。
中でも喧嘩無敗のゼンちゃんとバトルすべく喧嘩有名な2人が執拗に探しています。そして全身ムキムキ&ゼンちゃんを探していた2人の内の1人を瞬殺した1人がゼンちゃんと対峙し・・・
とにかく繰り返し読んだの巻と回の話しをご紹介しましたが、もちろん他の巻もめちゃくちゃ面白いです。
オススメの回としては紹介していませんが、10巻は衝撃的です。若気の至りの極みというかやんちゃが過ぎると大いにあり得る悲劇が起こります。
ストーリーやキャラも魅力的なのですが、友情や男女の話や揉めた時の雰囲気などが臨場感満載でたまりません。もちろんギャグ回もめちゃくちゃ面白いです。
10代後半から20代前半の尖がっている時ってこういうのあるよねが多々あり惹き込まれる超オススメの漫画です。
■『なにわ友あれ』
31巻で完結済。主人公は一部の終盤で所属チームであるトリーズンの2代目ユウジと揉めて新チームの立ち上げを決意しました。この二部は主人公と新チームであるスパーキーが中心となり進んでいきます。元所属チームであるトリーズンとの確執、チームを有名にするための抗争、新加入のいけいけメンバー、どんどん成長していくチームと個々のキャラ、ザ嫌な奴テツオ、相変わらず最強のゼンちゃんと臨場感、名場面満載の超々オススメ漫画です。
・オススメの回①
2巻の第14話「もう一回念押すぞ!!」から17話「おまえどこまでアホやねん!?」です。
一部と二部の主人公であるグッさんの新チームスパーキーが飛躍するきっかけになった回です。
極悪で評判が悪く自分たちより規模の大きいチームに奇襲をしかけることで名をあげます。グッさんのズル賢さや頭としての覚悟が見てとれる回です。
・オススメの回②
6巻の第59話「どれがベンキでビートやねん!!?」です。
チームに所属という訳ではないですが、とにかく悪行を繰り返していたベンキという人物を追う人達、遂に追い詰めたと思われたベンキは助っ人を雇っており、主人公サイドはピンチでしたが、そこへスパーキー特攻の不仲コンビであるマーボとテツが現れ・・・
ベンキは本当にやばいですね、そしてマンジはかっけー!
当初、グッさんとスパーキーは評判がよく、マンジという出来る頭がいるビートをあえて的にかけていました。そのビートと揉める中でベンキの話を聴きベンキを追うことになったのです。
・オススメの回③
8巻の第85話「1・2・3アウト&4アウト!!!!」です。
イケイケの新メンバーであるカワチンが登場します。いくつかのもめ事を経て、メンバー増員の必要性を感じたグッさんはオーディションを開催します。
そこへ超イケイケのカワチンとオーピンが現れ・・・
この二人はスパーキーの中でも特に喧嘩が強いマーボとハマやんとも張るくらい強く、元々ゴウとタツオのアンペア予備軍所属でタツオ&多数のアンペアにもひかない気合が入った新人です。特にカワチンはイケイケで以降も見せ場があります。
・オススメの回④
13巻の第138話「ぎゅう、ぎり、ガラン、どっ・・・・!!!」です。
武闘派チームのハッシュとの抗争も大詰めとなり、絶対強者のアヤちゃん(殺しの殺ちゃんでアヤちゃんで可愛い子ちゃんではない)とグっさん&サメケン(一部の終盤でゼンちゃんとバトルした強者)が対峙します。
このアヤちゃんは初代トリーズンが喧嘩バリバリの時の集会に一人で乗り込むほどの超実力者です。もちろんその集会にはゼンちゃんもいました。
この回みたいなことが、そのままアウトローになるか普通になるかの境界線だと思います。取り返しのつかない暴力をすることを厭わない、命よりメンツを大事にするなど。
結果としてグッさんを気に入ったアヤちゃんはハッシュを丸ごとスパーキーの傘下にしてしまいます。なぜかグッさんに拒否権はありませんでした(笑)
・オススメの回⑤
14巻の第149話「くっちゃくっちゃ警備隊じゃ♡」です。
パンダ(テツと同居している無職の友達)とカワチンがコンビを組みます。テツの彼女で二部のヒロイン的な立場であるナツが悪者に絡まれました。ナツの先輩でパンダとも親交があり、ナツのことをパンダに相談しました。実はナツに片思いしており、世話にもなりまくっているパンダは激ギレして悪者を成敗します。
この回はヤンキーで居続ける人に的にされると堪らないというのがよく伝わってきます。後先考えないし、昼夜問わず襲ってくるし、暇だから常にウロウロしているし。
鑑別所や少年院、刑務所に入ってもしょうがないと思える人と揉めても勝てません。。。
・オススメの回⑥
16巻の第174話「さほどケンカも強ないけどォ♡」です。
この回は元々主人公とは敵対しながらも仲間に誘われ、スパーキーの参謀的(喧嘩は強くない)な位置にいるサトウの回です。
サトウのいとこが元カレにお金をとられ困っていると相談したことから始まります。サトウは元カレのところに取り立てにいきますが、部屋に入るとガラの悪いのが数人おり・・・
当然、弱そうなサトウは舐められ取り立てができません。そこで梅雨で環状に出れずに暇なスパーキーとハッシュを総動員して追い詰めます。
調子にのった悪者が痛い目を見まくる爽快な回です。
・オススメの回⑦
18巻の第191話「最初は、そう思ってたけどのォ♡」です。
自分のせいでテツとナツが不仲になったと思ったタカ(テツ、パンダと昔から仲がよいアンペアの有望な若手)はテツを行きつけのスナックに誘います。
しかしここはアンペア御用達の店でした。そこへスーパー輩マンのタツオがやってきて・・・。
そして喧嘩の指南をします。テツ自体もめちゃくちゃ強いですが、何度も軽くあしらわれます。ゼンちゃんにやられて忘れてましたが、タツオもバリバリの武闘派でしたね。
・オススメの回⑧
22巻の第231話「謝ったら許してくれるって!」です。
久しぶりにゼンちゃんの回です。ゼンちゃんは大人になっているので、やや消化不良ですが調子に乗った若者にわからせます。
テツの仇敵であるテツオと相方のジョーズ(のちにタカにビビり、テツに瞬殺される)は赤い車の走り屋に絡みます。赤い車の走り屋はヒロちゃんでした。
・オススメの回⑨
27巻の第293話「パシリはツライの、シンドイの~♡」です。
最も印象に残っている回です。突如現れた超武闘派のチームに次々と仲の良いチームや知人を狩られていったグッさんは抗争を決意します。
友好チームを駐車場で待っていたグっさんのところに次々現れる車、揉めている抗争相手のメンバーたちでした。
あっという間に囲まれるグッさん、大人数で調子に乗りはしゃぐ抗争相手と臨場感&緊迫感が半端ないです。
・オススメの回⑩
29巻の第316話「夜釣りのオッサンの唄ァ~♪」です。
超武闘派チームとの抗争で劣勢なスパーキー&ハッシュ、いくつかの小競り合いの中でヒロちゃん、ゼンちゃんと親交があり引退して真面目に働ているナオキが元プラウドで有名人ということで襲われてしまいました。
ハッシュが抗争相手と乱闘している所へ現れたのはヒロちゃんとゼンちゃん、ナオキを襲った奴を見つけて・・・
『ナニワトモアレ』と同じく、繰り返し読んだの巻と回の話しをご紹介しましたが、もちろん他の巻も超面白いです。両漫画とも無理やり絞ったオススメの回で毎巻面白いです。
二部の『なにわ友あれ』は当たり前ですが最初から絵も綺麗で、一部でギラギラしていたメンバーが落ち着いていたり、一部の若手が先輩になっていたりと色々な見どころがあります。
ちなみに私は一部のヒロインのユキと二部のヒロインのナツが嫌いです。まぁ二人とも男側に大いに問題があったのでしょうがないんですが、離れる付近のやりとりとか表情がリアル&臨場感ありすぎて嫌いになりました(笑)
好きなキャラはゼンちゃんの二部のカワチン、あとはタツオですかね。特にタツオはどうしようもない悪者ですが、二部ではテツに喧嘩指南してスカウトしたりと賢い部分もありお気にいりのキャラです。あとはサメと同じく果敢にゼンちゃんに向かっていったのも良かった。
『ナニワトモアレ』と『なにわ友あれ』の二部作はヤンキー、不良、喧嘩などに抵抗がなければぜひ読んで頂きたい超オススメの漫画です。